スバルショップ三河安城の最新情報。2代目BRZ試乗車到着記念企画第4弾〜徹底インプレッション編〜| 2021年9月24日更新
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これぞ、ピュアスポーツ。ZC型とは桁違いのアベレージスピード。猛々しいZD型を御す興奮と歓び、そして恐怖。
さて、お愉しみはワインディング。幾重に続くコーナーが、異次元の世界へと誘います。痛感させられるのは、FA24型の威力。そのトルクは、絶大。走りを激しく一変させています。
ZC型でも、ZD型でも、2速→3速→2速→3速というシフトの忙しさは変わりません。しかし、ZD型ではコーナーへのツッコミ速度が全く違います。ほんの50mもあれば、一気に70km/h近くまでダッシュしますから、ブレーキングはガツンっと強めにイカねばなりません。これは、余程本気で掛からねば、限界領域には届かない予感。。。ZD型は明らかに速いのです、エンジンが。
ZC型のヒラッヒラッ・グッ・スッスッと駆け抜ける、心地よいスポーツ感覚は微塵に消し飛びました。ZD型では、もうアスリート感覚。ガーーーンといって、ガンっーとしっかり止め、ガツーンっと開けていく。神経を研ぎ澄まし、クルマと完全に一体となり、タイヤのグリップと路面状況を手肌に感じて、絶対的な自信を以て、コーナーに飛び込んでいく。求められる集中力とスキルが桁違いです。
何よりも、劇的に違うのが、その「蹴り出し」です。2速でアクセルをガツンと開ければ、ドライでもあっという間にリヤが限界を超えてきます。そのスリリングさたるや、ZC型の比ではありません。特に、VSCとTRCを両方をオフにすると、そりゃもう。。。バッキバキ!ガンガンにオーバーステアを決めてきます。
ただ、リヤが出ても不思議と恐怖感は一切ありません。ZC型では明らかに剛性不足で、蹴り出しで車体全体が揺すられるような不快感がありました。しかし、格段に剛性が向上したZD型では、オーバーステアでさえもボディは全く弱音を吐きません。もっと来てみろ、お前はそんなもんか、とあざ笑うようにクールにカウンターを要求してくるのです。
ただ、オーバーステアが出た後の収束感は、BRZならではでしょう。VSC・TRCオフでも。自然的にカウンターが当たり、スムーズに挙動が収束していくのです。もしかすると、86はオーバーステアがバシッと速く、もっと大きいドリフトアングルを許容するのかも知れません。
限界を越えてくる状況でも、クルマの挙動はクリアに把握できます。不安感は全くなく、もっとイケる。そう感じられるほど、クルマは本当に良く仕上がっています。もっと走り込めば、もっと精密にラインコントロールと挙動制御が出来るようになるかも知れません。
ZD型BRZは、相当のキレ者です。エスケープが充分にあるサーキットなら、容易に限界を愉しむことも出来るでしょう。サイドを引かずとも、パワースライドで滑らせていくことが可能です。でも、ワインディングでは相当な覚悟が要るのは間違いありません。ZC型とは、アベレージスピードが桁違いに高いからです。
86は刺激的で、BRZは安定志向。そんな言葉が消し飛ぶほど、ZD型は刺激的です。86は、BRZよりもっと刺激的。。。オイオイ、モリゾー!!
