スバルショップ三河安城の最新情報。スタートまであと1日、2024年ルマン24時間展望。| 2024年6月14日更新

 
ルマン24時間2024年
2024年ルマン24時間、大予想
 
2024年6月14日 24時間後に泣くのは、笑うのは誰だ?
ニュースピックアップ
スバルショップ三河安城本店 スバルショップ三河安城和泉店 スバルショップ三河安城アフターサービス
 

ニュース ピックアップ [  最新情報  ]

 
 

文責:スバルショップ三河安城 和泉店

お問い合わせ:0566-92-6115

担当:余語

 

スタートまであと1日、2024年ルマン24時間展望。

今年も、眠れない夜がやってきます。夏至に一番近い週末、フランス南部の地方都市サルト県ルマン市は、綺羅びやかに輝きを増します。2024年ルマン24時間レースは、今年で101年目、92回を数えるクラシックイベントは、日本時間6月15日午後11時に火蓋が切られます。

ルマンウィーク中の突然のBoP変更という暴挙によって、トヨタvsフェラーリの攻防に水を刺されたカタチとなった前回のルマン。結果は、フェラーリが1分差でトヨタを振り切って優勝。1973年の撤退以来、50年ぶりの復帰で見事な優勝を飾ったのでした。

さて、今年は如何なる展開となるのでしょう。何しろ、今年はトップカテゴリーが空前の活況。総勢22台ものビッグエントリーで、コース上を華やかに彩ってくれます。内訳は、トヨタ(2台)、プジョー(2台)、フェラーリ(2台)、ポルシェ(6台)、キャデラック(3台)、アルピーヌ(2台)、BMW(2台)、ランボルギーニ(2台)と、プライベータのイソッタ・フラスキーニ(1台)。今や伝説となった1998〜1999年を上回る、史上空前の豪華ワークス対決となります。

 

今年も話題沸騰のルマン。勝敗を分けるBoPテーブル。

2023年、BoPに最も苦しめられたのはトヨタでした。直前のBoP変更により、不当なハンデを背負わせられたのです。それでも、さすがはルマン王者。日を追うごとに、セッティングを詰めていくと、決勝序盤では1-2体制を構築するまでに復調。ただ、日曜朝に始まるトヨタvsフェラーリの一騎打ちでは、ペースに勝るフェラーリが圧倒的優位。そのまま、勝敗が決したのです。

2024年、一転してBoPに苦しめられているのは、フェラーリです。昨年以来、高いパフォーマンスを発揮するフェラーリ・499P。FIAは、ルマンにて急遽「2段階性能調整」を導入。これにより、499Pは250km/h以上で1.7%ものパワーダウンを余儀なくされます。ポルシェが調整なし、トヨタが+0.9%と聞けば、如何に厳しいBoPか分かるでしょう。そのためか、地元イモラでは予選1-2-3を独占したフェラーリが、予選では4、5、11位と大苦戦。さらに、FP3では、1、11、17位。FP4でも、2、14、19位と、ロングランでも優位は築けぬまま。それでも、F1レベルの技術を投入するフェラーリワークスだけに、決勝でも侮れない存在なのは間違いありません。

2023年、最も甘やかされていたのは、地元の雄プジョーでした。プジョーは今年、斬新な9X8のウイングレスコンセプトを破棄。新たに、「平凡」なリヤウイングを搭載してアップデートしています。ところが、今年はBoPの優遇処置はなし。それどころか、昨年は優遇されていた4輪駆動の作動下限速度は、トヨタ、フェラーリと同じ190km/hに設定。さらに、2段階調整で−0.7%を課される始末。プジョーが誰を怒らせたのかは知りませんが、特段速い訳でもない9X8に、なぜここまで厳しいBoPを課すのでしょうか。。。

BoPは、レースの勝敗を本当に左右してしまいます。ただ、フリープラクティス、予選を見る限り、その差は非常に僅差。FIAの調整は、今の所うまくいっているように思えます。ただ、決勝のロングランは全くの別物。ここで如何なる差がでるのか、趨勢はスタートから6時間ほど経過しないと見えてこないでしょう。

2024年BoPテーブル LINK>>

 

前評判では、ポルシェ優勢。落とし穴はあるのか?

