一部記事追補:新型「レガシィB4」試乗記 [2014年11月05日更新]
新型「レガシィB4」デビュー
ニュース ピックアップ [ レガシィ 試乗 アウトバック B4 ]
アウトバックがE型へ。特別仕様車「Black S...
2024年09月12日 スバル
アウトバックがマイナーチェンジ。D型へ進化!...
2023年07月23日 スバル
北米専売のレガシィ・セダン、衝撃のマイナーチェン...
2022年05月21日 スバル
驚きの大変化!!米国仕様の後期型アウトバック。...
2022年04月14日 スバル
新型アウトバックは、ハイセンスな都会派オフローダ...
2022年03月01日 スバル
デビューから2年半。漸く新型アウトバックが国内発...
2021年09月04日 スバル
SOAが、最もタフなアウトバック「OUTBACK...
2021年04月01日 スバル
SOAが、3月30日に「よりワイルド」なアウトバ...
2021年03月24日 スバル
レクサスでもない、クラウンでもない。「レガシィ」という選択。
新型「レガシィB4」は日本のミディアムセダン市場に風穴を開ける、パフォーマンスと安全性を高次元で両立させる全く新たなプレミアムスポーツセダンです。
あらゆる気象状況、あらゆる路面状況でも、ドライバーの力量に頼らず、安全に速く快適に移動できるクルマ。それが、スバルのクルマに対する技術哲学です。水平対向ボクサーエンジン、シンメトリカルAWD、先進運転支援システム「アイサイトver.3」など、すべての個性的な技術の数々は、このスバルのクルマ哲学を具現化するために、長い時間をかけて熟成されてきたものです。
そして、最高のパフォーマンスをすべてのお客様にお届けするために、スバルは決して妥協しません。だからこそ、「他とは違う何か」をスバルから感じられるのかもしれません。
「レクサス」でも「クラウン」でもない。「レガシィ」という選択。それは、きっとあなたを満足させるはずです。
この秋「レガシィ」はセダンボディのみとなって、全く新たな歴史のページを刻み始めます。スバルがおくるプレミアムスポーツセダン「レガシィB4」。その登場をぜひ楽しみにお待ちください。
新型「レガシィB4」発売日決定。Xデーは10月24日。
2009年5月に登場したBM型「レガシィB4」は5年のモデルライフを終えて、10月24日遂に新型「レガシィB4」にバトンタッチとなります。BN型と呼ばれるこの新型「レガシィ」は、デザインや質感を徹底的に磨き上げて皆さまの前にお目見えします。
好調な北米市場での要望を受け、さらに余裕あるサイズへと進化したBN型「レガシィ」。そのサイズは、レクサス「IS」を超えて「GS」に迫るサイズと言えば、そのサイズを実感頂けるでしょうか。2003年までは5ナンバー枠に収まっていた事を考えると、隔世の感があります。
継続搭載のエンジン「FB25」は、給排気系を中心にさらにブラッシュアップ。ボディサイズアップにも関わらず、燃費の向上を実現。その進化は数値面では現れにくいものの、リニアトロニックのマッチングが著しく向上しているとのこと。
FA20ターボの搭載が予定されていないというBN型「レガシィ」。ハイパフォーマンスセダンの座を「WRX S4」へ譲り、「レガシィB4」は新たにプレミアムスポーツセダンの領域へ到達します。
新型「レガシィB4」初試乗。
今回、幸運にも新型「レガシィB4」を試乗する機会に恵まれましたので、試乗レポートをお届けしたいと思います。
試乗したのは、シルバーのベースグレードモデル。17インチホイールにノーマルサスペンション、ファブリック地シートの組み合わせです。
