写真追加!Japan Mobility Show 2025!Perfomance-Bは、インプレッサ! [2025年10月29日更新]
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スバルが提案する、PerformanceとAdventureの2つのシーン。
2025年10月15日、スバルは10月29日〜11月9日に開催される「Japan Mobility Show 2025」の開催概要を発表しました。東京モーターショーから名を変えつつ、長い歴史と伝統を維持してきたこのオートショーは、各OEMが自らの意思表示と意思選択を示す場としても、長らく注目されてきました。
スバルは今回、出展コンセプトを「ブランドを際立てる」とし、PerformanceシーンとAdventureシーンの2つを際立たせ、お客様との絆や共感を深める、としています。
その出展内容は、スバルファンの期待を高める上でも、スバルの今後を占う上でも、密度も濃度も高い、盛り沢山なもの。例年にないこの明確な変化には、激動の自動車産業の動向が強く関わっています。そして、スバル内部に大きな変化が起きつつあることを伺わせます。では、その内容を詳しく紐解いていきましょう。
100年に一度の大変革期に直撃した、トランプ・ショック。
100年に一度の大転換期に、道筋さえ付かないままトランプ・ショックに見舞われた世界の自動車産業は、年々混迷の度を深めています。特に、BEVを巡る状況は深刻です。中でも、BEVに全フリした欧州OEMは、かなり悲惨な状況。意気揚々パナメーラでテスラを追撃していたポルシェは、業績不振を理由にWECからの撤退を発表。ブランドの屋台骨を揺るがしかねない選択に、世界に衝撃が広がっています。
それでも、世界のOEMには一つの共通理解が存在しています。それは、BEVの時代がいつか必ず来る、ということ。地球環境の持続を考える限り、クリーエネルギーで走るBEVが最適解であることは、疑いようがありません。しかし、蓄電容量が重量と比例するが故、2乗3乗の法則に束縛されるBEVでは、ICE車とは「役割」が違うのは明らか。にも関わらず、OEMが高価格帯モデルに固執し続けるために、BEV需要はすっかり下火。一時は天井知らずと言われたBEVシェアは、すっかり頭打ちの様相を示しています。
これに追い打ちを掛けたのが、BEV補助金打ち切り及びNASA長官人事を巡る、イーロン・マスク氏とトランプ大統領の対立。これによりテスラは、リベラル層から忌み嫌われる存在となったばかりか、保守層にも裏切り者扱いとされてしまったのです。BEV市場を牽引するテスラの減速は、BEV時代の到来を10年は遅らせることとなるでしょう。
こうした市場の急速な不安定化は、スバルにとって決してプラスにはなりません。それは、スバルがBEV戦略に重点を置いているから。スバルが掲げる公約は、2030年のBEV世界販売比率50%。ここで重要なのは、生産ではなく、販売としていること。つまり、トヨタ向けアライアンス車の受託生産で、数字を誤魔化すことは不可能なのです。
スバルは、公約達成へ向けて、取り組みを加速させています。2025年後半にはトヨタとのアライアンスBEVである、ソルテラ後期型、トレイルシーカー、アンチャーテッドを立て続けに発表。一気に、BEVラインナップの充実を図っています。ただ、ご安心を。スバルは、決してBEV一本足打法に賭けている訳ではないからです。
スバルは、2025年にストロングハイブリッドを市場投入。さらに、エンジンの新規開発を強力に推進しています。また、BEV生産設備の増強計画についても、混流生産を可能にするなど柔軟性を持たせており、如何なる市場動向へも対応できるよう、戦略の幅を広げているのです。
WECからの撤退を表明したポルシェ。来年のルマン出場は、IMSAのルマン招待権のルール見解が分かれており、現時点では不明のまま。MarcelX42, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
トランプ関税の影響は、なんと2,100億円規模。
トランプ・ショック、もう一つの余波はトランプ関税。米国への輸出依存度の高いOEMは、軒並み大きな打撃を受けており、スバルもその一つ。スバルは、米国依存度が高いOEMとして知られており、その割合は7割にも達します。幸い米国インディアナ州に現地生産工場を有してはいるものの、主要コンポーネントはすべて日本からの輸出。トヨタのように、現地でサプライチェーンを構築していないがために、状況は深刻です。スバルは、関税が15%に引き下げられても、営業利益に対する影響は2,100億円規模に達する、としています。
