7代目となる新型レガシィが、シカゴで遂にデビュー。 [2019年02月10日更新]
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ムダにデカくならない。ボディサイズは、6代目のスペックをほぼ踏襲。
ボディのディメンションは、当方の予想と違って大きな変更はありませんでした。
ホイールベースは、完全に共通の2750mm。全幅も同じく1840mmで、全高も変更無く1500mm。全長だけが、唯一40mm延長されています。となれば、居住性や荷室サイズ等には大きな変更はないはず。現行レガシィが既に国内では十分過ぎるほど大きいのですから、大歓迎すべき選択と言えるでしょう。
公式プレスリリースには「自由な行動を約束してくれる安心感のあるセダン」との記載があり、スバルの開発チームの狙いが大凡理解できます。
つまり、刺激的なビッシビシのスポーツセダンではなく、グランツーリスモを地で行くようなイメージでしょう。スロットルを踏めばパワーが炸裂するようなパワーデリバリーよりも、グッーと押し出していくような安心家のあるトルク特性。キリッとインに飛び込むハンドリングレスポンスではなく、スーッと引き込まれていくようなステア特性。
そう、7代目レガシィはやはり4代目レガシィの進化版ではなく、5代目レガシィの進化版と考えるのが自然なのでしょう。
極めて保守的なエクステリアデザイン。そこに息づく、スバルデザインの戒律とは。
エクステリアは、極めてオーソドックスかつコンベンショナル。レクサスやマツダのような、刺激的なイノベーションはありません。ただ、そこにはスバルの伝統が確かに息づいています。
それは、何処までも広い視界。広く大きなグラスエリアによって、後席までしっかり明るい室内を実現しています。スバルは、これを0次安全と呼び、徹底的にこだわってきました。視界無くして、安全なし。見えないものは、感知しようがないのですから当然です。そう、死角は危険のカタマリなのです。
デザインを刺激的にするために、視界をドンドン犠牲にしてしまえば、アイサイトなど何の意味がないのです。そのため、スバルは0次安全を実現するため、エクステリアデザインに制限を設けています。ドアミラーの設置位置を後方に下げ、三角窓を設けたのもその一環です。
本当の運転しやすさのために、スバルは常にこだわりを忘れません。
劇的な進化を遂げる、スバルのインテリア。ナビから、インフォテインメントシステムへ。
唯一劇的に進化を遂げたのが、インテリアです。11.6インチもの巨大なディスプレイをセンターに据え、ここですべてのインフォテインメントを提供します。エアコン、ナビ、各カメラ映像、車両制御等々、様々な機能をすべてここに集約表示します。
近代のクルマは、各機能がコンピュータ管理されるようになり、様々なコントロールやカスタマイズが可能になっています。しかし、これまでこれらの機能は、各々バラバラのコントロールパネルを持っていました。そのため、操作は複雑かつ煩雑になり、使いににくくなってしまっています。
80年代に設計された米国製戦闘機F-22Aラプターは、ディスプレイ周囲に多数のボタンを備えています。一方、2000年代に開発されたF-35では、タッチパネル式の巨大な全面ディスプレイを採用。様々な機能をより直感的に呼び出せるようになっているのです。これh、指数関数的に増加する機能を集約制御するための、正常進化なのです。
新型レガシィも、同じ考え方に基づいています。今後、加速度的に増加していく機能を、より使いやすく提供するためのスバルの第一歩なのです。
ただ、依然としてメータパネルに「針」が存置されています。多くの海外メーカーが「針」を捨て去り、全面LCDへの移行が進む中、国産車の進化が追いついていないようです。
アイサイトは、熟成極まったver3.5を採用。最高の機能と最高の安定性。
アイサイトは、熟成極まったver3.5を採用。ツーリングアシストと呼ばれる、新機能を集約した最新版です。これまで、スバルは海外向けアイサイトは機能を制限して提供してきました。それが、白線を読み取って車線中央を自律的にトレースする、車線中央維持機能。それと、先行車をターゲットにして、白線情報が不足する車間が近接した状態での、車線トレースを行う先行車追従操舵制御です。
新型レガシィでは、この2つの機能制限を撤廃し、国内向けアイサイトと同様の機能の実装を果たしています。これによって、世界最高レベルの運転支援システムを実現しています。
恐らく、この新型レガシィは、日立オートモーティブ製のハードウェアをベースにするアイサイトを搭載する、最後のモデルとなるでしょう。スバルは、日立オートモーティブ製のハードウェアに、スバル独自の映像解析ソフトウェアを組み合わせ、長年に渡って絶え間ない進化を続け、業界をリードしてきました。
しかし、この分野の進化は近年加速度的に早まっており、もはや一社の手に追えるようなレベルのコンポーネントでは無くなってきています。より高度な運転支援システムを実現するには、360度全周を継続的に映像解析する極めて高速で信頼性の高いECUが不可欠。そのため、インテル、NVIDIA、AMDの3社は、巨額を投じてこの分野向けのハードウェア開発に邁進しているのです。彼らはこの領域での主導権を確立するため、ここにベースとなるOSを組み込み、セットでメーカーに提供することを目論んでいます。
アイサイト終焉の時代は、すぐそこまで来ている。次々期アイサイトは、トヨタ・ガーディアン?
