スバルショップ三河安城の最新情報。「技術ミーティング」分析第三弾。〜CAFE規制に打ち克つスバルの闘い〜| 2020年2月28日更新

 
技術ミーティング
「技術ミーティング」分析第三弾。
 
2020年2月28日 スバル最大の課題、CAFE規制にクリア挑む。

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スバルが直面する最大の課題。それが、CAFE規制のクリア。それを阻む、水平対向エンジンという足枷。

2020年1月20日に、報道関係者を対象に「SUBARU 技術ミーティング」を開催しました。この中で、いくつかスバルは重要な情報を公開しています。これらの情報と過去に公開された情報を合わせ、スバルのロードマップを分析していきます。

スバルが取り組む技術開発領域は、主に3分野に大別されます。一つは、動的質感をキーワードにした走りの進化。2つ目は、2030年の死亡交通事故ゼロを公約とした安全技術。そして、最後が、脱炭素社会の実現への貢献を果たすための環境技術です。

スバルは、「人を中心に考える。使う人にとって何が大切かを考えつくす。そして、クルマに新しい価値を生み出す。これが『SUBARUらしさ』であると私たちは考えます。」としています。スバルは、これら重要開発領域を最優先にしつつ、自らの個性を磨きつつ、長年培ってきたクルマづくりを進化させ、新たな時代へ挑戦していくことになります。

今回は、第三弾として「環境技術」分野について、スバルの長期戦略を分析していきたいと思います。

スバルが直面する最大の課題は「CAFE」です。CAFEとは。2030年を目処に世界各国で施行される燃費規制です。販売したすべての車両の燃費平均値を算出し、これが基準に満たない場合にはペナルティが課されます。万が一、規制値をクリアできなかった場合、メーカーイメージに及ぼす影響は甚大なものになるでしょう。詳細は別項に記していますが、トヨタや日産等に比較して、規制値から相当にかけ離れた状況にあるのが、偽らざるスバルの現状です。

この規制値をスバル単独ではクリアできないのは明らかでした。それ故のトヨタの提携ですが、障壁となるのがスバルの技術的個性の核となる水平対向エンジンです。他のメーカーでは、提携先のエンジンをそのまま移植することは珍しくありません。しかし、スバルにはそれは不可能です。そもそも、スバル車のあらゆるコンポーネントが、水平対向エンジンを前提に設計されているため、他車製直列4気筒を流用するわけにはいかないのです。

 

注目のパワーユニットロードマップ。その最新版が公開。そこから見える、スバルのエンジン戦略の未来。

スバル技術ミーティング C02削減のための技術ロードマップ スバル技術ミーティング スバルのハイブリッドシステム
 

スバルが今回公表したロードマップには、2020年代に投入するパワーユニットに関する情報が記載されています。

まず、2022年までにはトヨタと共同開発中のBEVが市場投入されます。XVより少し大きめのこのモデルは、トヨタとの業務提携の象徴であると共に、スバル及びトヨタの将来を担う最重要車種となります。

CAFE規制クリアを目指して、ハイブリッドは3種が数年内に出揃う計画です。

XVとフォレスターに搭載中のe-BOXERは、リニアトロニックのケース内に小型モータを内蔵させたマイルドハイブリッドであり、こちらは2030年頃まで継続搭載される計画のようです。このe-BOXERはスペックから伺える印象とは違って、スバルとしては「大出血サービス」の価格設定らしく、長く販売していきたいとの考えなのかも知れません。この計画で見る限り、次期XVや次期フォレスターにも継続搭載されるのは間違いないようです。

続いて、ZEV規制対応のため、米国で市場投入されているPHVは、2035年以降も長く継続される計画です。このPHVユニットは、トヨタのTHSを水平対向エンジン向けに作り直したもの。ただ、唯一搭載しているCROSTREK HYBRIDは、規制対応のための急造の感が強いもので、ハイブリッドユニットはリヤフレーム上にユニットが載し掛かるようにマウントされており、荷室スペースは相当に窮屈になっています。恐らく、次期XVが登場するタイミングでシステムが更新され、リヤフレーム間にすっぽり収まるように刷新されるでしょう。

