2018年登場のPHVは、XV?2021年のEVは?新時代のスバルが始まる。 [2017年06月02日更新]

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photo by SUBARU
新時代のスバルが、いま始まる。
 
PHVの登場は2018年、次世代EVの登場は2021年。

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

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担当:余語

 

EV時代はいつ来るのか?日産「リーフ」は想像以上の難産だった。

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2010年に登場した日産「リーフ」は、世界初の本格的量販EVとして自動車史に刻まれるに違いありません。ところが、この6年間はリーフにとって順調とは言い難い歳月でした。航続距離の不足は特に致命的で、これが普及の足かせとなったのです。中古車価格は低迷し、EV時期尚早の感を強くします。そこで日産は、後期型ノートに「シリーズハイブリッド版」を追加し、これをEVの一種だと「強引な主張」を展開。「e-POWER」と銘打って普及に繋げようとしています。

この間、トヨタの電動化はハイブリッド、PHV、FCV(燃料電池車)と順調に進展したものの、EVに関して静観を決め込んでいました。航続距離不足が解決されない限り、時期尚早だと判断してきたのです。トヨタが、本格的にEVへ進出するのは、2020年。初代プリウスのように社内ベンチャーによる社長直轄プロジェクトとして、完全新設計のEV専用車種が発売される計画です。

欧州では、過剰なディーゼルの普及による大気汚染が深刻化。その一方で、ハイブリッド技術では日本に大きく遅れを取っているため、各メーカーはメガサプライヤーと主導で一足飛びにEV化へ邁進中。PHVと純EVの二本柱で対抗しようとしています。今や、欧州勢の命運を握るのは、ボッシュ、コンチネンタル、ZFなどのメガサプライヤーです。

この時代の大変革に際して、中規模メーカーの悩みは募るばかりです。この荒波を乗り切るには、経営リスクを承知で莫大な研究開発費を投じるか、自力開発を放棄してメガサプライヤーに頼る他ありません。ところが、投資すべき対象は電動化だけに留まりません。自動運転やつながる化、人工知能など、やるべき事は山ほどあるのです。 これら全てへの投資は中規模メーカーは到底不可能。自らの将来的なブランド設計の中で「選択と集中」を求められています。

 

2018年にPHVを市場投入。2021年には完全EVを投入予定。それは、XV?

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スバルは中期経営計画の通り、2018年にPHVを市場投入。完全EVの投入は2021年に予定しています。スバルが環境対応車の投入を急ぐのは、米国カルフォルニア州のZEV規制に適応するためです。スバルは販売台数が急速に伸長しており、近いうちに規制対象メーカーに指定される可能性があるのです。

現在、スバルはトヨタの資本提携下にあります。スバルは、マツダのようにトヨタ製PHVユニットの供給を打診しているようですが、公式発表は未だにありません。恐らくは、水平対向エンジン+AWDに適応するPHVユニットが無いのでしょう。そうなると、独自開発しかありません。PHV開発に伴う投資は相当なものとなるでしょう。あるいは、欧州のメガサプライヤーを頼るのかも知れません。その場合、ホンダの二の舞にならぬことを願うばかりです。

PHVについては、問題がひとつあります。国内投入が確実ではないのです。米国の規制対応ならば、国内投入の必要はありません。米国偏重の傾向から鑑みれば、その可能性もあるでしょう。

このPHVについて、スバルの吉永社長は新規車種とせず既存車種の追加グレードとなる旨を公表しています。その車種は、おそらくXVとなるでしょう。EV専用の完全新規車種よりも、旧来のブランドイメージを活用できるXVの方がベターなのでしょうか。XVが持つオールラウンダーな性格とアクティブな印象は、新時代スバルの幕開けには適任かもしれません。

 

EV時代に、望まれるスバルとは?

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新たな電動化時代はスバルにとって受難の時代となるかも知れません。スバルから「水平対向エンジン」という技術的個性が失われてしまうからです。

自動車メーカーが恐れるシナリオは、次の3つ。純EV化、完全自動運転化、カーシェアリングの普及です。そんな時代、車の価値は利便性とコストに集約されるでしょう。際限ない価格競争と、ベンチャー企業の台頭によって、自動車業界は根幹からひっくり返されることになります。中規模メーカーは間違いなく淘汰されるでしょう。

極端な燃費・安全志向は、電動化と自動運転技術の深度化を推し進め、時代を望まぬ方向に進めてしまいます。クルマがクルマらしくあり、個性が愉しめる。そんなクルマに子供たちが憧れる。そうでなくては中規模メーカーの存在意義は失われてしまいます。

スバルの技術的個性は、水平対向エンジンと左右対称レイアウトの四輪駆動システムにあります。電動化時代にこの個性を維持するのは、およそ困難でしょう。それが失われた時、スバルがスバルたる理由も永久に失われます。 技術的個性の最たるポルシェでさえも、初のFRモデル「928」はまったく不人気でしたし、初の水冷911である「996」は今でも格安で取引されています。技術的個性の喪失は、ブランドの存在意義そのものに疑問を投げかけます。

電動化時代を迎えて、水平対向エンジンを搭載しないスバル。それは本当にスバルと言えるのでしょうか?それども、コレはやっぱりスバルだ!そう思わせる、新時代のスバルとはどんなものか。大いに期待して待ちましょう。

 

文責:スバルショップ三河安城和泉店 営業:余語

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