2024年、前評判が最も高いのは、ポルシェ勢。復帰初年度の昨年は、ワークス・3台に加えてJOTA・1台がエントリー。ところが、期待の新車・963は、全車がトラブルを頻発させて後退。不甲斐ない結果に終わっています。

雪辱を誓う今年は、開幕戦で6号車が優勝した他、全戦で表彰台を獲得するなど、WECでは確かな強さを見せています。復帰2回目のルマンでは、ワークスがWECにフル参戦している2台(WEC:5号車、6号車)に加え、1台(IMSA:4号車)を追加エントリー。さらに、JOTAがエントリーする2台(38号車、12号車)、プロトンがエントリーする99号車で、総勢6台。この6台は、パフォーマンス差が極めて少なく、前戦スパでは99号車があわや優勝の好走を見せ、12号車が優勝するなど、プライベータも侮れない存在です。

ポルシェ勢は前評判通りに、ルマンウィークに入っても好調をキープ。上位8台が雌雄を決するハイパーポールでは、PPを6号車が獲得。フリープラクティスでは、30秒台を切るペースでコンスタントに走るなど、ロングランでも速さを見せています。

ライバルのフェラーリが最も警戒しているのが、ポルシェ・963のタイヤのウォームアップの早さ。昨年のルマンでは危険と判断され導入が見送られた、タイヤウォーマーの禁止処置。これが今年は施行されています。シミュレーションでは、アウトラップで1周10秒近いロスが生じるとされ、ウォームアップにソフトタイヤで1周、ミディアムでは2周を要すると予想されていることから、その差が無視し難いものになると警戒しているのです。そのうえ、ルマンは夜間走行がある上に、今年の週末は雨まじりの予想。もし、その能力がホンモノなら、ポルシェは相当に優位かも知れません。

これら事前情報と今年のWECの動向を見る限り、2024年のルマンの本命は間違いなくポルシェ・6号車でしょう。ただ、そんなポルシェに弱点があるとすれば、バッタバッタと跳ねまくる挙動と、V8ユニットが抱える振動の問題でしょう。6時間レースでは問題なくとも、その4倍走るルマンでは影響は深刻。特に、公道を使用するルマンでは、振動が思わぬ箇所に影響します。夜半を過ぎて、朝を迎えるまで。ここで何台が生き残っているのか。信頼性の問題が、ポルシェが頭痛の種になるのは間違いありません。

もう一点挙げられるのが、非4輪駆動であるLMDh規定のマシンであること。190km/h以上と制限付きながらも、4輪駆動のハイパーカー勢の雨中でのメリットは計り知れません。つまり、天候が悪化するほど、ポルシェはトヨタ、フェラーリに対して不利になると言えるのです。

 

経験と実績は圧倒的。ペースも安定するトヨタ勢。

フリープラクティスで、最も安定していたのはトヨタでした。2012年以来、早くも13回目となる今年のルマン。2018年以来5連勝した経験と実績を鑑みれば、やはり優勝最右力と断言して良いでしょう。予選でこそ、うまくクリアラップが取れず、番狂わせの要因となったトヨタ勢。それでも、ロングランでは印象的なペースで走行しており、決勝では間違いなく強さを発揮するはずです。

トヨタにとって、ストロングポイントであり、ウィークポイントでもあるのが、ドライバーです。トヨタのドライバー陣は、WEC全車中最も豪華。ほぼ全員が元F1ドライバーで、スピード、安定性ともにブッチギリのレベルを誇り、経験も豊富。さらに、個よりチームを優先する考えが全ドライバーに徹底されており、チームオーダーも常に完璧に遂行するのが特徴です。加えて、ドライバーのサポートも充実。アレクサンダー・ブルツ、中嶋一貴が常にチームに帯同。若手ドライバーを、チームメイトと共にサポートします。同僚はライバルではなく、仲間。当たり前のことを、当たり前にできる。それが、トヨタドライバー陣のストロングポイントです。

ところが、今回のルマンでは、この鉄壁のラインナップに綻びが生じています。7号車のマイク・コンウェイがトレーニング中にケガ。そのため、今回は欠場となり、代役として昨年までのレギュラードライバーである、ホセ・マリア・ロペスが復帰しています。幸い、ロペスはフリープラクティスで良好なペースを発揮したものの、半年のブランクが決勝でどう影響するかは未知数です。

この他にも、トヨタにはマイナス要因があります。ただ、それは論理的なものではなく、ジンクス的なもの。

1つ目は、ドライバーです。トヨタの新人ドライバーは、初ルマンで必ず「やらかす」のがお決まり。中嶋一貴も、小林可夢偉も、ロペスも、平川も、初のルマンで皆やらかしています。今年新たにラインナップに加わったのは、ニック・デ・フリース。でも、これはジンクス。彼がやらかしても、大目に見てあげましょう。

