間もなく、ルマン24時間!今年の優勝は誰だ? [2025年06月13日更新]

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2025年ルマン24時間レース、勝敗予想。
 
2025年6月13日 フェラーリか、ポルシェか、トヨタか。はたまた。。。

出展:TOYOTA GAZOO RACING ウェブサイトより。

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

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担当:余語

 

史上最高の大混戦予想。優勝最右翼は、フェラーリ??

今年も楽しみな季節がやってきました。6月14日〜15日にかけて、ルマン24時間レースが開催されます。世界三大レースに数えられ、耐久レースの頂点に君臨するルマン。大混戦が予想される今年、恒例の総合優勝予想をしてみたいと思います。

下馬評で行けば、最有力はルマン2連勝、今シーズン3戦3勝で絶好調のフェラーリでしょう。こちらは50号車、51号車に加え、サテライト扱いの83号車の3台体制。恐るるべきは、その抜群の安定性。51号車は今シーズン、3位、1位、1位。50号車は1位、15位、2位。83号車は2位、4位、15位。まさに、圧倒的強さを発揮しています。

逆に今シーズン絶不調なのが、ポルシェ勢。ナンと、トップ10フィニッシュがやっと。という不振ぶり。状況は相当に深刻です。ルマンではWECの5号車、6号車の2台に加え、米国IMSAから4号車が参戦。これにプライベータのプロトン・99号車が加わる、総勢4台体制。

我らが日本勢、唯一の参戦はトヨタGR。今シーズンも厳しいBoPを課されつつ、7号車、8号車の2台が奮闘。マニュファクチャラランキングでは2位に付けています。まぁ、フェラーリの136ptに対し、71ptとほぼダブルスコアですが。。。

2025年初登場は、アストン・マーチンの007号車、009号車。あのエイドリアン・ニューウェイが手掛けたスーパーカーをベースに、ハート・オブ・レーシングを母体に走らせるヴァルキリーは、6.5LV12という今どき珍しいエンジン型式。自然吸気故に、甲高い美しい爆音を響かせて走るのが魅力です。

今シーズンのWECは、厳しいBoPが特徴。昨シーズンのように、フェラーリ、ポルシェ、トヨタの3強という図式ではなく、アルピーヌやBMW、キャデラック、プジョーなども上位進出を果たしています。それ故、2025年のルマンは史上空前の大混戦になる、そう予想されているのです。

ポルシェのように、ルマンのみエントリーを増やしているのは、米国の雄・キャデラック。IMSAに長年参戦するキャデラックは、今回IMSAから101号車、311号車の2台が追加エントリー。WECの老舗・JOTAの12号車、38号車の2台を加えて、4台体制でルマンに挑みます。これ以外のメイクスは、トヨタを含めすべて2台エントリー。8メイクス・総勢21台が、総合優勝を争うことになります。

注目の2025年ルマン24時間、BoPテーブル。

さて、2025年ルマン24時間のBoPテーブルは、以下の通り。例年通り、車両重量と通常時のパワーユニット出力に加え、250km/h以上でのパワーゲイン値が規定されています。ただ、このテーブルを一見しても、マシン毎の有利不利は分かりません。もう少し詳しく見るには、パワーウェイトレシオで見てみましょう。

重量[kg]出力[kW]パワーゲイン[%]速度閾値[km/h]供給エネルギー量[MJ]燃料付加時間[sec]
FERRARI1042515-2.91908961.2
PEUGEOT1039507-1.21908891.2
ALPINE1039517-1.78971
CADILLAC1037517-0.89051
TOYOTA1053520-1.31909141.2
ASTON MARTIN1030520-0.89100
PORSCHE10415111.49171
BMW103951029191

BoPテーブルから、パワーウェイトレシオを算出。

重量[kg]出力[kW]W/P[kg/kW]パワーゲイン[%]ゲイン出力[kW]ゲインP/W[kg]kW]速度閾値[km/h]供給エネルギー量[MJ]燃料付加時間[sec]
FERRARI10425152.02-2.9500.12.081908961.2
PEUGEOT10395072.05-1.2500.92.071908891.2
ALPINE10395172.01-1.7508.22.048971
CADILLAC10375172.01-0.8512.92.029051
TOYOTA10535202.03-1.3513.22.051909141.2
ASTON MARTIN10305201.98-0.8515.82.009100
PORSCHE10415112.041.4518.22.019171
BMW10395102.042520.22.009191

