2代目BRZ試乗車到着記念企画第4弾〜徹底インプレッション編〜 [2021年09月24日更新]

BRZ
 
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新型BRZ、和泉店試乗車到着記念第4弾。
 
2021年9月24日 メカニズム徹底解説〜徹底インプレッション編〜

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2020年12月24日 スバル

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

お問い合わせ:0566-92-6115

担当:余語

 

写真とは全然違う!日本車離れした有機的なデザイン。妖艶さを放つ、美しくハリのある面構成。

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9月16日夕刻、スバルショップ三河安城和泉店に遅ればせながら、試乗車が到着しました。今回導入した個体は、「R」の6MT。WRブルーパールが映える、美しいクルマです。これまで写真では見慣れていましたが、現物での印象は全く違うものでした。カッコいいというより、美しいのです。

初見で驚かされたのは、ZC型の面影を感じさせないデザイナー陣の素晴らしい仕事ぶり。ルーフラインは、全く同じ両者。しかし、パキパキっとしたZC型に対して、ZD型は実にふくよかで艶めかしい。如何にも鉄板製の機械といった風情のZC型に対し、ZD型は有機的かつ情感に満ちた、ハリのある面に包まれています。リヤタイヤを包み込むフェンダーは、情感豊かに艷やかなラインを描き、運転席から見えるフロントフェンダーはまさにチラリズムの世界。

カッコいいクルマは日本にも数あれど、これだけ美しいクルマはそう多くありません。しかも、ここまで有機的な美しさを持つ日本車を探すとなれば、いすゞ・117クーペまで遡るしか無いかも知れません。

惜しむらくは、フロントエンド。やけに現実感・無機質感が強く、折角の情感をスポイルしています。もっと構成要素を減らして、シンプルにまとめた方が良かったように感じます。

ただ、何度も繰り返すように、ZC型の基本設計を維持しつつ、これだけドラスティックなデザインチェンジを遂げたことは、実に素晴らしいことです。優れたデザインチームの功績は、素直に称賛されるべきでしょう。

 

実用性一徹。視認性と操作性を最優先。ブラック基調で落ち着いた印象のインテリア・・・遊び心が欲しい!

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ドアを開け、運転席に乗り込む。乗降性は、お世辞には良いとは言えません。その原因は、ZD型になって大きく張り出したサイドスポイラーでしょう。乗る時は「まぁまぁ、こんなもんだろう」と思うのですが、降りる際に荷物でもあろうものなら、足を地面に付けてもうまく立ち上がれません。出来ることなら、Aピラーにグリップが欲しいところです。

インテリアは、先代よりもスッキリした印象。ダッシュボード上面は、メーターバイザー以外は完全にフラット。水平感が強く感じられるため、スポーツドライビング時に有り難いデザインです。ただ、スポーツカーと言うにはシンプル過ぎる。どちらかと言えば、レーシングカーのような実用一点張り。ボディ同色パネルをはめ込むなり、もっとグッと来る演出が欲しい、、、というのはワガママでしょうか。

メータは、日本車ではまだまだ珍しいフル液晶仕様。センターにスピード・タコメータを配し、両脇に各種情報を表示します。非常にシンプルで、機能に徹したデザインです。もうちょっと、ユーザが喜ぶ演出・色使いがあってもイイように思います。

センターコンソールは、ナビを最大9インチとしたため、エアコンスイッチ類はちょっと窮屈な印象。ただ、スバルらしくシンプルにまとめられているので、それ程使いにくい印象は受けません。ただ、いきなりグリーンに光るランプは、やけに気になる。なぜ、ここだけオレンジじゃないんだ。。。

運転席に座ってしまえば、ブラックに統一されたインテリアが、全体的に落ち着いた印象を醸し出しています。ん〜、エクステリアのような妖艶さが、インテリアにもあれば。。。

 