このPHVユニットを応用して開発されるのが、ストロングハイブリッドです。スバル初のストロングハイブリッドユニットであり、より高い燃費低減効果が期待されます。前述のように、ユニットが小型化されて、荷室スペースを害さないよう、設計変更がなされてから搭載されるものと思われます。この表から推察するに、デビューは2023年頃で、次期インプレッサもしくは次期XVへの搭載が想像されます。

そして、3つ目のハイブリッドが「xEV」です。2030年以降に登場するとされており、e-BOXERを代替しつつ、THSと併用されることを考慮すれば、よりシンプルかつ安価で、信頼性の高いマイルドハイブリッドシステムであることが想像されます。

スバルは、2030年までには全世界販売台数の40%以上を電動化し、2050年にはWell-to-WheelでCO2を90%以上削減するとしています。もちろん、30年後にこのロードマップを持ち出してスバルを批判するような人間はいないわけで、公約というより、目標と考えておいた方が自然でしょう。

 

新型レヴォーグに搭載。スバル渾身の力作。新世代1.8Lリーンターボエンジン。

スバル技術ミーティング スバルのエンジン スバル技術ミーティング スバルのエンジン 2
 

スバルは、2020年秋に「1.8Lリーンターボエンジン」を市場投入します。ベースとなるのは、レヴォーグ専用のFB16DIT。ブロック等は共用で、主にヘッド周りを刷新したものになると言われています。HCCIや可変圧縮比、ジェットインジェクションといった「飛び道具」は一切なく、燃焼改善やフリクションロス低減など、セオリー通りに基本を徹底的に煮詰めるつつ、熱効率40%達成を目指します。

最新の直噴リーンバーンエンジンは、高圧縮比+高過給圧+高充填効率+低冷却損失による熱効率を向上を狙っています。同じ燃料噴射量から、より大きなトルクを得る。そうすれば、その分排気量を減じることができる。これが、ダウンサイジングターボの原理です。ところが、排気量を絞りすぎると、今度は低負荷域=極低過給圧時のトルクが不足します。そこで考えられたのがライトサイジングターボです。

スバルの1.8Lリーンターボエンジンも、このコンセプトに沿ったもの。+200ccの排気量で低過給圧時のトルクを確保しつつ、更に薄い空燃比での運転と良好なドライバビリティの両立を志向します。加えて、フリクションロス等、様々な損失低減を図り、熱効率40%を目指します。

当初計画では1.8Lと1.5Lの2種が設定され、新開発の1.8LでFB16DIT及びFB25の2種を、1.5L版でFB20及びFB16を代替。これに、アセント/レガシィ系用FA24DITと、次期86/BRZ用のFA24を加えた、2種、4バージョンで2020年代後半の全ラインナップを賄うはずでした。しかし、この計画にどうやら変化が生じているようです。

まず、パワーユニットに関するロードマップには、1.5L版の記載が見当たりません。その一方、2023年頃に投入されるストロングハイブリッド(SHEV)専用エンジンの計画が追加されています。この資料を一見すると、1.5L版の計画が中止されたようにしか見えません。

2020年代を担うエンジンは現時点で判明している限り、レヴォーグ用1.8Lリーンターボ、SHEV用エンジン、e-BOXER用エンジン、アセント&レガシィ用2.4L直噴ターボ、次期BRZ用2.4LNAの5種類のみです。これではFB16及びFB20の代替エンジンがなく、全ラインナップを賄うことができません。特に、インプレッサ/XVのエントリーモデル用のFB16は、ポート噴射の旧態依然とした設計のままであり、これ以上の熱効率の向上は見込めません。燃費は相当にハンデとなるでしょうし、CAFE規制の足枷となるのは間違いないでしょう。

 

新たに情報公開されたストロングハイブリッド用水平対向エンジン。1.5Lターボはどうなった?

