新型フォレスター、試乗車試乗記。完成度の高さは驚き! [2025年05月15日更新]

フォレスター
 

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

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担当:余語

 

高速巡航でも太いモータトルクを実感。燃費表示は、20km/L越え!

今回の走行は、国道23号のバイパス路を往復30kmほどの道程。走行を終えてディスプレイに示された燃費表示は、20.3km/L。実燃費は、10%減の18km/L台と思われ、この数値はWLTC値とほぼ合致します。このクルマが、ミドルサイズのSUVであること、そして何より「フォレスターであること」を考えると、十分すぎる燃費だと言えるでしょう。

高速巡航では、軽快というより、滑るように走る感覚。やはり、クロストレックより重さを感じます。それでも、しっかり踏み込めば、2.5L+モータのトルクを発揮。爽快に加速していきます。走ったのが国道23号バイパス路のみなので、60km/h+程度が限度でしたが、追い越し加速もグッと力強くこなします。燃費を考えなければ、爽やかに高速道路を駆け抜けられるでしょう。クロストレックでは、120km/hではエンジン+モータでの走行となって、一気に瞬間燃費が低下する「燃費の崖」が確認されています。燃費を考えるのなら、新東名でも110km/h程度で我慢する方が燃費には良いでしょう。

全力で高燃費を目指すとなると、走り方は全く変わってきます。ペダルを戻り方向に意識的に動かして、EVモードを積極活用する必要があるからです。バッテリ残量と睨めっこしつつ、アクセル開度をコントロールせねばなりません。

ただ、さすがに高速巡航となれば、モータだけでは力不足。EVモードはアクセル開度18%ほどが限界ですが、この開度での単独走行では平坦路での速度維持がギリギリ。但し、軽い下り坂や前走車があれば、十分に追従可能です。アクセル開度16%程度だと、バッテリ残量6割でもエンジンを始動させ、エンジン出力で充電+走行するモードへ移行します。このモードでの瞬間燃費は、9km/L台。バッテリ残量が9割程度になると、自動的にEVモードへ移行します。アクセル開度を14%ほどで我慢していると、バッテリ残量3割程度までEVモードを維持します。ただ、バッテリ残量がどんどん減っていくため、無理にEVモードで走るのは得策ではありません。バッテリ残量と前方の状況を予測しつつ、最適な「デプロイ」を考えていく必要があります。

もしそれが面倒なら、アイサイトのACC(全車速追従機能付クルーズコントロール)の活用がオススメ。軽負荷時には積極的にEVモードを使うので、「人力運転」よりも燃費が寧ろ良くなるという場合も多いはずです。かつては「ACCは楽だけど、燃費は劣悪」と言われたアイサイトですが、Ver.2登場以来15年を超えて確実に進化を果たしています。

ACCは、アイサイトXの活用にも必須。カーブ手前減速や料金所手前減速などの機能が作動するのは、高速道路上でACCを使用した場合のみ。様々に気を使って走るよりも、ACC任せで走るほうが燃費にも疲労にも良いはずです。もちろん、ACCはあくまで運転支援が目的。前方の安全確認はドライバーの責務。落下物の回避や、突然の渋滞などへの対応は、すべてドライバーの仕事。運転操作をアイサイトに任せつつも、決して油断しないようにしましょう。

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高速巡航でも足回りはしっかり硬めの印象。その分、スタビリティは秀逸。

高速巡航での乗り心地は、従来のフォレスターに比較して明確に「硬さ」を感じます。高架道路の継ぎ目も、しっかり凹凸が感じられます。モチモチ感ではなく、結構しっかりアルデンテ。カッチリ芯のある乗り心地。もちろん、ドタンバッタンなんて情けない上下動ではなく、グッ・トンッと頼もしい、高い剛性感を感じる乗り心地です。さすが、第2世代SGP。フルインナーフレーム構造となって、車体剛性や静粛性は大幅に改善されており、その効果をありありと実感できます。

かつてのSUVと言えば、柔らかい仕立ての足回りで、オンロードではゆったり気長に走るもの。思い返せば、SJ前期型フォレスターもかなり柔らかめの仕立てでした。ところが、強心臓を与えられた昨今のSUVは、ワインディングを爽快に駆け抜けられねば落第点となる厳しさ。そんなこんなで、足回りは硬くなる一方。