ドアを閉じれば、静寂の空間が広がる。アイドリングでは、極めて高い静粛性を誇る。

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ドアをバタンと閉めれば、室内は驚くほどの静寂に包まれます。そして、クーペ特有の全身を包み込まれるような感覚が、非常に心地よく感じられます。ただ、インテリアのデザイン故に、高揚感はありません。シートは程よいホールド感があり、好印象。シート位置をしっかり合わせ、お尻を後ろにピッタリ付ければ、極自然にペダルに足が伸びます。

ステアリングホイールは、少し太め。グッとホールドすることが出来ます。表面仕上げの馴染みもよく、中々良い仕立てです。それに、テレスコピックの調整シロが大きく、手前に引くと、肘もたっぷり余裕を持たせることができます。

スポーツドライビングの基本は、ドライビングポジション。F1ドライバーなぞ、シート作りに丸々1週間費やすほど。それ程、ドライビングポジションは重要なのです。お尻をピッタリ付け、背中をシートバックに押し付け、ペダルを踏み切った際に、ちゃんと余裕があるのが理想です。腕は、ステアリングの上端でも肘に少し余裕が必要です。高Gが掛かった状態で、ペダルを離す、ステアリングを切り込む、それを出来るようにせねばなりません。

もちろん、この状態で街乗りするのは、窮屈で大変。街乗りでは少しゆったり目にしておいて、ワインディングでに入る前にシートポジションを変えて、自分にスイッチを入れるのもオススメです。

ブレーキを踏み、クラッチを踏み込みます。少し軽めですが、これでもZC型よりは重い設定。続いて、グリーンに点灯したスタートボタンを押すと、FA24型エンジンはブルンと目を覚まします。エンジン音は決してこもらない、軽めの印象。FA24型エンジンは、新開発の2.4L直噴NA。勿論、伝統の水平対向4気筒。敢えてノンターボとしたのは、ナチュラルなレスポンスとシンプル・軽量を是としたためです。

試しに、スッと右足を踏み込む。デジタルタコメータはフッと動き出し、少し遅れてゥワーーンと吹け上がります。アクセルペダルは、低開度領域ではダルな設定。もっと強く踏み込んでいくと、グワーン・グワーーンと鋭く吹け上がる。これは、運転のしやすさを考慮したマッピング。街乗り領域で、万が一にもオーバーステアに陥らないよう考慮したものです。逆に言えば、それだけトルクが太い、ということです。

 

クラッチを繋ぐだけで走り出す。2.4Lエンジンが生み出す太いトルクが、運転を劇的にラクにする。

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サイドブレーキを下ろし、クラッチをコンッと擦らせていきます。動き出しで驚くのは、ボディの軽さと分厚いトルク。発進の際にアクセルを煽る必要はありません。そのまま、スルスルッと滑り出していくのです。正直、これにはちょっと面を喰らいました。やはり、+0.4Lの効果は大きく、その走りは激変しています。

低回転から力強いトルクがあるため、どんどん吹け上がっていきます。1速→2速→4速→6速といったサボりシフトでも、充分流れに乗せることが可能。渋滞時にチョロっと進む時など、イチイチ右足を動かす必要がないのは、まるでディーゼル車のようです。

この段階では、特別速い、、、という印象はありません。確かに、トルクは太く運転は相当しやすくなっています。ただ、結構踏んでいっても、グッーーーと来るけど、ガーーーンとは来ません。まぁ、こんなモノか。。。

と、思っていたら違いました。アクセルに、まだ踏みシロが残っていたのです。全然、全開ではなかったのです。FA24型の本来性能を引き出すには、もっとペダルを奥まで踏み切らないといけないのです。そう、アクセルペダルのストロークがかなり大きめの設定なのです。もちろん、街乗りでは通常の踏み込み量で充分事足りますから、心配御無用。

シフトは全体的にスムーズな印象。2→3速のシフトアップも、引っかかり感はなく、操作はスムーズ。慣れれば、滑らかに入れることが出来ます。手応えはしっかりあって操作性は悪くありませんが、シフトストロークは大きめ。もっとハードな走りを求めるのなら、ショートシフトキットは必須でしょう。