トランプ関税の根拠は、「米国からの収奪」にあります。企業の最大の社会貢献は雇用にある、とは長年言い古されてきた、企業経営の金言の一つ。しかし、ビッグ3を含む各国のOEMは、人件費及び輸送費の安いカナダやメキシコに生産拠点を置き、長年に渡って米国で販売を続けてきました。他国で人を雇って安く造り、米国人に高く売る。この手法は、米国での雇用を産まないばかりか、米国の貿易赤字を悪化させる要因となります。それに留まらず、それら隣国の国境警備はユルユルで、続々と移民がやってくる。低賃金労働を厭わない移民は、「長年米国に居続ける人々」の雇用状況をさらに悪化させただけでなく、治安までも悪化させます。米国市民が怒るのも、無理はないでしょう。
ただ、米国の雇用状況を悪化させた要因は、自動車産業だけにあるのではありません。第二次トランプ政権の大統領就任式、後ろにズラリと顔を並べていたのは、GAFAの首脳陣。しかし、彼らこそが、雇用状況悪化の一因。GAFAが今力を入れるのが、オンライン化、自動化、無人化、AI化。これら新技術により、将来的に多くの職種が失われるとされます。一足先に影響が現れているのが、小売業。その衰退は著しく、閉店ラッシュが加速。多くの雇用が失われています。しかし、トランプ政権は、雇用状況悪化の原因をGAFAに求めていません。
GAFAの市場占有率は高まるほどに、富の一極集中が強まり、格差は拡大する一方。それは、トランプ政権の方針と全く真逆のはず。それを知っているGAFA首脳陣は、莫大な献金によってトランプ政権の傘の下に入れば、雨に当たらずに済む、と考えているのかも知れません。
この後、信頼の握手は非難の応酬に様変わりすることになる。The White House, Public domain, via Wikimedia Commons
スバルが展示するのは、6つのコンセプトモデル。
そんな混迷の環境下、スバルがJapan Mobility Showで展示するのは、以下の6モデル。
【Japan Mobility Show 2025 SUBARU出展車両一覧】
・Performanceシーン
Performance-E STI concept:世界初公開
Performance-B STI concept:世界初公開
・Adventureシーン
Trailseeker prototype:日本仕様初公開
Forester Wilderness prototype:参考出品
Outback Wilderness prototype:参考出品
1983 Subaru GL Family Huckster:参考出品
では、1台ずつその背景とともに詳しく分析していきましょう。
Performance-E STI concept:世界初公開
「SUBARUの新世代を牽引する、Performanceシーンの未来を表現したバッテリーEV(BEV)ベースのコンセプトモデルです。見ているだけでワクワクするプロポーションと高い空力性能や実用性を融合させながら、ヘリテージも想起させるデザインとし、運転し易いレイアウトと居心地のよい開放的な室内空間を実現。また、様々な革新的技術を採用することで、意のままに操ることができる、感動の運転体験を提案するモデルです。」と、スバルが紹介するこのモデルは、如何なるものなのでしょう。
フロントエンドのティザー画像から、シャープなフロントノーズが伺えますが、「開放的な室内空間」との表現から、2ドアクーペではないように思われます。恐らく、4ドアクーペのようなモデルなのでは、ないでしょうか。ともすると、伝統のツーリングワゴンである可能性もあり、その場合は次期レヴォーグのデザインコンセプトであると考えることも可能でしょう。
技術面で見れば、「革新的技術」「感動の運転体験」との表現から、パフォーマンスに重きを置きつつも、ドライバビリティに重点を置いた、テクニカルパッケージを持つモデルであると考えられます。そこで思い浮かべるのが、沙汰止みか有耶無耶か立ち消えか。いつぞやの東京オートサロンで公開された、BEVのニュルブルクリンク・タイムアタック用モデル。スバルは、それ以前より大出力e-Axleに関する研究を進めており、このPerformance-E STI conseptは、その大出力e-Axleをお披露目するプラットフォームとして公開されるものと思われます。
