スバルショップ三河安城の最新情報。インプレッサが、マイナーチェンジを異例の再敢行。E型へ劇的進化。| 2020年9月26日更新

 
新型インプレッサ マイナーチェンジ E型
インプレッサ、異例の再マイナーチェンジ。
 
2020年9月26日 インプレッサの最終兵器、STI Sportがついに登場!!
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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

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担当:余語

 

異例の再マイナーチェンジ。インプレッサが、E型へ劇的進化。

2019年秋のビッグマイナーチェンジから、たった1年。インプレッサが、再びマイナーチェンジを実施します。そう、定例通りの小改良に留まらず、グレード体系の一新を含むビッグマイナーチェンジを、更にもう一度実施するのです。誰しもが予想だにしない、異例の迅速改良。今回は、その内容と詳細に踏み込んでいきます。

モデルライフの折り返し地点を迎えた、2019年秋。インプレッサとXVは、アイサイトのアップデートをメインとした、マイナーチェンジを同時実施しています。登場から4年目を迎えるインプレッサはフロントエンドのデザインを刷新したものの、グレード体系は維持されました。その一方、デビュー3年目のXVはエクステリアはそのままながら、グレード体系が刷新され、2.0L系はすべてe-BOXER化されています。

そして、今回の2020年秋。XVは、グレード体系はそのまま。フロントエンドのデザインが刷新され、幾つか小改良を実施。それと同時に、インプレッサも、小改良・・・と思いきや、再びマイナーチェンジを実施!

マイナーチェンジから、たった1年でのマイナーチェンジ。そこには、スバルのインプレッサに対する並々ならぬ思いを伺う事ができるでしょう。果てさて、何がそこまで変わったのでしょうか?

 

刷新された、ハッチバック・2.0L系のグレード体系。

e-BOXER

今回のマイナーチェンジ、最大のポイントはグレード体系の刷新にあります。

これまでは、ハッチバックのSPORTとセダンのG4の二本立て。エンジンは、1.6L系と2.0L系の2種。各々、FFとAWDを選ぶことができました。加えて、ベーシックなi-Lと、スポーティかつ上級仕立てのi-Sの2系統が存在していました。よって、グレード構成は、2×2×2×2で16通りの組み合わせ。

これが、今回のマイナーチェンジで大きく変更されています。G4の全グレード、SPORTの1.6L系ではグレード体系が維持されたものの、SPORTの2.0L系は完全に刷新されています。

まず、最高峰グレードとして、2.0LNAエンジンを搭載のSTI Sport(FF/AWD)が追加。そして、2.0i-Sがe-BOXER化により、AWDのみとなってAdvanceに進化。2.0i-Lは、AWDがe-BOXER化により2.0e-Lに進化するも、FFのみは2.0i-Lのまま存置されています。

つまるところ、e-BOXERにはFF仕様は存在しないのです。現在、スバルのラインナップでFF仕様が存在するのは、インプレッサのみ。そのためだけに、e-BOXERのFF仕様を新規開発するという選択肢は現実的ではなかったのでしょう。スバルは今、電動化を急ぎ進めています。もし、FF仕様がそのネックとなるのであれば、早い段階で廃止される可能性もゼロではないでしょう。

 

SGP・インプレッサの最終兵器。STI Sportがついに登場する。

インプレッサ STI Sport
インプレッサ STI Sport インテリア インプレッサ STI Sport SHOWA製周波数応答型フロントダンパー
 

今回のマイナーチェンジで最も注目を集めるのが、新たに加わるSTI Sportです。

本革仕様インテリア、専用サスペンション、専用エクステリア。この3点セットが、これまでのSTI Sportのレシピ。ところが、インプレッサ・STI Sportでは、専用装備をサスペンションに絞り、その他をカラーのみの変更に留めたため、旧2.0i-Sに+20万円というオトクな価格設定を実現しています。

欲しいのは「走り」であって、装備じゃない。そんな人にビッと響く、シンプル装備。だからと言って、手を抜いている訳ではありません。

エクステリアは、フロントエンド、ドアミラー、ホイール、ルーフアンテナ、ルーフスポイラーも、ブラックアウト。これにより、グッと引き締まった印象与えます。インテリアでは、各部ステッチをレッドに。そして、シートセンターの表皮をレッドにすることで、STIらしい上質なスポーティな雰囲気を演出しています。