誰でも買えるピュアスポーツ。ドライバーを育てるピュアスポーツ。傑作の1台が、350万円で買える奇跡。
ZD型BRZは、国内ピュアスポーツに新たな領域を切り拓きました。これだけ刺激的なドライビングを許容する国産スポーツカーが、これまで日本にあったでしょうか。これだけドライバーを追い込んでくる国産スポーツカーが、これまで存在したでしょうか。
こんな刺激的な感覚は、WRXのような凄まじい限界を誇るハイパフォーマンスモデルや、ロードスターのようなクラブスポーツでは、決して味わえない感覚です。人馬一体となり、己の技術と心の限界に挑む。意を決してコーナーに飛び込み、己に試すためにアクセルをガン!と踏み込む。これぞ、まさしくピュアスポーツ。
ピュアスポーツは、限界が低いからこそ愉しめるもの。でも、ZD型はそのギリギリまで追い込んできます。2.4Lのパワーは、素人が扱える本当に限界ギリギリなのかも知れません。これ以上パワーがあれば、もうワインディングで愉しむのは不可能でしょう。けれど、これよりパワーが少なければ、パワーオーバーに持ち込むのは不可能でしょう。本当に、素晴らしいパッケージングです。
良いスポーツカーは、ドライバーを育てると言います。ZD型BRZは、まさしくそれです。私自身、レーシングカートを少々カジッただけで、スポーツカーの経験は多くありませんが、この150km程過ごした中でも、かなりの成長を遂げた実感があります。
でも、今度はもっと上手くやれるはず、あぁすれば、もっと上手く乗れるはず。心は沸き立ち、頭は興奮で満たされる。もっと乗りたい、もっと走りたい。こんな感覚にさせられたのは、まさしくレーシングカート以来です。
これだけのクルマが、350万円で買える。もう、これは21世紀の奇跡です。欧州車なら、間違いなくBRZは2台買える値段です。間違いなくバーゲンセールです。まぁ、欧州車のピュアスポーツなんて、しがないサラリーマンにはとても買えないんですがね。。。でも、BRZなら私たちにだって買える!!もう、中古のZC型で悩んではいけません。コイツは、ZC型とは桁違いです。
すべては、モリゾー氏のお陰。もっといいクルマづくりは、もっといいドライビングから。お愉しみあれ!
最後に、モリゾー氏への感謝を・・・。このクルマがこの世に生を受けることが出来たのは、モリゾー氏の存在あってのこと。モリゾー氏の情熱とスキルが無ければ、これ程素晴らしい完成度に至ることは絶対にあり得なかったことでしょう。BEVだ、FCVだという時代に、ピュアスポーツのフルモデルチェンジ。なんと素晴らしい英断でしょう!
モリゾー氏は、今や日本自動車工業界、日本のモータースポーツ界の希望です。先だっては、F1、MotoGP、WRC、WEC、その全てが中止に追い込まれたことに、正面切って抗議して頂きました。モータースポーツを心底愛する者にとっては、これ程力強いメッセージはありません。
もっといいクルマづくり。。。クルマを走らせる本当の愉しさは、限界を越えたその先にあります。その限界を綱渡りしていく感覚は、何よりも刺激的で、何よりも魅惑に満ちています。自らの知性と精神力を総動員し、情熱的な冷静さで以て、クルマと己をコントロールしていく。そこにこそ、クルマを操る本当の愉しさがあるのです。ZD型BRZは、それを心底味わえるクルマです。ぜひ、自らのウデを磨き、その限界を操る感覚を愉しんで頂ければと思います。
もちろん、常に安全は第一です。自身の能力を過信すれば、それは甚大な事故に繋がり、罪のない人を傷つけることになります。もし、サーキットでの経験が無いのなら、まずはレンタルカートで基礎的な感覚を養うことをオススメします。タイヤの限界を越え、アンダーが出るとどうなるか、オーバーが出たらどうすれば良いのか。レンタルカートは、それを安全・安価に学ぶことが出来る唯一のツールです。
ゴルフやスキーがまず基本から始めるように、スポーツドライビングも同じように基礎から学ばねばなりません。それは、決して恥ずかしいことではありません。スポーツドライビングと普通の運転は、全く似て非なるものだからです。運転ではハンドルを切って曲がりますが、スポーツドライビングではハンドル操作はキッカケに過ぎません。運転ではアンダー・オーバーは厳禁ですが、スポーツドライビングではアンダー・オーバーを使って速く走らねばなりません。
でも、気に病むことはありません。レンタルカートはそれ自体が楽しいカルチャーです。仲間同士で行けば、本当に素晴らしい時間を過ごせることでしょう。そして、その経験はあなたのクルマの世界をもっともっと広くしてくれるはずです。
ZD型BRZは、本当に素晴らしいピュアスポーツに進化しました。その素晴らしく奥深い世界を、一人でも多くの人が体感していただけることを願ってやみません。