スバルショップ三河安城の最新情報。新型フォレスター、遂にデビュー。最速試乗記公開!!| 2018年6月21日更新
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新型フォレスター試乗記
6月15日、私はちょっと焦っていました。新型フォレスターの試乗会会場は蒲郡市のスパ西浦モーターパーク。自宅のある刈谷から、40km弱。でも、ナビに示される到着予定時刻は、完全なる遅刻。しかも、23号線はガッツリ通勤渋滞。。。まさかの遅刻はマズイ。でも、心配は杞憂でした。現地到着は、ちゃんと開始15分前!
遂に明らかになる、新型フォレスターの実力。会場には、チラリと見える新型フォレスターの姿。冷静な分析をせねばと平静を決め込むも、ワクワクは抑えようがありません。
オリエンテーションに始まる今回の試乗会は、サーキット路面のみを使用。e-BOXERと2.5LNAを分けて、それぞれ試乗します。e-BOXERは、モータアシストの加速感の体感が目的。2.5LNAは、ライバルとのガッツリ比較試乗を行います。
パドックには、10台近い量産試作段階の車両が並べられており、弥が上にも期待が高まります。
※なお、当日は写真撮影は禁止。そのため、ご紹介する写真はすべて6月20日公開の公式写真です。ご了承ください。
小生のグループは、期待のハイブリッド「e-BOXER」の試乗からスタート。
期待のハイブリッドシステムは、基本的には旧XV HYBRIDを踏襲するもの。しかし、バッテリをリチウムイオン化するなど、全面刷新を敢行。新たに「e-BOXER」と名付けられての再登場となっています。このe-BOXERは、最上級グレードの「Advance」のみに搭載されます。
エンジンは、インプレッサ譲りの直噴化された2.0LNAユニット。旧型フォレスターとエンジン型式は共通ですが、直噴化によってレスポンスと熱効率の向上が図られてた他、各部改良が施されています。
コンロッドの軸受部の油膜成形性改善によって、フリクションロスを低減。EGR率とEGRクーラの効率改善により、燃料消費率を3%改善しています。また、ISG(アイドリングストップジェネレータ)は小型化と低騒音化がなされています。
ハイブリッドユニットは、モータのみはキャリーオーバーですが、それ以外は大幅に刷新されています。バッテリにはリチウムイオン電池を新採用。電圧向上により、実出力は2kW向上。さらに、効率は従来型より6%の改善が図られています。この他、インバータとコンバータの刷新により、若干の効率向上が図られており、システムトータルで小型化と効率改善がなされています。
ドアを開け、いよいよ試乗スタート。
e-BOXERの試乗車は、新色のジャスパーグリーンメタリックの個体。曇天の日光下では、意外に薄味の印象。マット仕上げにしたくなる、イメージそのまんまのカラーです。
さぁ、ドアハンドルに手を掛け、いよいよ新型フォレスターに乗り込みます。。。と言っても、結構な雨足で感傷に浸る暇もございません。急ぎ、ドアを締めて、シートベルト装着。パタンッ、軽い音と共にドアが閉まると、スッと静寂が広がります。さすが、のボディ剛性です。ボディ剛性が1.4倍とも言われる、次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」の恩恵はここにも顔を出します。
ダッシュボードは、インプレッサ/XVと共通のアピアランス。緻密なパネル面構成と使いやすく分かりやすいデザインが、特徴です。細かく比較すると、セレクトレバー付近で高さがプラスされて新型フォレスターのスカットル高に対応しているのが分かります。
ダッシュボード中央に配置されたMFDは、e-BOXER専用表示。SI-DRIVEが[S]モードの時は、MFDにシステム出力がインジケータで表示されます。
スルスルーッと自然な加速感が好印象、モータアシスト仕様の「e-BOXER」。
セレクトレバーをDレンジに入れ、電動パーキングを解除。ブレーキをリリース。スルスルと走り出す、e-BOXER。まずは、30km/h程度までゆっくりと加速していきます。モータアシストだけあって、先代フォレスターの2.0LNAに比べると、劇的な改善。シュルシュルーッとCVTが滑る感覚はなく、エンジンのトルクでダイレクトに加速を伸ばしていく印象です。軽いモータ音と共に、スーッと加速が伸びていきます。
