東モ開幕直前!トヨタは、スバルに何を求めるのか? [2019年10月22日更新]
ニュース ピックアップ [ スバル 最新情報 ]
「SUBARUビジネスアップデート」を読み、クル...
2024年11月09日 スバル
遂に登場!!クロストレックにストロングハイブリッ...
2024年10月18日 スバル
MotoGPのススメ。二輪がニガテな方々へ。...
2024年08月07日 スバル
スタートまであと1日、2024年ルマン24時間展...
2024年06月14日 スバル
おくるまファミリーフェスタご来場ありがとうござい...
2024年06月02日 スバル
和泉店でのイベント開催まで、あと1日!!ぜひ、ご...
2024年05月24日 スバル
5月25日、26日、和泉店でイベント開催!!ぜひ...
2024年04月27日 スバル
オートサロンとCES、進む二極化。...
2024年02月04日 スバル
次のページ>>1 2
次期WRXは「あの人」を納得させられるのか?
次期WRXはレヴォーグ搭載の1.8L直噴ターボで登場、との噂があります。当然、1.8L直噴ターボでは、目の醒めるようなパフォーマンスは実現不可能。誰が見ても、スペックダウンとなるのは明らかです。しかし、この計画は場合によっては破棄されるでしょう。DJ兼マスタードライバーの「あの人」が納得しないからです。
WRXが「ショボくなる」動機は、フォレスターからのターボ廃止、レヴォーグのMT未設定とリンクします。単純明快に言えば、こういった刺激的モデルに対し、現スバル経営陣は興味がないのです。ですから、予算も投じなければ、人材も投じません。WRXとレヴォーグのエンジンを共通化すれば、今まで3種もあったエンジンをたった1種に統合できます。「スバルと言えば、SUVと安全」のであり、「ターボ+AWDと走る愉しさ」ではないので、それで、良いのです。
現行フォレスターの発表試乗会時、メーカーの方にターボモデル廃止について尋ねた処、あっさりと言われました。「ターボなんて、全然数出ないですから。」と。この発言は、今のスバル(恵比寿)を象徴しているのかも知れません。
しかし、豊田章男氏はまったく逆の考え(しかも、それはスバルファンと同じもの)を持っています。それはプレスリリースに記した思い、「『走る愉しさ』はクルマの本質であり、しっかりと守り続けるべきもの」に現れています。
トヨタは今確実に変わりつつあります。CH-R、クラウン、カローラスポーツ、カローラ、ヤリスと、みるみるレベルが上げてきているのです。そして、各車種にMTモデルやGRモデルを追加し、それを全面に出してプロモーション展開をしています。章男氏が社長になり、組織改革と意識改革に邁進した結果、ようやくトヨタ社内の評価軸も変わり始めたのです。
トヨタがスバルに対し、「走りの愉しさ」と「より強い技術的個性」を求めるのであれば、WRXはその象徴とならねばなりません。それが、コストダウンの果てのスペックダウンでは、スバルの根幹が失われてしまうのです。
もし、WRX計画が差し戻されるのなら、その発表・発売は2年単位で遅れることでしょう。しかし、その時間は無駄にはなりません。より、刺激的なスペックで登場するのですから。
ただ、その差し戻しが間に合わなかったとしたら、、、。急いで、Final Editionの抽選に参加しましょう!
コモディティ化と戦うために、ピエロを演じる豊田章男氏。
豊田章男氏を奇天烈なカーキチだと、不愉快にお感じの方もいらっしゃるでしょう。トヨタイムズでは毎度レーシングスーツ姿で登場し、売っても赤字と言われるスープラを強行。イベントでは、ヤリスWRCでスピンターン。しかも、今年は息子と共にS耐参戦中。あんな道楽やって、良い御身分だと。。。
しかし、あれこそが章男氏の闘いなのです。
今、自動車業界が最も懸念しているのが、コモディティ化です。どれに乗っても同じなら、安いほうがイイ。安い方がイイのなら、シェアリングでイイ。たまに乗るなら、Uberで済まそう。ほとんど乗らないなら、免許も要らないんじゃない?
こうなってしまっては、自動車業界は縮退する一方。これこそが、自動車業界が恐れるコモディティ化です。平均購買価格はどんどん下がり、過当競争が激しくなって、消耗戦が始まる。そして、そこにベンチャーが突如現れて、全部持って行かれる・・・。家電業界や携帯電話で見られた図式です。
かつて、自動車は憧れの的でした。他ならぬ小生も、アレが欲しい、コレが欲しいと、脳内妄想をしていたものです。しかし、今の子供たちはどうでしょう?もし、彼等がクルマに興味が無いのなら、スバルもGRも要りません。「国民車」が1モデルあれば済んでしまいます。でも、それでは、裾野の広い自動車産業を維持することはできません。
消費者が、より良いクルマを求めて、より高いクルマを選ぶ。ローンを組んでまで、憧れのクルマを買う。そうした時代とするには、何をするべきか?それは、クルマ本来の素晴らしさを、より分かりやすく伝えることです。ハンドルを握って、ワインディングを疾走する。あれだけ愉しい瞬間を、多くの方々は知りません。クルマは、単なる移動手段に成り下がりつつあるのです。そう、コモディティ化です。
コモディティ化と闘うために、章男氏が選んだ最適な方法。クルマに憧れをもたせ、歴史と伝説を作り、子供たちにカッコいい!と思わせる。それが、モータースポーツであり、スポーツカーなのです。自らが語り、自らが走る。それによって、日本の消費者、そして何より自らの会社の社員たちに、クルマの愉しさを知ってもらおうとしているのです。
そのために、章男氏は自ら「ピエロ」を演じているのです。
トヨタとの提携によって、スバルがスバルらしさを取り戻す!
今回のスバルとトヨタの提携強化は、5年後には具体的に成果が現れることでしょう。特に、スバルのラインナップには、大きな変化があるかも知れません。しかし、それは憂うべきものにはならないはずです。
先述のように、トヨタはスバルに対しより技術的個性を強める、実力のある個性派ブランドとして成長することを求めるでしょう。スバルのエンジンラインナップは拡充され、トランスミッションはMTを選べるようになるはずです。ほとんどのモデルには、刺激的なSTI仕様が追加され、エッジの効いたコンプリートカーも次々と発売されることでしょう。
これまで、肩身の狭い思いをしてきたSTIですが、新たに体制と設備を大幅に強化され、モータースポーツ活動にも積極的に展開するようになるでしょう。そして、最近では考えもしなかったビッグな挑戦が開始され、新たな伝説が幕を開けることになります。
優秀な人材は次々にSTIにヘッドハントされ、手練のベテランエンジニアにたっぷりしごかれ、再び開発現場に戻っていきます。そして、彼等は次代を担うリーダーとなって、スバル全体の開発能力をグングンと引き上げていくのです。
失敗しない、売れるクルマを作る。のではなく、自分たちが信じる最高のクルマを作る。90年代に狂喜した、あの最高のスバルが戻ってくることでしょう。