そう、アイサイトが役割を終えなければならない時代が、もうそこまで来ているのです。スバルは現在、スウェーデンに本拠を置くオートリブ社と共同で、次期型アイサイトの開発を進めています。この新アイサイトは、次期レヴォーグへの採用が決まっています。もし、これをver4と呼ぶとするならば、このシステムが最後のアイサイトとなるでしょう。
2020年以降、ADAS(先進運転支援システム)は自動運転領域に踏み込んだ、劇的進化を求められることとなります。スバルのような小規模メーカーが、独自で開発・販売できる時代は終わりを告げるのです。
トヨタは、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクト、デンソーの合弁で新たな自動運転システムの開発会社「J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッド ダイナミクス)」を設立。さらに、シリコンバレーにはトヨタ、デンソー、アイシン精機の共同で、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)を立ち上げ、将来の自動運転システムの開発に全力を投じています。そして、トヨタとソフトバンクは、共同でMONET Technologiesを設立しています。
TRI-ADが開発を進めている、トヨタ・ガーディアンと呼ばれる自動運転システムは、メーカーの垣根を越えて様々に提供される計画であることが既に発表されています。
アイサイトに「ver5」は存在せず、2030年代のスバルはトヨタ・ガーディアンを搭載しているでしょう。ただ、それがいつ実現するかは定かではありません。しかし、今後10年以内にそうした変革が訪れるのは間違いないでしょう。
新型レガシィの国内投入はいつ?
新型レガシィの国内投入には、まだ暫く時間を要するでしょう。特に問題となるのは、新たに採用したインフォテインメントシステムのローカライズです。
現在、国内向けのスバル車は、ディーラーナビを基本にしています。これを「ナビパック」としてパッケージにし、お得な価格で提供しています。ディーラーナビにもメリットがあります。それは、数年後に容易に最新ナビに換装できること。これは、メーカーナビでは不可能です。
10年後にナビが壊れても、高額な修理費を払って、10年前のナビを「復元」するしかありません。これを嫌って、スバルはディーラーナビにこだわってきたのです。
しかし、前述のように。ナビは単なるナビゲーションシステムから脱却し、車両制御の一翼を担うインフォテインメントシステムへと進化を遂げなくてはなりません。それにはディーラーナビの継続は不可能なのです。
一方、米国市場ではナビはメーカーナビを標準にしてきました。このナビは驚くほど高機能で、スマホからリモコンでエンジンスタートやエアコンの制御が可能です。こうしたサービスを国内で提供するには、念入りな準備が必要です。恐らくは、この準備に時間を要するはずです。
場合によっては、インフォテインメントシステムの採用は先延ばしにして、現行型同様のディーラーナビの採用に留まる可能性もあるでしょう。何れにしても、新型レガシィの国内投入は早くても2020年になるはずで、時期アウトバックと同時投入が濃厚です。