フォレスターがE型に進化、STI Sportが待望の新登場。 [2022年07月03日更新]

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フォレスターが年次改良。E型の進化ポイントとは。

2022年6月27日、スバルはフォレスターの年次改良と、新グレード「STI Sport」の追加を発表しました。STI Sportについては後で紹介することにして、まずは年次改良からお伝えします。
フォレスターは、2021年にフロントフェイスの刷新を伴うマイナーチェンジを実施済み。それ故、今回の改良は小規模なものに留まっています。E型の変化は、ボディカラーの差し替えとライティングスイッチの変更、そして原材料価格高騰に伴う価格改定の3点のみ。
ボディカラーは、ブルー系の色の差し替え。ダークブルー・パールを廃止。代わって、サファイアブルー・パールが追加されます。サファイアブルー・パールは、赤みの強いダークブルー系カラー。曇天では落ち着いた印象ながら、晴天では強いハイライトが入り、鮮やかな印象を与えます。色の変化がよく愉しめるボディカラーです。
続いて、ライティングスイッチには、新たに「TAIL/AUTO」ポジションを追加しています。ライティングスイッチは法規制対応に伴い、マイナーチェンジでモーメンタリ化されており、「OFF」ポジションを常用できなくなっていました。この場合、車幅灯・尾灯を点灯させる「TAIL」モードにするにはOFF側へ短押し、全消灯の「OFF」にするには長押しする必要がありました。今回は、「TAIL/AUTO」の独立により、車幅灯・尾灯の常時点灯の場合は「TAIL/AUTO」モードを選択。全消灯とするには、「OFF」へ短押しへ変更されています。
3点目は、価格改定です。原材料価格の高騰は極めて深刻です。スバルは、これまで価格改定をせずに耐えてきましたが、これも限界。E型では、D型比+5万円となる価格改定が実施されます。半導体不足を見ても分かる通り、自動車産業は決して超えてはいけない「分岐点」を、既に超えているように思えます。顧客の求める価値と価格のバランスが崩壊しつつあるのです。最早、自動車は贅沢品。Z世代のクルマ離れが深刻なのは、自明。状況は、極めて深刻だと言えるでしょう。
専用ダンパーが実現する、しなやかで懐深い走り。

E型最大のトピックは、フォレスターへの「STI Sport」の初設定。プレミアムなスポーツグレードとして設定されるSTI Sportは、主に足廻りのリセッティングとインテリアのチェリーレッド化がスタンダードレシピ。C型レヴォーグに設定されたのを皮切りに、先代BRZ、現行インプレッサ・SPORTなど、徐々に勢力を拡大してきました。ただ、採用モデルを見ても分かる通り、これまでSUV系モデルに採用された事例はありませんでした。よって、E型フォレスターが初の「STI Sport」SUVということになります。
これまで、スバルはSTIグレードを多数設定してきました。手組みのエンジンに専用足廻りを組み合わせた、フルメニューのR/S系コンプリートモデル。純正そのままのエンジンに専用足廻りを組み合わせた、ts系コンプリートモデル。これらは、台数限定で販売され、その多くが今ではプレミアム価格で中古車が取引されています。
これに対し、STI Sportはカタログモデルとして販売されます。そのため、STI Sportはあくまでスバル車のグレードとして位置付けられます。エンジンは純正そのまま、足廻りはフロントに専用ダンパー。そして、専用インテリア。これが、STI Sportの基本的なレシピです。
フォレスター・STI Sportも、レシピは同じ。インプレッサ・STI Sport譲りの、日立アステモ(旧SHOWA)製SFRD(Sensitive Frequency Response Damper:周波数応答型ダンパー)をフロントに採用。ロールやピッチング等の低周波数領域では高い減衰力を発生するのに対し、NVH(Noize・Vibration、Harshness)領域の高い周波数の動きには低い減衰力を発生。
これにより、不快感と不安感をもたらす姿勢変化をよく抑制しつつ、優れた快適性を維持します。また、操舵に対する車両の応答性を改善。より素直に、より滑らかに、よりリニアなステアリングフィールを実現します。