ブレーキは、ちょっとトヨタ感。ブレーキを強く踏み込むと、壁のように固くなり、踏力で微細に制御できる、あのスバル特有の感覚ではありません。グッーーーと踏むと、グーーっとペダルが深く入っていく感覚。鋭く制動力を立ち上げるには、ガンーー!と踏む必要があります。もちろん、慣れれば問題ありません。

 

ボディ剛性の徹底強化と、少し緩めの足回り。双方が絶妙に噛み合い、快適かつ上質な乗り心地を実現。

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少々太めのステアリングは、ダイレクト感に溢れています。アシストは重めで、ドッシリ落ち着いた演出。ただ、惜しむらくは、スピードの変化に応じたフィール・応答性の変化が感じられないこと。

私たちスバルユーザーが高速道路で恐怖を感じないのは、速度の上昇に伴ってステアリングがグッと重くなってくるから。低速ではスッスッと動くステアリングを、高速でグッと重くすることで、高速域での応答性が意図的に抑えられているのです。ところが、このZD型BRZでは、100km/h超に達しても、フィール・応答性は一定のまま。そのため、高速域で少々反応が過敏に感じられるのです。キャスター角が小さいのか、それともパワステの設定でしょうか。出来れば、前後にダウンフォースが欲しい処です。忘れちゃいけないのは、ZD型はGTではなく、ピュアスポーツ。これくらいのビッシビシくる刺激的な感覚は、寧ろあってもイイのかも知れません。

乗り心地は、基本的に穏やか。実に快適です。バンプはしっかり感じますが、突き上げ感が抑えられていて、揺り戻しもありません。そもそも、サスペンションは硬ければ良い、というものではありません。サスペンションの本来目的は、タイヤにしっかり荷重を掛け、路面に確実に追従させること。硬過ぎると跳ねてしまうので、接地圧が抜けてしまいます。これでは、本末転倒。グリップレベルは、逆に低下してしまいます。

ZD型では、シャシーの徹底改善により剛性を強化。ある程度のストロークを許容しつつも、ボディ全体で姿勢変化を抑える仕立てを実現しています。加えて、フロントのショックアブソーバにリバウンドスプリングを内蔵。伸び側の動きを抑制することで、姿勢変化を抑えています。これにより、十分快適な乗り心地を実現しつつ、姿勢変化を抑制してピュアスポーツらしい仕立てを実現しているのです。

高い剛性感と太いトルク。穏やかに流していくと、ZD型はまるで上質なスポーツクーペ。街乗りはすごくラクで、煩雑なシフトも不要。クラッチも、殊更気を使う必要はありません。何度も言うように、特に発進のラクさが特にイイ。本当に素晴らしい進化を遂げたのは、間違いありません。コレで、この価格。最早、バーゲンセールです。

 

いざ征け、ワインディングへ!まず選ぶべきは、3つのモード。但し、全解除は自己責任で。

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さてさて、ピュアスポーツの実力は「街乗り」では皆目検討も付きません。コーナーの続くワインディングこそが、ピュアスポーツの晴れ舞台。ただ、この日はウェット。滑りやすい危険なコンディションですが、ピュアスポーツの実力を図るには寧ろ好都合。限界付近の挙動を、低速域から存分に味わうことができます。

まず触れておかねばならないのが、センターコンソールにある2つのスイッチ。左が「VSC」と「TRC」のオフスイッチ。右が「TRACKモード」のスイッチ。この2つを使うことで、ZD型のコーナリングマナーは激変します。

まずは、通常モードで走ってみましょう。この状態では、VSCとTRC双方が作動状態にあるため、スリップ率が変化した場合に直ちに作動。アンダー・オーバーの双方を、強制的に抑制するセッティングとなっています。