スバル技術ミーティング SUBARUの死亡交通事故分析 スバル技術ミーティング 衝突安全の継続的な強化
 

新たに公表されたSHEV専用エンジンは、ストロングハイブリッド専用であり、THS制御に最適な領域に的を絞って開発されるようです。恐らく、2.0L程度の排気量を持つアトキンソンサイクルのNAエンジンで、トルクバンドを絞って熱効率のピークを徹底的に改善したものとなるでしょう。これにより、CAFE規制クリアに貢献するだけの高燃費を確保するものと思われます。

SHEVでは、低回転域は強力なモータトルクで充分事足りるため、全域に渡るフラットなトルク特性は必須ではありません。ただ、バッテリ残量が不足した場合は、エンジントルクに依存して加速することも少なくありません。そのため、過剰な燃費志向(=最大効率重視)で仕立ててしまうと、低負荷・低回転域でトルクがスカスカとなり、不自然な加速感を指摘される事例が少なくありません。SHEV用とは言え、THSはパラレルハイブリッドですから、シリーズハイブリッドの日産・e-POWERとは異なり、エンジンは駆動系と常に連結されているのです。エンジンのトルク特性は、無視して良いものではありません。

小生自身がプリウスで感じた一番の「不自然さ」は、バッテリ残量に応じて激変する加速特性でした。バッテリ残量に応じて、エンジンとモータのトルク配分が変動するのが原因です。アクセルを踏んでみるまで、どう加速するか予測できないため、必要なスロットル開度が逆算できず、スピードコントロールがしにくい。こうしたドライバビリティは、スバルらしさとは真逆にあるものですし、ADASでも制御にしくいでしょうから、決して歓迎されないものです。

モータとエンジンは、真逆のトルク特性を持ちます。これを組み合わせて、スバルAWDらしい自然なフィーリングを実現するのは、そう容易いことではないでしょう。現行のTHSのように、スロットル開度に対し不用意にエンジン回転が変動してしまえば、前後のトルク配分を制御するのは全く困難になります。常に節度あるエンジン回転の推移と、バッテリ残量に左右されないエンジン・モータの出力配分。しかし、こういった制御は、燃費を少なからず害するはずです。

いくらCAFE規制が念頭にあっても、スバルに期待されるのは燃費マシンではなく、ハンドリングマシンです。数年内には登場するスバル初のストロングハイブリッド。その仕上がりには如何なるものになるのでしょう。それは、そのまま新たな時代のスバルの評価を決定付けるものとなります。

 

高い走破製を持ち、安価でタフで頑丈。電動化時代も堅持される、米国スバルのイメージ。

スバル技術ミーティング 独自技術を磨きながら環境へ対応 スバル技術ミーティング 独自技術を磨きながら環境へ対応 2
 

良好なハンドリングと高い高速安定性を軸に、どちらかと言えばヨーロピアンなイメージを持つ、日本のスバル。しかし、米国でのスバルのイメージは全く対照的なものです。

悪路でも高い走破性を持ち、安価でタフで頑丈。スバルの4WDは、70年代の米国中部農業地帯で確固たる信頼を築き上げました。スバルは今も当時のイメージを引き継いでおり、信頼あるアウトドアギアとして広く米国で親しまれています。米国のスバルユーザーのうち、実に70%以上が非舗装路走行の経験があり、自由にアウトドアライフを愉しんでいると言います。荒れ地、がれ場、渡河、、、スバルはそういう場所で鍛え上げられてきたのです。

そう、今のスバルはタフでワイルドな、実にアメリカンなブランドなのです。

スバルは、このイメージを引き継ぎつつ、未来へと歩みを進めていきます。つまり、CASE時代を迎えても、スバルはタフでワイルドな4WDメーカーであり続ける、ということです。これは、BEVにも共通して言えることです。

