新型フォレスター、試乗車試乗記。完成度の高さは驚き! [2025年05月15日更新]

フォレスター
 
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新型フォレスター、試乗レポート。
 
2025年5月15日 期待のフラッグシップSUVの実力は。。。

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

お問い合わせ:0566-92-6115

担当:余語

 

試乗車は、パールホワイトの「Premium EX」コンセント付き。

さてさて、2025年4月3日に発表された新型フォレスター。間髪入れず、弊社にも試乗車が来着。早いもので、かれこれ1ヶ月が経ちます。はてさて、その実力や如何に。今回は、新型フォレスターの試乗記をお届けします。

今回登場の試乗車は、新型フォレスターのハイブリッド搭載の上級グレードに、アイサイトXを搭載した「Premium EX」。これにメーカーオプションで、本革シート、ハーマンカードンサウンドシステム、アクセサリーコンセントを追加した仕様。これ以外のメーカーオプションはサンルーフのみですから、Premiumでは最も売れ筋の仕様であると思われます。

ボディカラーは、シンプルなクリスタルホワイトパール。話題の2トーンではありません。白磁器のような輝きと色合いは、ボディ全体のイメージに丸みを感じさせます。

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アウトバック廃止で、フラッグシップSUVとなった新型フォレスター。

今回、新たにSL型へと進化を遂げたフォレスター。初代から数えて、6代目に当たります。今回大きく変化したのは、ラインナップ上の位置付け。フラッグシップモデルであったアウトバックの国内廃止により、フォレスターは新たにSUVモデルのフラッグシップに位置付けられたのです。

これより、SL型フォレスターは、従来のフォレスターユーザに加えて、アウトバックユーザもフォローすることとなります。これに伴い、フラッグシップモデルに相応しい装備の充実と高級感の演出は必須。結果的に、上級グレードのPremiumで見れば、購入総予算は、+100万円程度の値上げ。もちろん、その分装備も充実しており、新たにアイサイトXが加わった他、シートベンチレーションや次世代e-BOXER(S:HEV:ストロングハイブリッド)の採用など、レヴォーグやWRXをも上回る装備を与えられています。

ただ、ラインナップ上の位置付けが変化したのは、国内市場のみ。主戦場の北米では、新型アウトバックが登場しており、既存のアセントも入れれば、変わらず「上から3番目」の存在のまま。それ故、ボディサイズの大幅拡大など、大掛かりなキャラ変更は必要ありません。

つまり、日米で全く異なる要求の中で、SL型フォレスターは誕生したことになります。この板挟み状態で国内仕様を企画すると、「ボディサイズはそのまま、装備を充実」との方向性になるのは必然。位置付け的には、RAV4よりハリアーに近いた、と考えて良いのかもしれません。

さて、ワンランクアップした新型フォレスター。その実力や如何に。

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革新のストロングハイブリッドユニットを、第2世代SGPに搭載。

では、フォレスターの新旧比較から始めましょう。最大の変化は、もちろんパワーユニット。新たに、スバル待望のストロングハイブリッドユニットをラインナップに加え、キャリーオーバーのターボユニットCB18と合わせて、2本立ての構成。

スバルがS:HEVと呼ぶハイブリッドユニットは、2.5L水平対向4気筒(118kW/209N・m)に、THS内蔵のハイブリッドシステム(88kW/270N・m)、リチウムイオンバッテリ(4.3Ah)の組み合わせ。AWDシステムは、ありがちなe-Axleによる独立電動リア駆動方式ではなく、センターデフによる電子制御機械式。初代レオーネ以来の伝統である、シンメトリカルAWDシステムを堅持したのは、スバルならではのこだわりです。

スバルは、2世代に一度のプラットフォーム刷新が定例。そのため、今回はプラットフォームをキャリーオーバー。評判高いSGPが、そのまま採用されています。ただ、その内容はアップデートされており、新たにフルインナーフレーム化することで、ボディ剛性の大幅改善を果たしているのは、他モデル同様です。厄介なのは、フルインナーフレーム化によって重量が嵩むこと。同じターボモデル同士の比較では、70kgほどの増加となっています。

これに付随して、ボディサイズもほぼ変わらず、全長:+15mm、全幅:+15mmと僅かな拡大のみ。最小回転半径も、5.4mを維持しています。北米市場を優先して、やたらと大型化するモデルが多い中、これは多いに歓迎すべきでしょう。

アイサイトは、Ver4からVer4.5に進化。新たに3つ目の広角カメラを追加することで、ターゲット範囲を大幅拡大。交差点右左折時の歩行者・自転車や、前側方接近車両への対応も可能になっています。さらに、「EX」グレードではアイサイトXを初採用。話題のアイサイトXを搭載し、高速道路走行時の運転支援を大幅に強化しています。