ただ、2030年の公約を考えると、BEVのフラッグシップモデルとして、市販される可能性もあながちゼロとは言えません。スバルは、以前より完全自社開発のBEVの市場投入を予告しており、そのアドバルーンとして、高価格・ハイパフォーマンスのBEVでスバルBEVのイメージ創出を図る戦略も考えられます。その場合、以前の拙稿に書いたように、レガシィの名が復活する可能性も考慮すべきでしょう。

Performance-B STI concept:世界初公開
「SUBARUのPerformanceシーンを象徴する、内燃機関(ICE)をベースとしたコンセプトモデルです。性能の高さや力強さと、実用性を両立させたデザインを採用。また、SUBARUがこれまで磨き続けてきた水平対向ターボエンジンやシンメトリカルAWDなどのアセットを柔軟にアレンジすることで、SUBARUらしい選択肢を広げ、より多くのお客様にクルマを操る愉しさを提案するモデルです。」
こちらは、以前より登場が予告されている、MT仕様のWRXであると見て間違いないでしょう。ヘッドランプ形状が、フォレスターのモデルチェンジを以て廃止された「コの字型のアイライン」であることから、完全な新モデルや次期モデルではなく、現行WRX/レヴォーグがベースであると考えて良いでしょう。
目に付くのは、大袈裟なフロントフェンダー。となると、よりワイドトレッドのタイヤを履くということ。これが意味するのは、VAB型を超えるパフォーマンス。すなわち、350ps程度の出力を持つ可能性が考えられます。しかし、先日登場したばかりのS210は、専用チューンをしても、+25psの300psが精一杯。ミッション側の要因もあるでしょうが、エンジンチューンにも相当苦労したことが伺えます。すると、このモデルが搭載するエンジンは、一体何なのでしょう。
一点気になるのは、Super GTに参戦するBRZ GT300に搭載されるEJ20の「引退」が正式に発表されたこと。ところが、スバルは2026年シーズンに搭載するエンジンに関して、意図的に情報開示を避けています。なお、先日のテストデイで走行した「610」号車は、ボンネットに急増のバルジが追加されているとのこと。そこから考えられるのは、バンク内置きのターボエンジン化。つまり、ヘッドを上下反転。下が吸気、上が排気として、熱ロスを最小限として、パフォーマンス改善を図るものと考えられます。ただ、GT300では、完全新規開発のレーシングエンジンの搭載は憚られるはずであり、量産エンジンをベースとする必要があります。
となると、このモデルにも同様のエンジンが搭載される可能性があるのです。排気量2.5L程度の4気筒ターボエンジンと考えるのが、自然でしょう。ブロックの新規開発は不可能でしょうから、FB型かFA型か。何れにしても、ブロックを相当強化しない限り、ファンの期待するパフォーマンスは実現不可能でしょう。

Trailseeker prototype:日本仕様初公開
「SUBARUグローバルバッテリーEV(BEV)ラインナップ第2弾となる新型「Trailseeker(トレイルシーカー)」の日本仕様を初公開します。BEVならではの緻密な制御による走行性能と、クロスオーバーユーティリティビークルとしての実用性を高い次元で両立。日常でも非日常でも使いやすく、アクティブで新しいライフスタイルを後押しするモデルです。」
スバルのBEV第2弾となる、トレイルシーカー。トヨタとのアライアンスモデルで、パワートレイン及びプラットフォームは、後期型ソルテラをそのまま流用。つまり、ソルテラとは双子の兄弟。ボディが+152mmと、ちょっと長めの設定。トヨタ版が、bZ4Xツーリングと呼ぶことからも、その位置付けが理解できるでしょう。
注目すべきは、前後デザインがトヨタ版とスバル版で相当印象を変えてきたこと。トヨタ版は例のハンマーヘッドスタイルで、スバル版は団子3兄弟。これにより、両者の差別化が図られています。トヨタがICE車と共通デザインにしたのに対し、スバルがBEV独自のデザインを与えたことは、両者の戦略が異なることが伺えます。
ただ、まぁソルテラより更に高いだろうことを考えると、需要がそれ程多いとは思えず、メーカー側と販売+消費者側の熱量に、相当差が出るのではないでしょうか。

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