そうすると、ご覧の通り。ただ、平均速度が240km/hを超える、超高速サーキットのルマン。250km/h以上でのパワーゲインが及ぼす影響が、イマイチ不明確です。そこで、ネット上をアチコチ漁ったら出てきたのが、怪しいデータ。これを基に、250km/h以上でアクセルONの割合を算出してみると、だいたい60%弱。250km/h以下のアクセルONは、24%程度。そして、減速区間は18%弱。これを基に、総合的なパワーウェイトレシオを算出してみると、このようになります。

パワーゲインの影響を考慮して総合パフォーマンス。

重量[kg]出力[kW]W/P[kg/kW]パワーゲイン[%]ゲイン出力[kW]ゲインP/W[kg]kW]トータルスコア速度閾値[km/h]供給エネルギー量[MJ]燃料付加時間[sec]
ASTON MARTIN10305201.98-0.8515.82.002.0049100
BMW10395102.042520.22.002.0219191
CADILLAC10375172.01-0.8512.92.022.0279051
PORSCHE10415112.041.4518.22.012.0299171
ALPINE10395172.01-1.7508.22.042.0428971
TOYOTA10535202.03-1.3513.22.052.0551909141.2
PEUGEOT10395072.05-1.2500.92.072.0691908891.2
FERRARI10425152.02-2.9500.12.082.0691908961.2

この算出されたパワーウェイトレシオで比較してみると、一番BoPが有利なのはアストン・マーチン。ただ、コチラは初年度であることに加え、参戦体制がプライベートに限りなく近いので、本命にはなりません。

すると、次に有利なのは、15号車、20号車のBMW勢。WECでは余り目立った存在ではないBMWですが、IMSAでは幾度か優勝しており、定期的に表彰台も獲得。今シーズンのWECでも、第2戦で2位を獲得。決して侮れない存在です。

これに続くのは、キャデラック勢。予選HYPER POLEでも1−2を獲得するなど、一発の速さは間違いなし。ただ、ルマンでは不運に見舞われることが多く、決勝でもその速さが発揮できるかは微妙な処。

4番手は、ポルシェ勢。今シーズンのWECでは、ヤリ過ぎ?とさえ思える厳しいBoPを課せられてきた、ポルシェ。このルマンでは、一気に緩和策。3強の中では、抜きん出て有利なBoPが与えられています。

今シーズン、ミック・シューマッハが際立つ能力を発揮し、初めて上位進出を果たしたアルピーヌ。BoPでは5番手。ライバル不在の中、一人ルマンを支え続けたトヨタは6番手。HYPER CAR初年度から参戦し続けるも、ずっと不振が続くプジョーは地元勢ながら厳しいBoP。最後に、最も厳しいBoPを浴びせられたのは、今シーズン絶好調のフェラーリ勢。数値を見る限り、フェラーリにはかなり厳しいBoPとなっています。

予選はBoP解析通りの結果。キャデラックの1-2!

日本時間の金曜朝方に終わった、予選結果は次の通り。6位までは、BoPで有利な3メイクスが独占。1−2位グリッドを独占したのは、JOTAの12号車、38号車のキャデラック2台。その後方に、ポルシェ・5号車、BMW・15号車が続きます。その後ろには、4号車・ポルシェと20号車・BMW。そのまんま、BoP解析通りの結果となっています。

BoPが不利な面々の中で、唯一気を吐いたのが、ディフェンディングチャンピオンの50号車フェラーリ。トップのキャデラック12号車からたっぷり1秒の遅れを取るも、流石々々の7番手を確保しています。10番手は、トヨタ8号車。HYPER POLE2で、ミュルサンヌでミスがあってノータイム。それでも、ナンとか一息つける予選順位と言えるでしょう。

でも、24時間レースでの予選順位など、殆ど意味を成しません。大事なのは、日曜の明け方に何処を走っているか。近年のルマンでは、大袈裟なペースカーランがあるため、多少の順位変動は気にする必要はありません。けれど、周回遅れとなれば話は違います。ムリにペースを上げれば、周回遅れとの接触や縁石への乗り上げ・接触など、不測の事態に陥る可能性が高まります。やはり、日曜朝の時点まで安定して上位集団で走行を続けることが、何よりも大切なのです。

