次期レヴォーグのデザインコンセプト。VIZIV TOURER CONCEPT、発表さる。 [2018年03月07日更新]
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ジュネーブで、次期レヴォーグのデザインコンセプト「VIZIV TOURER CONCEPT」を発表。
スバルは、3月6日から開幕したスイス・ジュネーブモーターショーにて、次期レヴォーグのデザインコンセプトを発表しました。「VIZIV TOURER CONCEPT」と名付けられたこのモデルは、単なるデザインモックアップではあるものの、スバルの今後のデザインを占う上でも注目すべき存在です。
先だって公開された、VIZIV PERFORMANCE CONCEPTが次期WRXを示唆しているとすれば、両者の共通点はかなりの確立で市販版を示している、ということでしょうか。
純粋なデザインコンセプトですから、ボディスペックは何の意味も持ちません。ですから、今回は2台のVIZIVを現行インプレッサと比較しつつ、次期レヴォーグと次期WRXのデザインエッセンスを占ってみることにしましょう。
ヘキサゴン形状のホイールアーチは、非現実的?
目新しいとすれば、ヘキサゴン形状のホイールアーチとプロテクタでしょう。スバル=6連星=六角形ということで、ヘキサゴングリルは長期間に渡ってスバルデザインのキーパーツとなっています。このヘキサゴンイメージをホイールアーチにも適用した、ということでしょう。ただ、TOURERE CONCEPTの全幅は1930mmに達しており、数十mmの幅を浪費するこのホイールアーチの実現性は薄いでしょう。
ボンネットの分割線も違っています。現行モデルでは、左右ヘッドランプ間をグリルの上方で結んでいます。2つのVIZIVは、左右フェンダーからバンパーに掛けて分割線がありません。となると、ここも実現性は低いと言わざるを得ません。
TOURER CONCEPTのリヤゲートも、ちょっと非現実的でしょう。リヤコンビランプの外側までがハッチゲートになっており、仕切り線もかなり高い位置に設定されています。これでは、相当にユーティリティに劣るはずで、衝突安全性にも支障をきたす可能性があります。市販版では、インプレッサとよく似たオーソドックスな構成となるはずです。
シンプルながら、塊感と流麗さを兼ね備えたサイドビュー。
2つのVIZIVの特徴は、シンプルながら強い塊感と流麗さを表現しているサイドビューです。緩やかにカーブを描くキャラクターラインが、サイドビューを伸びやかに見せつつ、塊感を演出しています。この辺りは、現行インプレッサと共通しています。が、水平基調のラインが1本減らされて、かなりシンプルになっています。
細かく見ていくと、インプレッサではフェンダーの稜線がカーブを描いてリヤフェンダー上方に流れてくのに対し、VIZIVではこのキャラクターラインが途切れています。フロントフェンダーの稜線は水平基調のヘッドライト上辺に端を発し、そのまま直線状に流れてブリスター形状のフロントフェンダーを構成しています。
リヤは強く絞り込んでおり、リヤフェンダーはかなりのボリュームがあります。インプレッサでは、そのキャラクターラインがリヤフェンダーをそのまま構成していますが、VIZIVではリヤドア中盤から後方へ向けて新たなラインが立ち上がって、ブリスター状のフェンダーを構成しています。
これら前後フェンダーは、ヘキサゴン形状のホイールアーチの頂点を結ぶラインで繋がっており、サイドビューに張りを与えています。フェンダーは通常形状となっても、市販モデルでもこのラインは存置されるでしょう。
サイドの面構成は、市販モデルにもそのまま適用される可能性が高いでしょう。よりシンプルでありなが、緊張感が高く、エッジの効いたサイドビューが実現するはずです。
デザインコンセプト然とした、フロントエンド。
フロントエンドは、いかにもコンセプトモデル然としています。先述のように、バンパーの分割線がありませんし、これだけ深い「彫り」は現在技術では製造不可能です。2019年の発表へ向けて、より現実感のあるデザインが既に準備されているはずです。
LEDヘッドランプはハウジングで覆われるはずですし、バンパー内には当然フォグランプが設置されるでしょう。グリル下はナンバープレートを設置できるように、平面になるはずです。
スバル伝統のインタークーラ冷却用のインテークダクトは、市販版にも当然設けられるでしょう。実際のところ、この位置は負圧になるため、空力的にはエアアウトレットを設けるべき場所なのです。が、これぞスバルの証。今後も永く、受け継がれていくことでしょう。
スバルらしいデザイン=薄く低いフロントエンド?
2台のVIZIVが「スバルらしくない」とお感じの方はいらっしゃるでしょうか。小生も、その一人です。違和感の理由は、フロントエンドのボリュームです。
スバルのツーリングワゴンは代々、ライバルよりも低く薄いフロントエンドを特徴としてきました。水平対向エンジンのメリットがデザインに反映されたものです。逆に、薄く低いフロントエンドがスバルの技術的個性を象徴してた、とも言えるでしょう。クーペのように低いデザイン=ハンドリングがスポーツカー並み=水平対向エンジンならでは。無意識に訴えかけるスバルデザインは、非常にレベルの高いものだったのです。レヴォーグもまた然りです。
良くも悪くも、市販モデルとコンセプトモデルにギャップがあり過ぎるのが、スバルの伝統です。次期レヴォーグも、スバルらしい薄く低いフロントエンドである事を祈りましょう。登場まで、あと1年半。その実情や如何に。
それよりも、早く次期フォレスターが見たい!!ジュネーブの次は、3月30日開幕のニューヨークショーです。小生の予想では、此処で次期フォレスターが公開されるはずです。ぜひ、ご期待下さい!