まず目を引いたのは、魅力的なスタイリング。フラッグシップセダンたる重厚感を備えつつ、スポーツセダンらしくしっかり引き締まったボディ。1500mmに達する全高を全く感じさせない絶妙なデザイン処理は、BMWなどに一脈通じるものを感じさせます。スポーツセダンの「B4」とSUVの「アウトバック」の前骨格を共有しなければならないという、ともすれば絶望的とさえ言える、厳しい制約を物ともしない見事な完成度です。
大人のプレミアムスポーツセダンへ。
重厚感というより、しっとりとした印象を与えるドアの開閉音。乗り込むと、「アウトバック」よりも低いライドハイト設定を実感します。それでも、頭上スペースはたっぷり余裕があり、自然なドライビングポジションが可能です。
エンジンスタート、2.5Lボクサーが確かな鼓動を始めます。ノイズコントロールは絶妙で、伝えるべき音がしっかりと伝わってくる印象。高級車でありがちな、耳栓をしたかの如き不自然な遮音ではありません。
シフトレバーを「D」レンジに入れつつ、電動パーキングを解除。「レガシィB4」はいよいよ滑走を開始します。
やはりというべきか、「アウトバック」と違って路面の様相を確実に腰に伝えてきます。それでも、その印象は、ソリッドさが際立つ「レヴォーグ」の乗り味とは異なり、突き上げをボディが懐深くいなしていく印象。スポーツセダンでありながら、上質さを兼ね備えた大人のプレミアムセダンとしての風格が感じられます。 コーナリングマナーは、実に穏やかなもの。横Gが掛かった状態で路面のアンジュレーションを踏ん瞬間、WRXの血が流れる「レヴォーグ」ならキュッとヨーが立ち上がるところを、「レガシィB4」では何事も無くスルスルっと向きを変えていきます。このセッティングの違いは、サーキットで縁石を踏んだとき、大きな差となって現れるでしょう。やはり、「リアルスポーツツーリング」と銘打つ「レヴォーグ」とはキャラクターが明確にワケられているのです。
今回のトピックである、帰ってきたボクサーサウンド。それは2500rpmを超えた辺りから、愉しむことができます。そのためにシフトレバーは「M」レンジに。ここで「Limited」グレードならばメーター照明がオレンジに切り替わるところですが、標準グレードでは変化なし。スロットルに力を込めると、タコメータは俄然活気付きます。その針が2500rpmに近づくと、いよいよその野太いサウンドが響き始めます。その興奮を超えてさらに踏み込むと、ドライバーは心地よくて力強いあのボクサーサウンドに全身を包み込まれます。
懐かしい・・・!それはかつてBH/BE型の頃、確かに響いていたサウンド。但し、そのサウンドはかつての様にお腹の下から響くのではなく、遠くエンジンベイから響くもの。そのキモは、新たに追加されたサウンドジェネレータにあります。
今回、スペックには全く変化のなかった「FB25」ボクサーエンジン。しかし、その改良は微に入り細に入るきめ細やかな内容。燃費を改善しつつ、リニアトロニックとのベストマッチングを目指して、実に8割近い改良が施されています。その一環として、サウンド面の改善を図っているのです。
ターボモデルを設定しない初めての「レガシィ」となるであろうBN型「レガシィB4」。メカニズム面での「飛び道具」もなく、今回のフルモデルチェンジは進化というより「深化」といった表現が適切とも言えるかもしれません。それでも、BM型で盛り込めなかった数多くの内容を欠かさず盛り込み、長い時間を掛けて熟成しただけにあらゆる面で高い完成度を誇ります。
クラウンでも、レクサスでもない、「レガシィB4」という選択。
一度ならずとも、スバルの魅力に惹かれた思い出をお持ちの方。そんな方なら、個性光るこの1台にきっとご満足頂けることでしょう。
レガシィの歴史は新たなるページヘ。
「レガシィ」登場以来25年。その歴史は、スバルの目覚ましい成長の軌跡でもあります。
