スバルショップ三河安城の最新情報。クラブ・スバリズム特別編「トヨタ・ルマン挑戦の歴史」| 2018年7月7日更新

 

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2015年:莫大な予算を投入するポルシェとアウディ。屈辱の戦いとなった1年。

ポルシェとアウディは、年間500億円以上の予算を注ぎ込んで、技術開発を急進。特に、ポルシェは只ならぬ決意で2015年シーズンに挑んでいました。

一方のトヨタは、2015年の目標を完全に見誤ってしまいます。ライバルを過小評価していた、と言ってもいいでしょう。2015年型TS040は、完全なるキープコンセプト。エアロダイナミクスに改良を施し、ハイブリッドユニットも改善を図ったのみ。既に旧式と言えた、ポート噴射のV8NAユニットはそのまま維持されました。

開幕戦から、トヨタの劣勢は火を見るより明らかでした。予選は4、6位からのスタート。決勝ではあっという間に引き離され、アウディとポルシェにあっという間に周回遅れに。。。ルマンの前哨戦となる第2戦スパには、ポルシェとアウディは3台目のマシンを投入。予選では、たっぷり2.7秒差もの付けられて、6、7位からスタート。決勝では3周も遅れて、5位に入るのが精一杯でした。

ルマンでは、更なる劣勢。予選では、なんと6秒もの差を付けられます。決勝でも当然奮わず、6、8位。優勝は、19号車のポルシェ。1-2フィニッシュで、1998年以来の優勝を飾ります。遂に、最強王者ポルシェが真の力を発揮し始めたのです。

トヨタは、TS040の開発を放棄。来る2015年シーズンへ向け、ニューマシンTS050の核たる新型エンジンの開発に全力を投じることになります。

 

2015年:日産の黒歴史、ここに極まれり。日産とGT-Rの名を汚した、米国産の奇っ怪マシン。

2015年のルマンと言えば、日産「GT-R LM NISMO」に触れないわけにはいかないでしょう。高らかに2016年の優勝宣言を謳いながら、滑稽なレースぶりで2015年で撤退。日産ファンの酷い怒りを買った曰く付きの車両です。

このマシンは、ベン・ボウルビーがデザインしたデルタ・ウイングが元。2012年に特別枠「ガレージ56」で出場したこのマシンは、フロントトレッドを極端に縮めた「ほぼ3輪車」でした。ボウルビーは、日産米国法人の支援を獲得。エンジン供給とともに、プロジェクトへの支援も取り付けます。この年はリタイヤするも、2014年へ向けて日産のプロジェクトとして「ZEOD RC」というPHVマシンへ進化します。このプロジェクトは完全に準備不足で、たった24分でリタイヤ。しかも、2013年秋にはボウルビーと日産が、デルタ・ウイングから知的財産権の侵害で訴えられるというお粗末ぶりでした。

ボウルビーの仕事ぶりは酷いものでしたが、日産は彼を信頼していたようです。2015年2月1日、スーパーボウルのTVCFで、日産は斬新なニューマシン「GT-R LM NISMO」でのルマン挑戦を高らかに宣言します。

GT-R LMは世界を驚かせます。モノコック前方に配置されたエンジンが、フロントタイヤを駆動するFF方式を採用。また、リヤには細い特殊なタイヤを採用し、MGUを配したハイブリッド4WDマシンでした。ボディサイドは巨大なエアトンネルになっており、リヤのディフューザをアシストして強大なダウンフォースを発生する計画でした。

マシンの出来は、酷いものでした。ワークスチームがLMP1にエントリーする場合、ハイブリッドが義務付けられています。ところが、GT-R LMのハイブリッドシステムは稼動していませんでした。理由は「間に合わなかった」から。唯一よく出来ていたのは、エンジン。こちらは、日本のニスモ製の3.0LV6NAでした。それでも、フロントカウル内は配線やパイピングでグチャグチャ。ワークスマシンらしからぬ完成度なのは、火を見るより明らかでした。

当初、WEC開幕戦から出場予定でしたが、シルバーストーンにその姿はなく、次のスパにも現れません。結局、ぶっつけ本番でルマンに挑戦することになります。

ルマンに3台を持ち込んだ日産ですが、その遅さが大問題となります。コーナーではGTマシンが追突するほど、遅いのです。当然、3台とも予選通過基準タイムをクリアできません。何とか、決勝出走に漕ぎ着けますが、レース中もドタバタ続き。まともに走った時間の方が少ない、という惨状。結果は、1台がチェッカーまで走ったものの義務周回数不足。日産は、ボウルビーのチームを全員解雇。GT-R LMは、日産ルマン挑戦の黒歴史に1ページを加えることになったのです。

 

2016年:巻き返しを図る、トヨタ。1年前倒しで、先進的な直噴ターボエンジンを開発。

来る2016年シーズンへ向けて、トヨタは時代遅れのV8NAエンジンを捨て、先進的な2.4LV6ターボエンジンを新たに開発します。当初、2017年シーズンへの投入を前提にしていましたが、東富士は開発を一気に加速。F1エンジンと同等の、先進的な超高圧縮比の直噴ターボエンジンを投入します。

通常のポート噴射式のエンジンではノッキングを起こすため、圧縮比に限界があります。そのため、古いターボエンジンでは圧縮比を下げて仕立てられていました。これが直噴エンジンだとノッキングの恐れが無いため、圧縮比に上限がありません。

最新のレーシングエンジンでは燃料流量が制限されており、そのキモは熱効率の向上です。少ない燃料から、どれだけ多くのパワーを引き出せるか。そのため、最新のレーシングエンジンでは、圧縮比が16:1を超えています。市販車が12:1程度ですから、とてつもない数値です。また、最新インジェクターの噴射制御能力を活用して、吸入行程できめ細やかな燃料噴射を行い、帰化潜熱で逐次シリンダー内を冷却して充填効率を高め、より多くのエアを送り込んでいます。