直近のBEVは、アーバンイメージを強く打ち出したモデルが大半で、オフロードでのタフネスユースを前面に出したBEVは殆ど存在しません。それは、床下に大量搭載したバッテリの安全性と無縁では無いでしょう。オフロード走行では、強かに床下を打ち付けることもありますし、渡河時には波飛沫は床上までに達します。あらゆる走行環境下でも、安心して愉しめるBEV。それがスバルの目指すBEVです。

 

スバルの「直結AWD」だけが持つ、電動化時代のメリットとは。

スバル技術ミーティング 独自技術を磨きながら環境へ対応 スバル技術ミーティング 独自技術を磨きながら環境へ対応 2
 

一般的な四輪駆動システムは、スリップを感知した際にのみ全輪に駆動が伝達される方式を採用しています。このタイプの場合、4WD駆動されるシチュエーションが限定されるため、コストミニマムで4WDを実現することができます。これに対し、スバルのAWDシステムは、常時四輪に駆動力が伝達される「直結AWD」方式を採用。それ故、スバルは本格派も顔負けの、高い走破性とタフな信頼性を実現できているのです。

この直結AWD方式は、電動化時代にもしっかりと引き継がれていくようです。スバルはそのメリットとして、高次元の走破性に加えて、回生効率向上を挙げています。

SHEV及びBEVでは、駆動用モータを利用して回生ブレーキを実現しています。回生ブレーキは、加速に際して投じたエネルギーを、減速時に電力として回収するシステムです。通常は、ブレーキで熱として大気中に廃棄されるエネルギーを、駆動用にバッテリに蓄えることで、エネルギー効率を大幅に高めることができます。

スバルは、直結AWDは全輪で回生ブレーキを掛けられるため、機械式ブレーキへの依存率を減じる事が可能であり、その分より多くのエネルギーを回生可能だとしています。中でも、凍結路面ではFF方式に比べて30%も高い回生効率を実現している、としています。

FF方式でもブレーキバランスを可能な限りフロントに振ることで、より多くのエネルギーを回収可能です。しかし、リヤがナーバスになるため、減速時の挙動が不安定になるのは避けられません。ですから、全制動をフロントに一任するのは不可能です。

よって、スバルの直結AWD方式のBEVは、より高い回生効率を実現すると共に、低μ路に於いてもより高い走行安定性を確保することができます。

このことは、電動化時代に於いても、スバルのアドバンテージが維持できることを示しています。スバルらしいBEV。その実現に、スバルは既に目処を付けつつあるのでしょう。その登場まで、1年少々。いよいよ、スバルの新時代が幕を開けます。

 

ブッ飛んだクルマは、もう見納め?CAFE規制をクリアしないことには、未来を描くことは叶わない。

多くのスバルファンが期待するのは、GRヤリスのような「ブッ飛んだ」モデルの登場でしょう。450ps級のWRX STIや、350ps級のレヴォーグ、300ps級のBRZ等々。しかし、スバルの現前にあるのは、CAFE規制という極めて厳しいハードル。ブッ飛んだモデルなぞ、自らの首を絞めるだけです。

スバルは、水平対向エンジンという技術個性を維持するために、多大な犠牲を払ってきました。そして、それはこれからも重たい足枷となって前進を阻むでしょう。

コンパクトカーでは3気筒が主流ですが、水平対向3気筒は実現不可能。そのため、スバルはインプレッサより小さなモデルは造れません。加えて、直近のセオリーであるロングストロークも、エンジン全幅に制限があるため実現不可能です。そのため、熱効率向上には常に制限が伴います。

しかし、スバルは水平対向エンジンを諦めることはできません。スバルのすべてが「水平対向エンジンありき」になっているからです。果たして、スバルは水平対向エンジンを枕に討ち死にしてしまうのか。電動化時代のAWDを造り上げ、新たな時代に爪痕を残すことができるのか。。。

スバルは、一世一代の勝負の時を迎えているのです。

 

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