STIエンブレムを配した定番の仕上がりは、大人の香り。

STI Sportは、1.8Lターボ搭載の「Sport」をベースに、エクステリアでも差別化が図られています。前後にSTIエンブレムを配した他、各部をブラックのアクセントでまとめ、特別感を主張するアピアランスを実現しています。
具体的には、フォグランプカバー、バンパーガード、リヤバンパーガード、アルミホイール、サイドクラッティング、リヤエンブレムをブラック化。この他、ベースのSportではダークグレー塗装のルーフスポイラーも、ブラック塗装化されています。
STI Sportのボディカラーは、クリスタルホワイトパール、マグネタイトグレーメタリック、アイスシルバーメタリック、クリスタルブラックシリカと、スバルチョイスのモノトーン4色のみ。別に、サファイアブルーパールのSTI Sportがあっても良いように思うのですが。。。多くのファミリーユーザでは、ボディカラーの選択権は「ママ」にあります。そんな時、モノトーンだけでは、「パパ」の立場は辛いでしょうね。
インテリアは本革仕様をベースにボルドー&ブラックでまとめられた、人気のSTI Sport専用コーディネート。本革シートに加え、各部トリムをボルドーの表皮巻きとしつつ、各所にSTIロゴを配置。STI Sport定番の「らしさ」を演出しています。全体的に落ち着いた雰囲気で、ハイセンスな大人の香りを醸し出しています。一方、ルーフトリム、ピラートリムはブラック化。スポーツドライビングに最適な、反射・映り込みの少ないコックピットを実現しています。


スポーツマインドを高める、トルクフルなCB18型エンジン。

2019年1月11日から開催された東京オートサロンで、スバルは現行フォレスターの「STI コンセプトモデル」を参考出品しています。e-BOXER仕様のAdvanceをベースに、フロントブレーキをbrembo製6ポッドに換装、タイヤは19インチとした仕様でした。この時点では、Sportモデルをe-BOXERで仕立てるつもりだったのかも知れません。
というのも、SK型フォレスターは「数が出ないから」という理由で、ターボモデルを廃して誕生しました。全車・全グレードにターボエンジン搭載という、異色のコンセプトで誕生したフォレスター。そのトップモデルには、常にハイパワーターボの存在がありました。SK型の誕生は、貴重な歴史が途絶えた瞬間だったのです。この時点でフォレスターは、RAV4と同列のフツーのSUVになってしまいました。
ところが、どういう訳か、何処かのタイミングで戦略が見直され、レヴォーグ用に開発されたCB18がC型で追加搭載されます。ただ、敢えてXTを名乗らず、SPORTの名称で誕生します。今は、伝統のXTの名称は米国で受け継がれ、FA24DITを搭載するレガシィ系が継承しています。
そして、今回。STI SportはこのSPORTをベースに誕生しました。リーンバーンを常用するCB18は、最高出力こそ高くないものの、低回転から強力なトルクを発揮。スペックを上回る力強さで愉しませてくれる、頼もしいエンジンです。CB18は、間違いなくSTI Sportの名に相応しい、スポーツドライビングを実現してくれるはずです。
懐深いハンドリングと、安心感のある乗り心地を両立。

STI Sportは、スバル車のグレード構成の頂点に位置するスペシャルグレードです。その目的は、快適性と運転の愉しさの両立にあります。リニアリティとスタビリティをさらに磨き上げ、よりしなやかで懐深いハンドリングを実現しつつ、穏やかで安心感のある乗り心地を追求し、ドライバーオリエンテッドではなく、すべての乗員が感じる快適性を実現すること。
フォレスター・STI Sportは、フォレスターに欠けていたスポーツマインドを高めてくれる、貴重な存在となるでしょう。やはり、スバルのSUVは、RAV4やハリアー、CX-5とは違うものでなければならない。より刺激的で、より個性的で、より頼もしい存在でなければならないのです。
惜しむらくは、STI Sportのレシピに刺激が足りないこと。チューニングは、結局足廻りだけなのです。だから、、、何でも良いのです。20kg軽いとか、10ps違うとか、重心が2mm下がった、等々。何か、違いを見せて欲しい、、、いや違いで「魅せて」欲しいのです。
そう、STIというブランドはもっともっと鮮烈であって欲しい。レクサス・Fスポーツとは、違うのです。群馬の職人集団が、フォード、トヨタを圧倒する、あの衝撃。世界を熱狂させ、伝説を築き上げた、あの偉業。STIとは、ブルーに彩られたスバルに流れる、鮮烈なチェリーレッドの血潮。
しかし、偉大な歴史を継承するには、「お為ごかし」では。。。WRX STIを失った今、STIはコンプリートカーを作る土台を失いました。STIは今後如何なる展開をしてくのでしょうか。期待と共に見守っていきましょう。
フォレスター E型 STI Sport












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