サスペンションはSTIの手により仕立て直され、「STIらしい走り」の実現を目指します。STIが志向するのは、オンザレール感覚のハンドリングと、ドライバーの意思に吸い付くようなリニアリティ。そして、上質な動的質感を実現する快適性と、安心感と安堵感を醸成する安定性。一見相反する特性を、高次元でバランスさせるのが、STIの目指すところです。

これを実現すべく、フロントダンパーは、周波数応答型のSHOWA製メカ式減衰力可変ダンパー[SFRD:Sensitive Frequency Response Damper]を採用。これにより、高周波数領域のNVHを低減しつつ、低周波数領域のロール・ピッチングを抑制。スムーズかつ滑らかな乗り心地と、コシの強いモーションを両立します。

リヤサスペンションも、フロントに合わせて仕立て直されており、SGPが実現する高いスタビリティがさらに進化していることが期待されます。

ただ、こればっかりは実際にステアリングを握って、その真価を確かめるべきもの。スペックとブランドだけでは、走りは良くはなりません。試乗車が到着し次第、改めて試乗レポートをお送りすることとします。

 

e-BOXER搭載に伴う、各種変更。足廻りはマイルドに仕立直し。

インプレッサ E型 走り インプレッサ E型 215/50R17
 

今回、2.0LのAWD仕様をe-BOXER化したのに伴い、幾つか仕様変更が行われています。

まず、車高が+35mm増加し、1480mmから1515mmに変更されています。また、e-BOXERユニットの搭載に伴って、車重は2.0i-L[AWD仕様]と2.0e-L比で、+150kgの増加。これに伴って、タイヤは205/50R17から、215/50R17に変更されています。これはAdvanceも同様で、2.0i-Sでは225/40R18であったものが、215/50R17へとインチダウンされています。また、ロックtoロックも13.0:1から、13.5:1に変更さています。

この変更の背景には、自重増加に伴う、タイヤ負荷の増大があるのでしょう。150kgもの増加は、車重の10%増に達するものであり、特に225/40R18では何らかの不足があったものと考えられます。

今回、自重10%増加に際しては、特段ボディの補強を行ってはいません。もし、このままであれば、シャシーへの負荷が相当増大するため、NVHや突き上げ感など動的質感の顕著な低下が懸念されます。これを回避するために、足廻りでこれを対応するとなれば、足廻りを「緩める」他ありません。

そこで、車高が上がった分だけサスペンションストロークを増やしつつ、タイヤ扁平率を上げることで、路面入力を和らげ、ネガの極小化を狙ったものと想像されます。これに合わせ、ステアリングギア比を下げて、よりマイルドな仕立てへと合わせているものと思われます。これは、先代インプレッサ・HYBRIDと同様の仕立てです。

結果的に、e-BOXER搭載車では、持ち前のクイックさはなりを潜め、よりマイルドかつ嫋やかなな仕立てとなっているはずです。左右のクイックな切り返しでは、スパッスパッ!という切れ味ではなく、スーッスーッと滑らかな感覚に変わっているでしょう。

もちろん、それは好みの問題です。グッと引き締まったダイレクト感よりも、家族に優しいマイルド感を好む方もたくさんいらっしゃるでしょう。ただ、キャラクターが変わったことだけは、間違いない事実です。

そういう観点から見れば、STI Sportの価値はグッと高まるはずです。また、たった1年のみの販売となった、D型2.0i-SのAWD仕様の貴重さも際立ってきます。

 

e-BOXERに新たに採用される変速制御、e-Active Shift Controlとは。

e-Active Shift Control
 

e-BOXER搭載車に限って、新たにアダプティブ変速制御「e-Active Shift Control」が導入されています。これは、「S」モード時でのスポーツ走行時の不用意な回転数低下を抑えつつ、より積極的な加速を実現するという、変速制御です。

ECUが、ドライバーの積極的なコーナリングと判断した場合、コーナー進入時にダウンシフトを行いつつ、回転数を高めに維持。旋回中はリニアトロニックのギア比を固定として、車速と回転数に一貫性を与えます。これより、レスポンスとダイレクト感が改善され、より緻密なラインコントロールが可能になります。そして、コーナー脱出時はモータアシストの積極援用することで、「S」モードより鋭い加速特性と鋭敏なレスポンスを確保して、痛快なコーナリングモーションを演出します。

また、下り坂ではエンジンブレーキを積極的に使用。ブレーキングをアシストすることで、その使用負荷を低減します。

e-BOXERは、リニアトロニックのネガである「レスポンスの谷間」を、モータアシストで補い、そのネガの解消を図ってきました。e-Active Shift Controlは、その方向性をさらに積極的に拡大適用し、スポーツ走行時のレスポンス改善に繋げてきたものです。

電動化を積極活用した車両制御は、まだ発展途上の領域です。今後は、アクティブトルクベクタリングと連動し、より積極的なコーナリング制御を実現するよう開発が進められていくことになるでしょう。

 

E型インプレッサのベストバイはどれだ!?