SUVは、ハッチバック等に比べて重心高が高いため、ロールモーメントが大きくなるのは自然の理。同じ速度で旋回した場合、重心高が高い分だけロール角が大きくなります。そこに、近年の装備充実化に伴う重量増加が、ロール角増加に拍車を掛けます。そこで、ダンパーを硬めのセッティングとして、ロール角を抑える。その結果、必然的に乗り心地が硬くなる、という訳です。

そこに輪をかけて乗り心地を硬くするのが、ホイールサイズの大型化。どうも、近年のデザイナーはペッタンコのタイヤにでっかいホイールを履かせたがる。。。突き上げ感は強いし、タイヤ交換費用も嵩む。あぁ、、18インチで良かったのにぃ・・・と思わずにいられません。ただ、某OEMの〇〇クロスオーバーなぞ、21インチでタイヤ交換費用は約30万円。それを考えれば、19インチのPremiumでも、良く我慢した方なのかも知れません。

SGP世代のスバルの特徴は、タイヤの位置決め剛性の高さ。甘いブッシュをアチコチ噛まして、微振動はオールカット、、、なんて無粋な真似はしません。ボディ・サスペンション・ホイール+タイヤの位置関係を常に正確に維持することで、サスペンションを設計通りに正確に作動させる。だからこそ実現できる、クリアで正確な走り。コレが、SGP世代のこだわり。新型フォレスターもご多分に漏れず、ヨタッ・クタッ、なんて馬脚とは全く無縁のガッチリ系。横風に煽られてフラつく、なんて事もありません。「スバルは長距離走っても疲れない」、その理由の一つがここにあります。

第2世代SGPの特徴は、実はフルインナーフレーム構造だけではありません。構造用接着剤の積極使用によって、静粛性も改善しています。というのも、構造用接着剤は鋼板溶接部と異なり、エラストマ素材であるが故に振動減衰特性を持つため、静粛性改善に効果があるのです。その威力は覿面で、高速巡航時の路面入力に対してもサスペンションからの入力を受け止め、不快な音・振動に変えることなく、しっかり振動を減衰させていきます。それでも、やはりアルデンテはアルデンテ。もう少し当たりがマイルドな方がお好みなら、18インチ仕様のX-BREAKをチョイスするのが良いでしょう。

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目下絶好調の新型フォレスター。S:HEVの納期は1年以上。さて、ベストバイは?

新型フォレスター、目下絶好調。多くのお客様から、激変したスタイリングを気に入った、との有り難いご意見を多数頂戴しています。その甲斐あって、納期は早々と1年を超える好評ぶり。もちろん、デザインが良いからって売れるほど、自動車ビジネスは単純ではありません。

新型フォレスターがここまで好評な理由。それは、これまでの悪評を覆す「S:HEVの高燃費」にあるのは間違いありません。それを証明するのが、S:HEVとターボモデルとの受注比率。何と9:1にも達します。ターボの納期が4〜6ヶ月で、S:HEVが1年以上という状況下でも、その比率は大きく変わっていません。それだけ、消費者のS:HEVに対する期待度は高いと言えるのでしょう。

S:HEVは、燃費が良いだけのフニャフニャパワートレインではありません。パワーソースに依らず、常に右足に忠実に反応し、不快なジャークもなく、素晴らしいドライバビリティを実現しています。このリニアリティの実現のため、確かに燃費値は多少犠牲になっているやも知れません。しかし、それを補って余りあるだけの快適さと痛快さ。この心地よさは、スバルだからこそ造れたものでしょう。

さて、新型フォレスターのベストバイを考えてみましょう。このSL型フォレスターの選択を難しくしているのが、メーカーオプション設定です。確かに、X-BREAKはオトクです。ホイールも18インチだし、グリーンの加飾さえ我慢できれば、Premiumより11万円も安く済みます。ただ、ネックとなるのが、アクセサリーコンセント。災害時やキャンプで多いに役立ちそうなコンセントですが、X-BREAKではなぜか設定なし。これを選ぶとなると、Premiumの本革+ハーマンカードンという贅沢仕様を選ばざるを得ません。すると、車体本体価格はX-BREAK比で+47万円(税抜)で、税込価格はほぼ500万円。ところが、このメーカーオプション、実はクロストレックでは+4万円なのです。余りに不可思議なメーカーオプション設定。。。。