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新たなスバルSUVデザインの方程式。革新のデザイン。

キャリーオーバーされたプラットフォームとは裏腹に、デザイン面はドラスティックな変化を遂げています。従来のヘキサゴングリル+コの字型アイラインの組み合わせから完全に脱却。新たにヘッドランプを2段化し、フロントグリルと一体化した、新たな意匠を採用しています。この目新しいフロントエンドは、スバルSUVの新たなデザイン方程式。これを示すように、北米専売モデルとしてフルモデルチェンジした新型アウトバックも、フォレスター共通のフロントエンドデザインを纏って登場しています。

では、六連星由来のヘキサゴン形状は完全放棄か、と思いきや、そうではありません。ホイールハウスや前後意匠にヘキサゴン形状を採用。スバルらしさを表現しています。

グリーンハウス形状は、先代と近いもの。その理由は、スバル独自の「視界基準」にあります。安全性を何より重んじるスバルは、死角に厳格な規定を設けているため、他社のような極端な傾斜のルーフや太いピラーは採用できないのです。その代わり、室内は広く明るく開放的。この広い視界と窓配置も、スバルの伝統の一つと言って良いでしょう。

アグレッシブなフロントエンドと共に目を引くのは、2トーンカラー。ブラックのルーフが迫力を増したフロントエンドと相まって、SUVらしさを強く演出しています。これに伴って、境界線となるAピラーとDピラーにはガーニッシュを装着。2トーンカラー車でよく見られる、Dピラー塗り分け部分の不自然さの解決を図っています。この2トーンカラー、古のレガシィ(BG型?)の雰囲気を感じるのは小生だけでしょうか。ブラックアウトされたピラーが、僅かにそんな印象を与えるのかも知れません。

リヤコンビランプは、全く新しい意匠。Y字状のフレームがクリアレンズ内を分割する、複雑なデザイン。この左右のコンビランプは、下端が緩いアーチを描くブラックのガーニッシュで結ばれており、そのセンターにはエンブレムが輝きます。

全体の印象は、SK型のアーバン系とは全く異なり、とことんタフネス系。それでも、トヨタの250などと異なり、ラインそのものは丁寧に丸みを帯びており、無骨さとは無縁。洗練されたタフネス感を印象付けるものとなっています。

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骨太なダッシュボードと巨大ディスプレイ、開放的なインテリア。

しっかりした手応えの運転席ドアを開け、ドライバーズシートに身を委ねると、広々とした視界が前方に開けます。ダッシュボード形状は従来のラウンド形状から刷新されており、ブロック状の直立面が印象に残るSUVらしい骨太感を印象付けるデザインが採用されています。インテリア全体を見渡せば、コックピットインターフェースこそ他モデルと共通ながら、その他のインテリアデザインについては差別化が図られていることが分かります。シフトコンソール周りやドアトリム、ダッシュボードなどには、フォレスターオリジナルのデザインが採用されています。

センターで存在を一際アピールするのは、中央に鎮座する巨大な11.6インチ・インフォテイメントディスプレイ。物理スイッチ類は最小限とされ、殆どの機能が画面上に集約されているため、航空機のグラスコックピットと同様の眺め。先進性を強く感じさせるドライバーインターフェースとなっています。このコックピットレイアウトは、2020年登場の現行レヴォーグから採用されたもの。今回のフォレスターのモデルチェンジによって、一通りコンクピットインターフェースが統一(BRZを除く)されたことになります。

このインフォテイメントディスプレイは、メータパネルと同じコックピットECUで制御されており、エアコンの設定から、車両の細かな設定変更まで多様な操作を、たった1面のディスプレイでこなします。高度に多機能化が進む現代の自動車では、すべてを物理スイッチで賄うのは実質的に不可能。そこで、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の出番、となる由。GUIは、ブラインド操作が不可能なので、デメリットも少なくありません。ただ、カスタマイズ項目は圧倒的に増えており、文字もハッキリと読みやすいので、便利になっているのは確かです。

乗り込んだ初っ端に気になったのは、頭の後ろで鳴り響くファンの作動音。これは、今回のクラスアップに伴って新たに採用された、本革シート装着車に搭載されるシートベンチレーション。本革シートの最大の弱点は、年々驚異を増す猛暑。ファブリック素材と違って、本革シートは火傷もあり得るほど表面温度が上昇します。そこで、シートベンチレーションの出番となる訳です。有り難い装備ですが、作動音がブーンと耳元で気になるのが玉にキズ。

荷室は、先代フォレスターで好評だった最大容量約500Lをキープ。ハッチゲートは、バンパーレベルから側面構造目一杯までガバっと開くため、使い勝手も最高。ただ、S:HEVモデルは、荷室床下にハイブリッドユニットを収納する都合上、荷室容量が約20L減じられのは致し方ないところでしょう。

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ジャークもなく、至極滑らかなS:HEVのトルクデリバリー。

