スバルショップ三河安城の最新情報。スバリズムレポート第2弾「航空機はなぜ飛ぶのか?」| 2018年12月29日更新

 

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水平尾翼は、実はマイナス揚力を持つ。

水平尾翼による釣り合い力

水平尾翼は、実は下向きの揚力が発生するような翼型を採用しています。これは、主翼の空力中心を機体重心より後方に置くことで頭下げのピッチモーメントとし、これを尾部に設けた水平尾翼の下向きの力でバランスさせているのです。

外乱によって頭上げが生じた場合、水平尾翼の迎え角増加により、揚力が増加。頭下げのモーメントを発生させます。逆に、機首が下がった場合は、水平尾翼の迎え角が減少し、機首上げのモーメントが発生して挙動をバランスさせます。

 

垂直尾翼が作る、方向安定。

垂直尾翼と方向安定

垂直尾翼は風見鶏と同じ原理で、ヨーの安定を生み出します。外乱によりヨーが生じると、迎え角の増加により逆向きのヨーモーメントが発生し、機体を安定させます。

尾翼の作用によって機体の姿勢安定を自然に維持する設計を、正安定と呼びます。多くの航空機は正安定を与えられていますが、近代の戦闘機はこの限りではありません。意図的に正安定を成立させないことで、機動性の向上を図っています。

 

機体を制御する、動翼。

ControlSurfaces

A:エルロン[ローリング]、C:エレベータ[ピッチング]、D:ラダー[ヨーイング]
Piotr Jaworski; PioM EN DE PL (Poznań/Poland)
[GFDL or CC-BY-SA-3.0], from Wikimedia Commons

通常、航空機は機体に作用する力の釣り合いによって飛行を維持しています。動翼は、この力の釣り合いに変化を与えることで機体制御を行うためのものです。

ローリング:補助翼(エルロン)は機体をバンクさせるためのものです。主翼後縁の外側に設けられており、これを左右非対称に作動させることで機体にロールモーメントを与えます。エルロンが、フラップの機能をも果たすものはフラッペロンと呼ばれます。

ピッチング:昇降舵(エレベータ)は、水平尾翼全体もしくはその後縁部が左右対称に作動することで、ピッチモーメントを生み出します。水平尾翼全体が可動する全遊動式のものは、エレベータ+スタビライザからスタビレータとも呼ばれます。

ヨーイング:方向舵(ラダー)は、垂直尾翼全体もしくはその後縁部が作動することで、機体にヨーモーメントを与えます。ラダーの作動だけでは、機体が斜めに進むだけで旋回しません。右旋回させるには、エルロンで機体を右バンクさせた後、ラダーを作動させます。

 

失速領域の機動を改善するストレーキ。

US Navy 110606-N-DR144-314 An F-A-18E Super Hornet assigned to Strike Fighter Squadron (VFA) 81 maneuvers over the Nimitz-class aircraft carrier US

主翼前縁付け根を延長したLERXが、主翼上面に激しい渦を発生させてエネルギーを与え、失速を防ぐ。

主翼付け根の前縁を延長したものを、ストレーキやLERXと呼びます。原理的にはダブルデルタ翼と同様で、失速速度を低下させる効果があります。

戦闘機で求められる激しいマニューバでは、時に迎角が過剰となって失速(→スピン)に至ることがあります。そのため、機種ごとに最大迎角が指定されており、これを超えて機動することは禁じられています。LERXはF-5戦闘機の開発時に発見されたもので、前縁フラップのアクチュエータ収納部が離着陸性能の改善に有効であることから見出されました。

主翼の失速は、翼上面の気流がエネルギーを失って剥離することで起こります。超音速機で採用されるデルタ翼は、翼端失速しやすい特性を持っています。そこで、大迎角時にLERXが強力な渦を発生させ、これを翼上面に導くことで、エネルギーを与えて失速を防ぎます。LERXは、激しいマニューバや離着陸性能の改善に極めて有効です。

USAF Northrop F-5E Tiger II (72-02945) In flight (3903416597) Russian Air Force, 052, Sukhoi Su-57 (36521094324)
 

[上]ノースロップF-5E。原型機YF-5Aの前縁フラップ用アクチュエータのフェアリングが、空力的効果があることが偶然発見され、LERXが生まれた。ウィキメディア・コモンズ経由で
[中]Su-30MK。前部胴体両脇のカナードには失速を防ぐ効果もある。English: Aleksandr MarkinРусский: Александр Маркин [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons
[下]ロシア最新のSu-57では、LEVCONと呼ばれる可動式のLERXが特徴。Anna Zvereva from Tallinn, Estonia [CC BY-SA 2.0], ウィキメディア・コモンズ経由で

 

ゆっくり安全に着陸するための、高揚力装置。

Undercarriage.b747.arp

前縁と後縁双方のフラップを展開して、着陸態勢に入るボーイング747。
Arpingstone [Public domain], via Wikimedia Commons

離着陸時、主翼後縁からカーテンのように現れるのが、高揚力装置(フラップ)です。翼面荷重を高めると巡航速度と経済性は向上する一方で、低速性能(主に離着陸性能)が低下します。これを補うのが、高揚力装置です。後縁に装備されるものを後縁フラップと呼び、前縁に装備されるものを前縁フラップまたはスラットと呼びます。

フラップの展開によって、主翼のキャンバーと翼面積が一時的に増加して発生揚力が大きくなり、離着陸時の滑走距離を改善します。また、フラップに隙間を設けると、翼上面の層流境界層にエネルギーが供給されるので、失速速度を下げることができます。よって、機体は大きな迎角で大きな揚力を得つつ、効果的に減速して、より低速で着陸することができます。

 

自動空戦フラップが効果を発揮した、紫電改。

N1K2-J-1

紫電改で編成された三四三空では、自動空戦フラップの効果により、若年のパイロットも多大な戦果を挙げた。
USAAF 1946 [Public domain], via Wikimedia Commons

零戦は低翼面荷重により、敏捷なマニューバを実現していました。それでも、不足と考えた熟練パイロットは空戦中にフラップを手動で展開させて、激しいマニューバを実現していました。ただ、生死を分ける緊張感の中、冷静にフラップを作動させるのは至難の業。そこで、編み出されたのが自動空戦フラップです。

川西航空機が水上戦闘機「強風」に採用したのが最初で、その発展型の紫電改に搭載されて大きな戦果を挙げます。紫電改は、高翼面荷重で設計されていたため、零戦に比較して旋回性能が不足していました。自動空戦フラップはこれを補ったばかりか、若手パイロットの戦力向上に大きな効果を発揮したのです。

 

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