「レガシィ」が登場したのは、バブル崩壊目前の1989年のこと。水平対向ターボエンジンとフルタイム4WD、無段変速機「ECVT」など、技術的方向性は確立しつつあったこの頃のスバルですが、一方で苦境が公然と伝わる厳しい経営環境下にありました。この時期、経営を支えていたのは米国市場でした。しかし、「廉価でタフな乗用車」として得ていた評価は悪路の多い地方に限られ、洗練されたイメージに欠けていたスバルの都市部における苦戦は依然続いていたのです。
スバルは、新たに生まれ変わる必要がありました。
「44B」、それが初代「レガシィ」の開発コードでした。1971年以来連綿と続いてきた「レオーネ」の歴史に終止符を打ち、新たな時代を切り開く、アーバン志向のモデルとして「レガシィ」は開発されたのです。ボディは、ツーリングワゴンとセダンの2タイプをラインナップ。両モデルともに、戦闘機のキャノピーを思わせるように各ピラーをブラックアウト。さらに前後フェンダーにブリスターフェンダーを採用。前後方向に水平基調のラインを強調することで、伸びやかかつ軽快なスタイリングとなり、実に新鮮で洗練された都会的イメージを演出していました。
初代「レガシィ」を最も特徴付けたのは、WRC参戦を目的とした「RSタイプRA」の存在でした。この「RSタイプRA」、スポーティグレードの「RS」が搭載する2Lボクサーターボを、STIのスタッフが1台1台手作業でチューニングするという、なんとも贅沢なモデルだったのです。こうした「尖った」グレードの存在によって、「レガシィ=スポーティ」というイメージが徐々に形成されていくことになります。
1996年に登場した2代目「レガシィ」の後期モデルでは、自主規制枠一杯の280psに到達した2.0Lボクサーターボを搭載し、ビルシュタイン製ダンパーを採用した「GT-B」と「RS」が登場し、空前の大ヒット。セダンとツーリングワゴンという完璧な実用性を持ちながら、スポーツカーをも上回るパフォーマンスを誇る「レガシィ」は、バブル崩壊後軒並み販売不振に陥る中で、一躍大人気車種となりました。
「レガシィ」はモデルチェンジとともに大型化していったものの、3代目「BE/BH型」まではボディサイズを5ナンバー枠内にキープしつつ、エンジンを大型化・ハイパワー化することで各国のマーケット需要に応えていました。しかし、米国市場で予想外の大ヒットとなったSUV派生モデル「アウトバック」が一躍レガシィシリーズの再量販モデルに踊り出た事で、一段とサイズアップの要望が強くなります。
4代目「BL/BP型」では、1730mmまで全幅を拡大。国内での取り回しの良さを確保しつつ、米国市場で受け入れられるサイズを目指しました。コンパクトで洗練されたデザインに、スバルならではの「走り」が加わったこのモデルは、国内では好評でした。しかし、さらなる広さを求める米国市場ではこのサイズでは全く不十分だったのです。スバルUSAは、さらなる大型化を強く要求しました。
悩みぬいたスバルの出した答えが、2009年に登場した5代目「BM/BR型」です。2014年6月まで販売が継続されたこの「レガシィ」は、それまでよりも明確に1クラス階級を上げた、本格的ミディアムセダンとして登場しました。前後フェンダーのプレスを変えることで、国内向けのツーリングワゴンとB4の全幅を1780mmに抑えつつ、「アウトバック」と米国向け「B4」では全幅を1820mmまで拡大してボディのゆとりを確保。エンジンは2.5L4気筒と、3.6Lまで拡大された6気筒を搭載しました。スバルUSAの進言通りに「アウトバック」が米国市場で大ヒット。全てのスバル車の中でも再量販モデルとなって、苦戦が続いていたスバルの救世主となったのです。
スバルは、6代目「レガシィ」をよりプレミアム志向の強い米国市場の要望に合わせてさらに大型化したうえで、セダンの「B4」とSUVの「アウトバック」のみの2タイプとすることを決断。ツーリングワゴンとして新たに国内専用モデル「レヴォーグ」を投入することになります。