また、タービュランスジェットインジェクション(TJI)という技術が使われているという、噂があります。通常の直噴エンジンでは、シリンダー内に燃料を噴射し、火花点火によって燃焼させます。一方、TJIでは副燃焼室内に点火プラグとインジェクターを収納。ここで着火して、シリンダー内に火炎放射を行う、というものです。燃焼行程が通常の直噴エンジンでは等積膨張になるのに対し、ディーゼルサイクル同様の等圧膨張に近づくため、熱効率が向上します。

この超高効率燃焼技術に加えて、ターボで効果的な熱回収と、MGUで運動エネルギーを回収を実施。結果的に、システムトータルの熱効率では、火力発電所並みの50%を超えると言われています。

 

2016年:劣勢打開なるか。ニューマシンTS050を投入。

シャシーも新型へスイッチ。蓄電ユニットをライバルと同等のリチウムイオン電池に換装。蓄電容量を一気に拡大。エネルギー放出量を、それまでの6MJから8MJへとステップアップを図っています。エアロダイナミクスでは、外見上の変化は少ないものの、L/D値は大幅に向上しており、より少ないドラッグでより大きななダウンフォースを獲得しています。また、ミスの多かったニコラス・ラピエールに代えて、小林可夢偉を新たに起用。

対するポルシェは、919 Hybridの開発をさらに推進。これに対し、アウディは奇っ怪な見た目の新型R18を投入したものの、この1年は劣勢に立たされることになります。

WEC開幕戦シルバーストーンでは、トヨタ勢は前年と変わらぬ苦戦ぶり。次のスパでは、オー・ルージュの縦Gに耐えられずに、5号車がエンジンブローするなど、状況は厳しいままでした。ただ、アウディとの接近戦を繰り広げるなど、明らかにペースは改善。少し、希望が持て良いのかも。淡い期待を抱き、ルマンに挑むことになります。

 

2016年:超高速サーキットのルマンで、覚醒したTS050。

ところが、ルマンでは一気に劣勢を打開。トヨタ勢が、一気呵成に怒涛の進撃を開始します。予選では、6号車がポルシェの2台と1秒差の3番手、5号車も2秒差の4番手に付けます。一方のアウディはトラブルが相次ぎ、らしくないルマンとなります

午後3時、決勝スタート。序盤のレースをリードしたのは、トヨタとポルシェの4台。5号車トヨタは、バイブレーションを感じてタイヤ交換を実施し、少々後退。その後は、1スティントで14周走れるトヨタが優勢で、13周のポルシェと12周のアウディは徐々に水を開けられていきます。スタートから8時間、ポルシェ1号車は水温上昇に見舞われ、ウォーターポンプ交換を実施。大きく後退して勝負権を失います。

レースが折返しを過ぎると、トヨタ2台をポルシェ2号車が追う体制。明らかにトヨタが有利なまま、夜明けを迎えます。ところが、レース残り4時間。小林可夢偉がドライブする6号車が、ポルシェカーブ付近でスピン。速やかに4WDモードで脱出するも、アンダーフロアとサイドカウルの修理に手間取り、3周をロス。ポルシェ2号車は望外の一騎打ちの展開を手に入れます。しかし、5号車は快調そのもの。30秒程度と厳しいながらもマージンをキープ。レースは、最終盤へと突入します。

 

2016年:モータースポーツ史上最大の悲劇。悲願達成まで、たった5分。トヨタの希望は、木っ端微塵に打ち砕かれた。

伝統のチェッカーフラッグまで、あと3分。いつもは称賛の歓声がこだまする、世紀の瞬間。2016年のルマンは、想像を絶する光景を前にして、静寂に包まれていました。それは、ルマンの恐ろしさ、ルマンの厳しさを思い知らされた瞬間でした。

スタートから、23時間50分。24時間に渡って、全開で競い合ってきたポルシェ2号車が最後のピットイン。トップのトヨタ5号車との差は、たった30秒。それでも、勝負が決したと理解したポルシェ陣営はスプラッシュゴーではなく、大事を取ってタイヤ交換を実施。その差は、1分30秒まで広がります。ピット内は、初優勝を遂げるトヨタへの敬意に満ちていました。

トヨタ5号車は快調に進撃。あと少し、あと少し。。。トヨタのピット内にも続々と人が増え、世紀の瞬間に向けて固唾を飲んで見守っていたのです。。。

ところが、ここでルマン史上最大の悲劇が幕を開けます。

残り5分、第1シケインに進入する5号車。しかし、立ち上がりの加速がまったく伸びません。LIVEの画面上に表示されるスピードメータは、ぴったり200km/h。そこから、全く加速せず。。。状況を見る限り、それは制御系の異常を暗示していました。

ドライバーの中嶋一貴が、ピットに叫びます。「No Power!! No Power!!」トヨタのピットは、大混乱。ユルユルと下位クラスのマシンに道を譲る、TS050。その脇を、ポルシェ1号車がすり抜けていきます。

ポルシェのピット内は。。。静寂に包まれていました。エンジニアやメカニック達は頭を抱え、ルマンの恐ろしさに身が竦んでいる様子。ただ、ドライバーだけは世紀の瞬間を予感して、静かに喜び始めていました。

TS050は、残り10km近い道程をユルユルと進んでいきます。残り、5分。もうピットに入れるという選択肢は残されていません。這うようなスピードで、最終シケインを通過したTS050。力尽きたのは、何とグランドスタンドの真ん前。フィニッシュライン上でした。

優勝は、ポルシェ2号車。5号車トヨタは、リタイヤ。6号車が、何よりも悔しい2位に入賞しました。

 

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