ピュアスポーツらしく、限界を超えるのは容易。アクセルをガバっと開け、コーナーを睨みつけながら、グッとブレーキを踏み込み、3→2速にシフトダウン。フロントに荷重を掛けながら、ターンイン。限界を越えさせるため、早めにアクセルを開けていきます。すると、リヤタイヤは早くもムズがります。けれど、それ以上はいきません。挙動がキレイに収束していくのです。かと言って、トラクションを喰われる印象もなく、失速感もありません。最大のスリップ率を維持しながら、トラクションはしっかり掛かっています。

続いて試すのは、電子制御の介入が遅くなり、ドライバーのコントロール範囲が広がるTRACKモード。ボタンを長押しすると、VSC・TRC・ブレーキLSDの特性が変化し、メインディスプレイが専用画面に切り替わります。まるで、レーシングカーの如く、ディスプレイは全く飾り気のない実用重視。タコメータは横軸のデジタル表示となり、4000rpm以上をメインに示します。

当店敷地内で試した処、4000rpmからのスタートで、ドライ路面でもホイールスピンを起こします。ダート路面では、もっと低い回転域からホイールスピンを起こし、左右にテールを振りますが、その状態でもトルク制御の感覚はありませんでした。

最後は、TRCオフスイッチを長押しすることで入ることができる、VSC・TRCの双方がオフのマニュアルモード。何のアシストもないので、全ては自己責任。このモードでは、2速でカツンと行けば、簡単にリヤが限界を超えてきます。限界を見極められなければ、あっという間に「壁とお友達」になるはず。ホイールベースが短いFR車なので、相当にウデに自信のある方以外は、TRACKモードを使うほうが良いでしょう。

 

2.4Lという排気量が生み出す、余裕のトルク。一度鞭打てば、キャラ激変。凄まじい咆哮と劇的な加速が全身を襲う。

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今回のフルモデルチェンジで、唯一全面刷新されたのがエンジンです。これまでの2.0L直噴NAのFA20型に代わり、新たに2.4L直噴NAのFA24型に換装。排気量の0.4Lアップに伴って、最大出力は235ps(173kW)・最大トルクも25.5kgfm(250Nm)に向上しています。FA20型の弱点だった300rpm付近のトルクの谷間を改善、フラットトルクに近い、実に扱いやすい特性を実現しています。

FA24型の効果は、動き出すその瞬間から覿面に現れます。クルマがとても軽く感じられるのです。2000rpmで既にFA20型の最大トルクを越えてしまうのですから、それも当然でしょう。街乗りでは、エンジンは驚くほど静かで、滑らか。スルスルとシフトアップでき、高めのギアでも問題なく再加速が可能です。ギアを選ばないトルクの太さが、街乗りを相当ラクにしてくれます。

アクセルを、グッと深く踏み込んでみます。その瞬間、ドキリっとする程、FA24型はキャラクターを変貌させます。盛大なエンジンサウンドが溢れ、衝撃的な加速が全身を襲うのです。グーーっと背中にのしかかるような加速感。たった1260kgという軽量ボディは、あっという間にスピードにのっていきます。

2速、3速、4速、、、息も付かせぬ程、車速はグングン伸びていきます。この感覚は、ZC型では決して味わえなかったもの。勿論、この感覚派は、AWDならではの盤石の安定感とターボ特有の暴力的な加速が演出する、スバルのターボモデルのそれとは全く異なるもの。もっと軽やかで滑らか。それでいて獰猛、猛々しい。FR故の危うさとビリっとするダイレクト感が、独特の緊張感を醸し出しています。

実際、3速で勢いよく踏んでいくと、あっという間に80km/hに達します。その間、全身は野太いボクサーサウンドと力強い身震いに包まれ、猛々しく加速していきます。こんな感覚は、ZC型では絶対に味わえないものです。桁が違う、そう言ってもイイのかも知れません。

FA24型は、実に素晴らしい仕上がりです。滑らかな吹け上がり、力強いトルク。素晴らしいリニアリティ。ただ、アクセルペダルのストロークが長めなのと、低開度領域をダルにする特殊なマッピングも相まって、FA24型を目一杯味わうことが出来た実感はありません。設定変更等で、フツーの応答特性に替えられれば良いのですが。。。

 

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