コンセントを装備するとなると、購入予算は540万円以上。となると、コンセントは諦めて、X-BREAKを選択する方がオトクに感じます。X-BREAK EXなら車体価格約450万円(税込)、総予算でも490万円程度。これなら何とか、、、なりませんかね?小生にはムリですがね。。。

それにしても、高い・・。でも、致し方なし。今や、フォレスターは高級車のククリ。庶民派SUVではないのです。じゃぁ、どうすんだ。。。だったら、いっその事、アウトバックに名前を変えてくれば良かった。そう、これはフォレスターじゃないんだ!そう思うことにしよぅ。アウトバックなんだ!!だから、500万円もするんだ。あぁ、そうか!それなら、納得ぅッ!!

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値上げ一辺倒で強気姿勢を貫くOEM。自動車産業は、家電と同じ道を歩むのか。

自動車価格の上昇は、百害あって一利なし。自動車離れを加速させる最大の要因となり、日本の自動車産業に致命的な事態をもたらすことでしょう。天井知らずの価格上昇は、必ずや買い控えに直結するからです。自動車の平均使用年数は、今や14年。逆に言えば、14年乗れるのですから、ムリしてまで代替えする理由はありません。何しろ、同じ予算で代替えすると、クルマが小さくなってしまうのです。こんなバカバカしい話はありません。けれど、そんな阿鼻叫喚の消費者を横目に見つつも、OEMは強気一辺倒。

しかし、状況は静かに変化しつつあります。BYDが本格上陸を開始し、三菱自動車は鴻海精密のBEVの販売を開始する計画を発表済み。黒船は静かに侵攻を開始しており、その売れ行き次第では日本の自動車市場を根本から覆す可能性を秘めています。

でも、BYDと聞けば、多くの方々はこう思うでしょう。「ナニナニ?中国製BEV??ダメダメ、すぐ燃えるから。そんなもん、使い物なんないよ!」と。そう、確かにそうです。今は。。。

けれど、家電だって半導体だって携帯だってAIだって、昔はそうでした。中国製品なんて使い物にならないと。そうやって、左団扇で余裕を決め込んでいるうちに、日の丸産業はアッという間に抜き去られ、奈落の底に叩き落とされたのです。

日本の家電業界が失敗した最大の要因は、消費者動向を掴めなかったこと。日本勢は収益性を高めるべく、自らの技術の粋を集め、付加価値を満載した高価格帯製品に注力していました。ところが、長い不景気に喘いだ日本の消費者や発展途上国の消費者が求めていたのは、「それなりの性能・品質」で、なおかつ安い製品でした。そのミスマッチに日本勢が気付いた時には、時すでに遅し。世界シェアはすっかり奪われており、家電産業は壊滅状態に至るのです。

現在の日本の自動車産業の動向が重なって見えるのは、小生だけでしょうか。消費者心理を他所に、自らの収益性改善を図るべく、オプション全載せで商品を企画。様々な理由を付けては、年々車両価格を引き上げています。それでも、他に選択肢が無いうちは、高くともコレを買うしかありません。なぜなら、安いはずの中国車も、現時点では品質・性能面で消費者に与える不安が、中国車に対する信頼を遥かに上回っているからです。

しかし、中国車が信頼性と性能を改善し、「それなりの性能と品質」を実現したとしたら。。。その時、消費者の多くは否応なしに中国車を選択せざるを得なくなります。だって、500万円の日本製ミニバンは買えないけれど、350万円の中国製ミニバンなら買えるのです。だったら、それを選ぶ他ないのが、我々庶民の悲しい懐事情。問題は、いつ「その時」が来るのか、です。

中国の自動車市場は、今や世界最大の規模。莫大な販売台数は、彼らの経験としてフィードバックされ、信頼性・品質は加速度的に改善されていくことでしょう。そして、その実績は次第に中国車に対する信頼として、徐々に醸成されていくことになります。家電でも、半導体でも、AIでも、中国は技術力で日本を抜き去っていきました。果たして、自動車で抜き去られるのはいつの事でしょう。

日産の経営危機は対岸の火事と、左団扇で事態を軽視している場合ではないのは間違いありません。「その時」は、もう間近に迫っているかも知れないのです。

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2025年5月 新型フォレスター

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