スバルショップ三河安城の最新情報。フレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーの実力とは。| 2015年9月22日更新
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新たなる試乗車が登場。「レヴォーグ 1.6GT-S EyeSight ProudEdition」
ProudEditionは2015年春、各モデルに一斉に追加設定された特別仕様車です。レヴォーグには、1.6GTと1.6GT-Sそれぞれに対し、ProudEditionが用意されました。
1.6GT-S EyeSight ProudEditionは、1.6GT-Sよりリーズナブルな価格を実現すべく装備を見直してあり、よりお求めやすい価格でビルシュタインの走りを愉しむことができます。
このProudEditionのポイントは、何よりもタイヤのインチダウンです。ノーマルのGT-Sが18インチを標準装着するのに対し、偏平率の高い17インチタイヤが標準装着となっています。そのためホイールはProudEditon専用デザインの17インチを装備しており、GT-Sではガンメタ塗装となっています。
さて、このインチダウン、走りにどのような影響を与えるのでしょう。
17インチへのインチダウンとその影響
インチダウンの影響について考える前に、タイヤの四大機能を整理しましょう。タイヤは、クルマの機能部品として以下の機能を果たしています。
1.クルマの荷重を支える。
2.ばねとして働く。
3.駆動・制動を伝える。
4.クルマを操縦させる。
インチダウンについては、これらそれぞれに対する影響を勘案しながら評価する必要があります。
まず、タイヤのインチダウンによる影響として考えられるのが、バネ特性の変化です。タイヤをバネと仮定すると、高偏平率化によってバネ定数は低くなり、バネの全長も長くなります。よって、乗り心地にはプラス方向であり、振動の角がとれて突き上げ感が減少します。ボディに対する衝撃が和らぐので、ボディの疲労耐久性にもプラスとなります。
また、タイヤの許容荷重は充填空気の絶対量に比例します。偏平率が高いタイヤは相対的に空気充填量が多くなりますから、耐荷重性能にはプラスになります。車重1.5tに達するレヴォーグでは、見逃せないポイントです。
一方で、ステアリングレスポンスにはマイナスとなります。転舵によって捩られたタイヤは、その捩れから復元する分、コーナリングフォースを生み出します。そのため、捩れのストロークが深ければ復元が遅れ、コーナリングフォースの立ち上がりも遅くなるのです。よって、S字コーナーなどの素早い切り返しでは、確実に応答性が低下します。逆に、応答性が低い分、路面からのキックバックは抑制されます。
穏やかなフィーリングとフラットライド感
インチダウンの影響は、走りだした瞬間に感じることができます。路面入力の角が取れてマイルドな乗り心地となり、挙動変化はその分穏やかになっています。これは、アウトバックのLimitedに感じられるフラットライド感に似ています。また、路面のアンジュレーションに対する感度は程よく低下していて、轍に取られる感覚やキックバックは確実に減少しており、直進安定性は明確に向上しているように感じます。
しかし、18インチ仕様において、ターンインでステアリングを切り込んでいく時に手のひらで感じていた、あのダイレクトなタイヤのフィーリングは、ProudEditionでは幾分失われています。これを穏やかと歓迎するか、鈍いと感じるかは、判断の分かれるところでしょう。
さて、買いは「GT-S」「GT-S ProudEdition」のどちら?
