ジュネーブで、SUBARU VIZIV TOURER CONCEPTを発表。 [2018年02月15日更新]
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次期レヴォーグへの第一歩。SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT登場。
現行モデル同様に、2019年秋の東京モーターショーで発表、翌年発売と想像される次期レヴォーグ。その次期レヴォーグ最初のコンセプトモデルが、3月6日から開催される第88回ジュネーブ国際モーターショーに出展されることが発表されました。
「SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT」と呼ばれる、このコンセプトモデル。その詳細は、現時点では全く不明です。
そこで今回は、現時点で判明している情報を基に、次期レヴォーグの姿に迫っていきましょう。
よりソリッドに、より逞しく。更なる上質感を求めて進化を遂げる次期レヴォーグ。
デザインは、DYNAIC X SOLIDというスバルのデザインフィロソフィーを継承すると思われます。東京モーターショーで展示されたコンセプトモデルを見る限り、この時点でのデザイン路線の大きな転換は無いはずです。
強いカタマリ感の中に躍動感を表現しつつ、上質で洗練された雰囲気を演出。それと共に、スバル伝統のツーリングワゴンならではの軽やかでクールなイメージは踏襲されるでしょう。現行インプレッサに始まる、緩やかにV字を描くサイドのキャラクターラインは、次期レヴォーグにも確実に受け継がれているはずです。
よりソリッドで、よりエッジの効いたデザイン処理によって、現行よりも上質かつ気高い雰囲気を持っているかも知れません。
次世代シャシーが、走りに更なる革命をもたらす。
新世代シャシー「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用する次期レヴォーグは、絶賛されたインプレッサの走りを受け継ぐことになります。18インチでさえ、キッチリ乗り心地を仕上げてくるインプレッサのシャシーキャパシティは垂涎モノ。これが300N-m級のトルクとなると、どのような走りを魅せるのか。今から、楽しみです。
その一方、ボディサイズは現行よりも若干の拡大が見込まれます。が、北米市場を考慮する必要がないため、サイズアップは最小限に留まるでしょう。兄弟車のWRXとはフェンダーで差別化が可能ですから、20mmアップの1800mmジャストが想定されます。全高は、1500mmの現行から若干ダウンして、インプレッサと同じ1480mmが妥当でしょう。全長はホイールベースの延長分を見込んで、4720mm程度でしょうか。
狭隘な道路がまだまだ多い日本市場では、一方的なボディのサイズアップはは歓迎すべきことではありません。ほぼ日本市場専用と言えるレヴォーグは、国内需要を勘案したサイズに収まるでしょう。
スバルの次の10年を占う、次世代ダウンサイジングターボエンジンを搭載。
大きな変更は、エンジンです。目下開発中の次世代ダウンサイジングターボでは、自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)での技術成果を導入して熱効率の向上を図る予定です。緻密な燃焼の管理と積極的なバルブタイミングの制御によって、アトキンソンサイクルを実現し、低負荷時の熱効率を大幅に改善するはずです。
排気量は1.5Lと1.8Lの2種ですから、次期レヴォーグのエンジンは1.8Lに一本化される可能性があります。一方で、アセントはFA系を継続使用しますから、FA20DITだけはそのままキャリーオーバーされるかも知れません。標準エンジンがサイズアップするとなると、価格アップも心配になってきます。若干の値上がりは免れないでしょう。
一番の心配はトランスミッションです。ネット上では期待を込めて多段ATへの移行が噂されていますが、西三河地域で噂話を聞かないとなると、それは無いでしょう。リニアトロニックの継続が濃厚です。
間もなく登場見込みの次期フォレスターPHVのエンジンとトランスミッションが、その疑問を解くカギになるでしょう。
独自のインテリアとなるのか。他モデルとの共用か。
現行レヴォーグのインテリアは、先代インプレッサを基本的に流用したものです。次期レヴォーグは、そこから脱却を図れるのでしょうか?
アセントでは、インプレッサと基本的なイメージは共用していますが、各部品は別物で仕立てられています。この考えに沿うならば、インプレッサのイメージを残しつつ、より上質でよりスポーティな仕立てとなるのでしょう。
この辺りも、次期フォレスターのインテリアデザインで見えてくるはずです。次期フォレスターが現行同等の共用率だとすれば、残念ながら次期レヴォーグも同様に共通性の高いインテリアを有しているはずです。
現在、レガシィにあってレヴォーグに無いものがあります。リヤシート専用の快適装備です。レガシィ系では、エアコン吹出口とシートヒータ、USB充電用ソケットが装備されています。が、レヴォーグにはありません。もし、これらを備えて次期レヴォーグが登場するのなら、更なる価格上昇も見込まれるでしょう。
次期アイサイトは、どうなるのか。
「ver4を海外調達することで開発コストの大幅削減を図る」という某誌の報道もある通り、次世代EyeSightの方向性はまったく不透明です。小生が昨年6月段階で得ていた情報では開発の方向性に変化はなく、2020年登場予定のver4ではフロント両サイドにレーダを埋め込むことで、斜め前方の警戒監視を追加する予定でした。ただ、アイサイト専用ECUの処理能力が限界に達しているので、高価だけれども他社製の新たなECUへの換装が必須との情報のみだったのです。
某誌がまったくの誤報であることを祈るばかりです。もし、ver4がver3.5の正常進化版であれば、新たに自動車線変更機能と危険時の車線変更の抑止機能が追加されるものと想像されます。
何のお告げか?アイサイトが「科学技術と経済の会会長賞」を受賞!!
一般社団法人科学技術と経済の会(JATES)は「わが国が科学技術に立脚した先進的で豊かな、そして国際的にも貢献できる国となることに資するべく」1966年に設立されました。会長職は代々産業技術界の重鎮が務めており、5代会長には豊田章一郎氏の名を見ることもできます。今回、偉大なる重鎮たちから高い評価を受け、アイサイトが受賞の栄誉に浴したことは、大変に名誉あることです。
選考の理由は以下のとおりです。
「四半世紀以上の研究開発から生まれた運転の愉しさと安全性とを両立させるイノベーションである。非常に高い精度を持つステレオカメラ認識技術を自動車製造ラインに流すための困難克服や、300万キロメートルを超える走行実験、試験、ビッグデータの活用で実現したこのシステムは、多くの類似方式の中で、精度やコスト面で優位にあると考えられ、また究極の安全性に向け進化し続けている点が高く評価された。」
幾度もの挫折を乗り越えて、何とか市販に漕ぎ着けたアイサイト。この偉大な賞の受賞が、技術者たちにとって追い風とならんことを祈るばかりです。