ドアを閉めた瞬間、サッと静寂が室内を包み込みます。この辺りは、クロストレック・S:HEVとは違うところ。ワンランク上の上質感をたっぷり感じさせてくれます。ステアリング右側のスタートスイッチを押すと、ピッと電子音と共に「READY」が点滅。S:HEVシステムが起動を完了します。ストロングハイブリッドらしく、起動=エンジン始動ではありません。ただ、大抵は間断なくエンジンが始動。暖機すると共に、走行用バッテリへ充電を開始します。

セレクトレバーをDレンジに入れ、サイドブレーキスイッチを下に押して解除すれば、スルスルと動き出します。暖機完了は、気温20℃ほどで3分弱。その間に走行用バッテリは6割程度まで充電されるため、その後はアクセル開度15%ほどまでは、すべてEVモードでの走行。これまでのe-BOXERとは異なり、アクセルの踏み込みにもしっかりしたトルクで対応。グッと押し出すように力強く、スピードに乗せていきます。

エンジンを始動させようと意地悪にアクセルを踏み込んでも、一瞬エンジン始動の反動トルクのようなジャークを感じて、「エンジンが掛かった」と勘違いしてしまうこともあるほど。このようなキツめの加速にもモータトルクだけで対応してしまうのは、実に見事。スバル初のストロングハイブリッドの威力を存分に感じさせてくれます。

市街地走行では、モータが実に頼もしく感じられます。エンジンの介入も実にスムーズで、高い静粛性も相まって始動のタイミングはほぼ分かりません。これだけトルク変動(つまり、ジャーク)が滑らかなのは、トルクデリバリーの緻密かつ繊細な制御の賜物。自身初のストロングハイブリッドながら、スバルは実に素晴らしい制御アルゴリズムを作り上げたようです。この滑らかな加速フィールは、クロストレック・S:HEVを上回るもの。その理由は、新型フォレスターの重量級ボディ。持ち前の質量が、トルク変動で生じるジャークを、慣性がガッシリと抑え込んでくれるのです。

あの忌まわしきワンペダルを採用していないのも、非常に好印象。アクセルOFFだけでは、従来のエンジン車同様に、明確な減速Gは発生しません。パドル操作でのシフトダウンでも同様で、他OEMのような「回生ブレーキモード」は存在せず、エンジン回転が高まってエンジンブレーキが作動するのみ。加速がアクセル、減速はブレーキと、明確に役割が振り分けられているので、ドライビングは極めて自然。余計なことを考えずとも、ありのまま自然にドライブすることが可能です。

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19インチ故か、足回りは硬めの印象。ブレーキもノンストレス。

一方、足回りは少々硬めの印象。路面のからの上下入力と共に、アンジュレーションがハッキリと指先に伝わってきます。その分、スタビリティは良好で、交差点に矢印信号で進入しても、ヘタっとロールすることはありません。ステアフィールはクリアで、ゴニャッとする電動パワステの嫌らしさは皆無。スバルが言うように、操舵軸とアシスト軸を分離した2ピニオン電動パワステの効果が、確かに感じられます。

今回、ワイディング路を走行できていないため、新型フォレスターのコーナリングマナーは未体験。それでも、僅かなコーナリングシーンで、その実力の片鱗を実感することができました。やはり、硬めのセッティング通り、ロール角は極めて小さく、ロードホールディングも秀逸。タイヤの位置決め剛性が極めて高いこともあって、ライン取りは手のひらで自在にコントロール可能で、右足の動きにも穏やかに反応します。このコーナリング精度は、クロストレック・S:HEVを上回るもの。

それでも、重量:1750kgの重量級SUVとなれば、動きは決して軽快なものではありません。そこまで無理をさせていなくとも、タイヤがムズがる感覚があったのは確か。ですから、新型フォレスターはブレーキを残して旋回なんて無理はせず、しっかり止めて旋回するのが善。無理のない運転を心掛けた方が良いでしょう。

ここまでコーナリングマナーが上等なのは、足回りだけが理由ではありません。パワートレインの仕立てが、実に良いのです。スバルは、燃費最優先でS:HEVの制御を仕立てていません。加減速は常にスムーズで自然。アクセル踏み込み具合にトルクは見事にリンクしており、某OEMのHVのように加速具合はバッテリ残量次第なんていう無責任制御ではありません。ドライバーは右足だけに集中すれば良く、常に欲しいトルクを欲しいだけ得ることが可能です。ですから、ドライバーはコーナリング中に駆動源を考えることなく、極々自然に走りを組み立てて行くことができるのです。

ブレーキも、これまた極々自然。回生ブレーキは、極低速域やバッテリ残量100%では回生が失効するため、油圧ブレーキへ切り替える必要が生じます。自動車の場合、最終的にバッテリ充電で回収するため、回生ブレーキの容量にも限りがあります。この回生・油圧の負担割合が変化する際に、どうしても不自然なフィーリングや減速Gの変動が生じるのです。しかし、新型フォレスターでは、踏み込み始めから停止までフィーリングは一貫。スムーズかつ滑らかに減速Gが作用します。

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