ProudEditionは、ベースとなったGT-Sとはハッキリと差を感じられるほど、マイルドな仕上がりとなっています。もちろん、ワインディングで鞭打たんばかりにハードなスポーツドライビングを愉しむ方にとっては、レスポンスに欠けるフィーリングは明らかに刺激不足に感じるでしょう。しかし、日常通勤に使用するような場合は、ProudEditionの穏やかなフィーリングはむしろ歓迎されるはずです。また、インチダウンに伴うタイヤ交換費用のコストダウンは、それこそ明確な差となるでしょう。
穏やかな1.6GT-S ProudEditionと、ビビットな1.6GT-S。その差は、絶対的な価値の差ではなく、選択するお客さまのフィールドによって、日常の使い方によって異なってくることでしょう。
ほんのタイヤだけの差かもしれません。しかし、思ったよりも大きな違いを体感して頂けるかと存じます。
スバルショップ三河安城では、1.6GT-Sを三河安城本店に、そしてこの1.6GT-S ProudEditionを和泉店に配備しております。ご興味のある方は、ぜひ乗り比べてみてください。スバルならではの、奥深い世界の入口がそこに待っています。
レヴォーグにタワーバーとスティフナーを装着してみる。
BP型「レガシィ」の後継車として開発された「レヴォーグ」。オプションが、これまでのスバル車に類を見ないほど充実しているのも、魅力のひとつです。中でも、STI製パーツはスバリスト定番の品々であり、走りをよりレベルアップさせることから、各モデルで好評を頂いております。
今回は和泉店の試乗車「レヴォーグ」に、STIこだわりの逸品である「フレキシブルタワーバー」と「フレキシブルドロースティフナー」を装着したので、そのインプレッションをお届けします。
一般的なストラットタワーバーと何が違うのか。
そもそもストラットタワーバーとは、どんなものなのでしょうか。
現在、スバルが生産する各モデルは、フロントサスペンションにストラット式を採用しています。ストラット式は「ロアアーム」と、スプリングとダンパーをセットにした「ストラット」で構成される、シンプルなサスペンション形式です。このストラットは、下側をロアアームに、上側をストラットアッパーマウントで支持されています。
コーナーへの進入時にステアリングを切り込むと、タイヤ接地面の「ねじれ」に対する復元力を元にコーナリングフォースが立ち上がります。コーナリングフォースによって、ボディに旋回力(ヨーモーメント)と荷重移動が生じ、ボディは外側に傾斜(ロール)します。コーナリングフォースは接地面に対する垂直荷重に比例しますから、コーナリングフォースはアウト側のタイヤにより集中して発生します。
ストラット式では、コーナリングフォースによる横力を受けるとロアアームだけでなく、ストラットにも曲げ応力が生じます。この曲げ応力のためにストラットアッパーマウントには大きな力が掛かり、多少なりとも変位を生じます。この変位が生じると、せっかく立ち上がったヨーモーメントが減衰して、ステアリングレスポンスが低下します。
一般的なストラットタワーバーでは、フロント左右のストラットアッパーマウントを剛結。これによって、ストラットアッパーマウントの横変位を極小化して、ステアリングレスポンスを向上させます。しかし、弊害もあります。左右を剛結することで縦変位も極小化されてしまうのですが、これによって乗り心地が悪化するのです。フロントのサスペンションが大きくストロークした状態で凹凸による入力があった場合、タワーバーによってボディのたわみが阻害されるので、衝撃が緩衝されないことで起こります。
STIがプロデュースする「フレキシブルタワーバー」の最大の特徴は、センターに設けられたボールジョイントです。このフレキシブルタワーバーは、リンクボールを介して自由に曲がるようになっています。この機構によって、横方向の応力は左右に伝達しますが、縦方向の応力は伝達しません。よって、ボディのしなやかさは失わずに、ステアリングレスポンスを向上させることができるのです。
走りだした瞬間に分かる、フレキシブルタワーバーの効果。
さて、装着した状態でさっそく走ってみましょう。
まず、はっきり感じられるのは、ターンイン時の初期応答です。ステアリングを切り込んでいった時の反応が、明確に改善されています。ブレーキングから、クリッピングポイントを目指してステアリングを切り込んでいくと、キレイにヨーが立ち上がります。
機敏になったとか、ピーキーになったというのではなく、ドライバーの意図した通りにターンインしてくれる感覚です。まるで、目の前の霧が晴れたように、はっきりとタイヤの目指す向きをステアリングから感じることができるのです。
そこで、気が付いたのです。タワーバーを装着してはじめて、これまでボディがヨレていたことに。改めて、ボディ剛性の重要性を考えさせられます。
劇的な効果のあるフレキシブルタワーバーですが、STIはフレキシブルタワーバーだけでは不十分だといいます。もうひとつ、「フレキシブルドロースティフナー」の同時装着が必要なのです。フレキシブルタワーバーによって、明らかにターンインは改善されました。しかし、後輪にスリップアングルが付いてヨーが立ち上がる頃に、若干腰砕けのような感覚が残ります。その感覚があるので、ドライバーは修正舵を当てると共に、スロットルを開けるのを挙動が落ち着くまで待たねばならないのです。
フレキシブルドロースティフナーは、そこを改善します。