[S]モードにスイッチし、アクセルを踏み込んでいきます。すると、エンジンは高めの回転を維持しつつ、モータが精一杯のアシスト。ジワジワと伸びていく車速。先代XV HYBRIDでは、モータのみでの加速は不可能でしたから、電圧UPによる実質出力の改善をヒシヒシと感じます。
ただ、目の醒めるような加速とか、低速からグッと押し出すような加速とか、そういう感じはありません。あくまでも、必要にして十分。そんな力感です。SUVらしい、力強い加速と力感を求めるのなら、e-BOXERよりも2.5LNAが適しているのかも知れません。
新たに直噴化されて、大幅進化を果たした2.5LNAエンジン。
さて、続いては2.5LNAモデルです。新型フォレスターではフルモデルチェンジに合わせて、排気量を500ccアップ。レガシィ系に並ぶ、2.5Lエンジン搭載モデルへとクラスアップを果たしています。と言っても、北米では先代から既に2.5Lでしたから、フルモデルチェンジに合わせてグローバルで仕様の統一を図った、という方が適切でしょう。
そんな2.5LNAエンジンは、FB25。インプレッサのFB20に倣って、直噴ヘッドに換装された2.5LNAユニットです。今回の直噴化により、圧縮比を10.3から12.0へと高め、燃焼効率を改善。その結果、熱効率が改善され、出力向上と実燃費向上を実現しています。また、燃料冷却の活用と触媒早期活性化によって排出ガスのクリーン化と出力向上を実現した他、冷間時の暖気時間を短縮により実燃費と出力向上を図っています。
エンジン単体で見ればマイナーチェンジですが、約90%の部品を見直すことで、約2kgの軽量化を果たしています。クランク挙動を小さくし、振動低減を実現し、静粛性の向上を図っています。
また、リニアトロニックもレシオカバレッジを拡大した新仕様へ換装。マニュアルモードは、仮想6段から7段へ進化。さらに高負荷時には、ステップ変速モードへ自動で変化します。トルクコンバータも刷新され、燃費性能の向上と振動低減を図っているようです。
グッーっと力強い加速が、頼もしい!2.5LNAモデル。
走り出してみると、+500ccの効果はテキメン。段違いに力強い加速感に驚かされます。踏み込んでいくと、グッと力強く地面を蹴り出すような加速が何処までも続いていきます。
インプレッサの直噴化でもそうだったように、レスポンスの大幅改善により加速感のダイレクト感とリニアリティが劇的に改善。アクセルを踏むと、ズルルーーッと空転感があった、旧型のダルな加速感は一掃。本当に気持ちよく、頼り甲斐のある加速感です。
パドルシフトも極めてスムーズ。特に、レシオカバレッジが拡大された新リニアトロニックは、ダウンシフト時も凄くスムーズ。しっかりブリッピングされ、シフトショックが無いのです。低速コーナーへの進入時、ブレーキングしながらストンストンとギアを下げても、ショックは皆無。スムーズなターンインが可能です。
ライントレースの自在感は、格別。
SGPは、やはり偉大。強烈なボディ剛性が、新型フォレスターの走りを劇的に高めています。
かなりの横Gを掛けていっても、プアなアンダーは皆無。グッとコーナリングGに耐えつつ、全輪をガッチリ路面にグリップさせていきます。舵角は、とにかくミニマム。ほんの少しのステアリング操作にも、シャシーがしっかり反応してくれます。
フロントでコーナリングフォースが立ち上がると、リヤでもしっかり横Gが発生。フロント主体に切れ込んでいくのではなく、前後均等の横Gで旋回していきます。
ロール角が非常に小さいので、次のアクションへの自由度が高いのも特徴。コーナリングGに比例して、重みの増していくステアリング。その操舵力をスッと抜くか、維持するか。スロットルを踏み込むか、スッと抜くか。ほんの些細なアクションで、先行車のアウト側に出るか、イン側に進めるか。コーナリング中もライントレースは自由自在です。
正に、オン・ザ・レール。その感覚は、スバルだから実現できるもの。低重心の水平対向エンジン+左右対称のドライブトレインという、スバル独自のパッケージングの賜物です。