セクター2で速いマシンが、決勝では俄然優位。

決勝を考えた時、抜群に威力を発揮するのが、ストレートスピードの速さ。ルマン・サルテ・サーキットには、ナンと4本もストレートがあり、ここでは330km/h近くに達します。このストレートで有利だと、周回遅れの処理が圧倒的にラクになるのです。

もちろん、HYPER CARではBoPによって、全ての性能値がコントロールされています。それ故、BoPテーブルでストレートスピードの優劣を図ることができるのです。これをBoPテーブル上のパワーウェイトレシオで比較すると、上から順にアストン・マーチン、BMW、ポルシェ、キャデラック、アルピーヌ、トヨタ、プジョー、フェラーリ。

全車が間違いなく全速で走ったであろう予選HYPER POLE2で比較すると、ユノディエールの3本を含むセクター2で最速だったのは、5号車・ポルシェ。続くは、15号車・BMW、4号車・ポルシェ。やはり、BoP通りの結果となっています。この結果を見る限り、ポルシェとBMWは、優勝候補最有力とも言えるかも知れません。

一方、ストレートで不利になっている、トヨタとフェラーリ。8号車が「まともに走った」HYPER POLE1で比較すると、50号車・フェラーリは驚きのセクター2・1番手。これに対し、トヨタは10番手と大失速。中速セクションのセクター1では、8号車が2番手ながら、50号車は15番手と大不信。これが、ポルシェ・カーブを含む高速セクションのセクター3では、50号車が4番手で、8号車は7番手。BoPで不利なはずのフェラーリは、セクター2でタイムを稼いでいることになります。じゃぁ、何処で稼いでるかと言うと、恐らくはシケインからの加速。ハイブリッドAWDで、効率よくトラクションを稼いでいるのでしょう。

ちなみに、AWDが許可されるのはLMHである、トヨタ、プジョー、フェラーリのみ。このAWDシステムは、190km/h以上での作動が可能です。フェラーリは250km/h以上ではたった500kWしか発揮できないため、この190〜250km/hという僅かな間にアドバンテージを得ているでしょう。恐るべき技術力です。

総合勝敗予想。やはり、本命は3強か。

果てさて、ここまでBoPテーブルを見てきましたが、トロフィーは誰のものとなるのでしょうか。決勝は、24時間・4500kmもの長丁場。肝心のは、予選ではありません。ただ、スピードで劣るものが、ペースを上げれば、ムリが祟るのは明らか。そう考えれば、BoPテーブル上ストレートで優位にある、ポルシェ、BMWは優勢。中でも、ペンスキーがメンテナンスを担い、ワークス3台でエントリーするポルシェは、優勝最有力でしょう。

逆に、厳しい戦いになりそうなのが、我らがトヨタ勢。セクター1で速いとなると、コーナリングで稼いでいるということ。決勝では、膨大なマシンがコースを埋め尽くしています。このセクター1で、周回遅れに前を塞がれてしまえば、ラップタイムを高く保つことができません。また、タイヤに負担を掛けるため、デグラデーションも気になるトコロ。特に、予選で後方に沈んだ7号車は、追い上げに相当に苦労することになるでしょう。ただ、抜群の信頼性と、完璧なオペレーションを誇る、王者トヨタ。日曜午後には、ひょっとすればひょっとするかも知れません。

予選で驚きのパフォーマンスを発揮したフェラーリ勢とて、決して盤石ではありません。HYPER POLE2に進めたのは、50号車1台のみ。51号車、83号車は、セクター2で下位に沈んでおり、上位10台に入ることは叶いませんでした。となると、ストレートで苦労しているのは明らか。じゃあ、50号車がセクター2で速かったのは、何故なのか。もし、僚車のトゥを使ってのタイムだとすれば、決勝ではストレートで苦労するはずで、不安が募ります。それでも、前哨戦となるスパでも完璧なスピードを発揮したフェラーリですから、決勝でも必ずや強さを発揮することでしょう。

じゃぁ、3強以外に優勝の可能性はないのでしょうか。伏兵は、BMW。というか、BMWはルマンではいつも伏兵扱い。1999年に優勝した際も、彼らは伏兵でした。ただ、ここ一発という時に運を手繰り寄せる力はあるので、可能性は十分あるでしょう。ただ、3強は相当に手強いため、3強・8台のうち半数が戦列を去り、残り5時間でBMW・2台ともに3位以内を走っている、というような完全有利な状況でない限り、巻き返しを許してしまう可能性が高いでしょう。

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