インプレッサ STI Sport シート インプレッサ STI Sport エクステリア
 

さて、E型インプレッサ・SPORTのベストバイは、どれでしょう。

小生のオススメは、イチもニもなくSTI Sportです。このSTI Sportこそ、SGPの魅力を最大限引き出してくれるはず。なぜなら、現行ラインナップでもっとも軽量で、もっともシンプルなパッケージングを持っているから。ハンドリングを味わうなら、兎に角シンプル・イズ・ザ・ベストなのです。

e-BOXER化されなかったエンジンも、逆に魅力です。レスポンスでは、自然吸気エンジンに勝るものはありません。右足の動きにもっとも忠実で、いつも予想通りのトルクで応えてくれる自然吸気エンジンは、スポーツドライビングには最適なのです。

もちろん、インプレッサにしては少し高額かも知れませんが、レヴォーグのSTI Sportがあれだけ高価なことを鑑みれば、充分お買い得と言えるでしょう。小生は、走りのプレジャーを含め、現行ラインナップでも最も魅力的な存在になると考えています。

ここで一点問題となるのが、FFにすべきか、AWDとすべきか、という問題。

FF仕様の魅力は、その軽さにあります。その車重は、たった1350kgに過ぎません。ハンドリングは相当に軽快で、加速も充分爽快でしょう。これが、AWD仕様では+50kg。約4%の増加です。ただ、AWD仕様は高速走行・低μ時の安定性に圧倒的に秀でています。

これらを考慮すれば、ワインディングを愉しみたい方はFF仕様を、グランドツーリングを愉しみたい方はAWD仕様を選ぶのが良いでしょう。何れにしても、STIが1年の時を経て温めてきた、渾身の一作です。必ずや、あなたを満足させてくれるでしょう。

 

2.0i-Lにすべきか、2.0e-Lにすべきか。。。

インプレッサ E型 エンジン インプレッサ E型 バッジ
 

もう一点、検証しなければならないのが、2.0i-Lにすべきか、2.0e-Lにすべきか。NA+FF仕様か、e-BOXER+AWD仕様にすべきか、という問題です。

ここでも重要になるのが、重量です。2.0e-Lでは、その重量は1520kgにも達します。2.0i-L比で、+200kg・15%増しです。一方、最大トルクを単純計算すると、2.0i-Lは196N-m。2.0e-Lは、253N-m。これを絶対性能を示すパワーウェイトレシオで計算すると、2.0i-Lでは6.7、2.0e-Lでは6.0。つまり、2.0e-Lはe-BOXERによる65N-mのエクストラトルクがありつつも、絶対性能では2.0i-Lに劣るのです。

もちろん、ハッチバックの魅力のすべてが、絶対性能やカタログスペックで決まる訳ではありません。ただ、如何せん+200kgという重量ハンデは余りに重過ぎます。SGPのキャパシティは充分と言えど、その魅力が半減してしまうのは否めません。そして、この重量ハンデは、実用燃費にも大きく影を落とすことになるはずです。

これらを勘案すれば、小生は間違いなく2.0i-Lの方をオススメします。1.5tを越えると、税制や車検料金区分も変わってくるのも、重要なポイントです。ライフサイクルコストの増加は、燃費で得られるはずのメリットよりも、さらに大きくなるのは間違いないでしょう。

小生は、ハイブリッドのすべてを否定するものではありません。ただ、シンプルなマイルドハイブリッドシステムは軽量さこそが信条。スズキ・スイフトでは+10kg(!!)、同じe-BOXERのフォレスターでも+110kgなのですから、このインプレッサの+150kgもの重量増には首を傾げざるを得ないのです。車両重量は、1.5tという税制上の優遇処置ではなく、技術的視点に基づいて設定されるべきです。スバル技術陣のもう一段の努力が望まれる処です。

 

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