スバルショップ三河安城の最新情報。コロナウイルス感染拡大の影響により、スバルが全生産工場の稼働を停止。| 2020年4月3日更新
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冬は終わり、いつか春は来る。しかし、こんな悲しい春は誰も望んでいない。。。
2019年秋、最初のニュースは「世界の何処かの風土病」に過ぎない、そんな楽観的(希望的)観測に包まれて届けられました。ただ、その発信源が中国だっただけに、何処か猜疑心が拭えなかったのは間違いありません。しかし、あの時点で世界がこれだけの惨状を呈するとは、誰も想像だにしなかったことでしょう。
今にして思えば、2019年末の極東アジアに於ける拡散状況は、充分「制御されている」レベルに留まっていました。しかし、新型コロナウイルスは当初の希望的観測をすべて裏切って、欧米を中心とした爆発的拡散が始まり、いま地球人類は4万人もの命を奪われる悲劇的事態に直面しています。
感染拡大に抗し、人命を救うには、現状では都市封鎖しか選択肢はありません。そのため、米国・欧州・アジアなど世界各地の大都市の多くが封鎖対象となっています。国境を超えた物流も当然止まったままです。世界経済は完全にフリーズし、その影響は容易く数値に表せないレベルにまで悪化しているのは間違いありません。
感染爆発と医療崩壊という壊滅的事態に対し、政府曰く「ギリギリ」の状況に踏みとどまっている我が日本。しかし、危機的状況は、今や目前に迫っていると言えるでしょう。政府により緊急事態宣言が出され、ほぼ全ての産業が強制的に停止させられる事態が近日中に来ないとも限りません。
コロナ禍がスバルを直撃。4月の殆どを生産停止に。
スバルは2020年4月1日、プレスリリースを発行しています。その内容は、以下の通り。
SUBARUは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による、サプライチェーンへの影響ならびに世界的な需要の減退を受けた生産調整のため、国内および海外生産拠点の操業を以下の通り一時停止します。
【日本国内】
群馬製作所本工場および矢島工場(完成車工場)、大泉工場(エンジン・トランスミッション工場)
停止期間:4月11日~5月1日
(4月11日、4月13日~18日、4月20日~24日、4月27日~5月1日)
※記載の無い日は、土曜日曜など元々休業日です
停止日数:17日間(稼働日ベース)
操業再開予定:5月11日(5月2日~10日は長期連休期間)
【海外】
米国SubaruofIndianaAutomotive,Inc.(米国・インディアナ州、完成車工場)
停止期間:3月23日~4月17日
(3月23日~27日、3月30日~4月3日、4月6日~9日、4月13日~17日)
※記載の無い日は、土曜日曜祝日など元々休業日です
停止日数:19日間(稼働日ベース)
操業再開予定:4月20日
新型コロナウイルスの感染爆発に際して、その影響は余りにも甚大です。
プレスリリースによれば、国内工場の再開はGW明け。とどのつまり、丸々1ヶ月間操業を停止するというのです。米国インディアナ州のSIAも25日間に渡って、工場の操業は完全に停止します。これだけ長期間の操業停止が早期に確定するのは、サプライチェーンの影響というより、需要減退が主因とみて間違いないでしょう。もしかすると、2019年度の生産計画が少し強気過ぎたのかも知れません。
何れにせよ、スバルが危機的状況にあるのは確かです。ただ、迅速な対応を講じたとも言えます。世界的な需要減退に対して、その判断が遅きに失すれば、状況は更に甚大になったのは間違いないからです。
弊社所在の西三河地域一帯でも、甚大な影響の片鱗が見えつつあります。操業を完全停止せずとも、ライン稼働率を低下させたり、夜勤・残業をゼロとしたりするなど、生産量は既に最低限に抑えてられているのです。生産現場に携わる社員の方々を中心に、手当の大半が失われるため、自動車販売の需要低下は不可避だと思われます。この甚大な影響は、自動車産業全体へと波及していくことになるでしょう。
もちろん、こうした危険水域にある企業は、何も自動車産業だけに限ったことではありません。今後、世界各地のあらゆる業種でより深刻な判断が下されて、人々を困惑させていくことになるでしょう。
底知れぬコロナウイルス感染拡大の影響。
新型コロナウイルスがもたらす災厄により、世界経済はリーマンショック克服以来長く続いてきた好景気から、一気に減退の流れに至り、厳しいマイナス成長が続く時代に突入することでしょう。同時に、この背後では感染原因を巡って米中が対立の溝を深めている他、ロシアとサウジアラビアによる原油価格戦争も続いており、これが更なる火薬庫となる可能性もあります。少なくとも、国際情勢は不安定さと不透明さを増していくことだけは確実です。
自動車産業は順調な収益確保と新興国市場の成長を背景に、CASE時代への移行を見据えて、様々な成長分野に積極投資が行ってきました。しかし、当面の闘いが企業存続を賭けたものとならざるを得ないのなら、将来技術に関する情勢は大きく変容することでしょう。イチかバチかの投資は沙汰止みとなり、より現実的な技術分野へと投資対象を絞り込んでいくはずです。
1973年の第1次オイルショックでは、整備新幹線や本四架橋のような国家プロジェクトでさえ延期を余儀なくされているのです。国が手動するITSや自動運転に関する計画が、見直しを余儀なくされる可能性はゼロではありません。自動車メーカー各社の商品計画、設備投資も、大きく見直されるかも知れません。
この10年間に、新興国市場の開拓は一通り一巡しましたから、今後は新興国市場の成熟を図りつつ、新技術の積極導入による需要喚起が課題となるでしょう。内燃機関等の旧来技術領域に関する投資は、回収の見込みが低いと目されれば、あっさりカットされるかも知れません。
しかし、冬にも必ず終わりはある。
しかし、ピンチはチャンスです。自動車産業は、災厄が去った後に必ずや再起を図るはずです。ただ、厳しい状況からの再出発であれば、消費者心理はガラリと変化しています。不景気の時代には、コスト意識はより強まります。意味のない過剰な装備は歓迎されず、質実剛健な「意味のある」装備が優先されるでしょう。
欲求よりも用途優先、贅沢感よりも買得感、値段は安値傾向。そして、代替えよりも車検。。。売りたいクルマよりも、売れるクルマが優先される厳しい時代が、再びやってくるのです。少なくとも、楽天的な需要予測に基づいた商品計画は、軒並み再検討を余儀なくされるでしょう。
ただ、この傾向が価格破壊とコモディティ化を招くことはあってはなりません。牛丼戦争のような事態に陥れば、自動車産業は縮退を余儀なくされ、雇用は大々的に余剰化することでしょう。日本経済は更なる後退曲面に直面します。
この流れを打破するには、厳しい消費者心理であっても「意味がある」と思わせるほどの新技術が不可欠です。トヨタのTHSは、リーマンショック下でも爆発的に需要を伸ばしました。ハイブリッド=高燃費は、時代が求めるものだったからです。2020年代、人々が求める自動車の価値。そして人々が定める自動車の価値。そこに見合った新技術。その方程式は、今の段階から早期に確立しておく必要があるでしょう。
目に見えぬウイルスという恐怖に苛まれながら暮らす日々は、今しばらく続くことでしょう。しかし、冬はいつか終わり、必ず春が来ます。コロナ禍という未曾有の災厄でさえも、人類が乗り越えるときが必ず来るはずです。今は、その時が来ることを信じて、静かに闘いを続けるしかありません。