2つ目は、ルマンのジンクス。ルマンには、黄金期を終えたメーカーが一度負けると、撤退するまで二度と勝てない、というジンクスがあるのです。例えば、60年代に6連勝したフェラーリは、1965年にフォードに敗れて以来、二度と勝つことはできませんでした。2000年代に黄金期を築いたアウディも、2015年にポルシェに負けると一気に低迷。二度と勝つことはできないまま、2016年を以て撤退しています。同じパターンは、1930年代のアルファ・ロメオ、1950年代のジャガーがあります。唯一の例外は、最強の雄アウディ。2009年にプジョーに破れた後、5連勝を飾っています。さて、トヨタはアウディに続くことはできるでしょうか。

3つ目のジンクスは、もらい事故。トヨタはなぜか、もらい事故が兎に角多いのです。その事例は、枚挙に暇がないほど。不確定要素は、常にトヨタに不利に働くのです。今年は、はてさてどうなるでしょうか。ただ、こればかりはトヨタにはどうにもしようがありませんが。。。

 

ポテンシャルは最強。でも、足枷が重いフェラーリ勢。

今回のルマンで、ポテンシャルを図りきれないのが、フェラーリ勢です。不当とも言えるBoPを課され、すっかり羽をもがれたに見える、伝統のカヴァッリーノ・ランパンテ。それでも、現役のハイパーカーの中で最もポテンシャルが高いのが、フェラーリ・499P。その理由は明確です。フェラーリだけが、F1テクノロジーを応用してマシン開発を行っているからです。

現在、F1では厳しい予算制限を課しています。そこでフェラーリが考えたのが、余剰となった人員をリストラせず、「副業」でスポーツカーレーシングに復帰することでした。ですから、その実力はまさにF1譲り。AFコルセが走らせると言えど、エンジニアリングのレベルは他メーカーを圧倒するほど高いのです。

その実力を示すように、フェラーリは参戦初年度でいきなりルマンを制覇。シーズン中のアップデートが禁じられているにも関わらず、そのポテンシャルと安定性は日を追うごとに改善。499Pは今や、WECで最も安定し、最も速いマシンへと成長しています。参戦2年目となる499Pは、サテライトの1台を追加。3台体制となって、データ収集能力も向上。WEC第2戦イモラでは、決勝こそ雨中でのタイヤ選択ミスでトヨタに破れたものの、予選では1-2-3位を独占。その実力は、圧倒的です。ポテンシャルから考えれば、ルマン2連勝も決して夢ではありません。

今年、最速の499Pに新たに加わったのが、恐ろしいタイヤライフです。昨年は、トヨタ・GR010よりもタイヤに厳しかった499P。ところが、イモラでは100周をタイヤ無交換で走るなど、空恐ろしい実力を見せ付けています。前述の通り、タイヤウォーマーが使えない今年のルマンでは、タイヤ交換はリスクの塊。もし、ルマンでも同様のタイヤライフを発揮出来るのなら、フェラーリは圧倒的に優位だと言えます。

しかし、そのフェラーリの足を引っ張るのが、厳しいBoP。フェラーリ勢は昨年後半戦以降、厳しい性能調整を課されていたものの、第2戦の予選で更にポテンシャルを発揮してしまったがために、足枷は緩められることなくルマンへ突入しています。特に厳しいのが、前述の2段階性能調整。ストレートスピードを削られれば、コーナーで稼ぐしかありません。しかし、コース幅の狭いルマンでは予選一発は可能でも、決勝では無数の周回遅れに阻まれるため、コーナーで稼ぐのは無理筋。そう考えると、フェラーリには存外に厳しいルマンとなるかも知れません。

また、変わりやすい天候もフェラーリにはデメリットとなります。タイヤをコロコロ交換するとなると、そのロングライフのメリットを活かせないからです。また、タイヤの保ちが良いということは、タイヤの温まりが悪いという事でもあり、タイヤ交換の度にルシェにビハインドが生じることとなります。フェラーリは、イモラで天候の急変で勝利を失っています。恐らく、フェラーリのピットではテルテル坊主が、青空を待ち望んでいることでしょう。

ただ、フェラーリには強い味方がいます。それが、F1チームです。何しろ、今週はF1は休み。チーム代表のフレデリック・バスールもルマンを訪れています。となれば、天候のスペシャリストも来ているはず。最大の弱点は、既に克服されたと言っても良いのかも知れません。

 

上位3メーカーに食い込む、大穴候補は?

基本的に、2024年のルマンはこの上位3メーカー・10台を主体に進んでいくことでしょう。他に、優勝候補はいないのでしょうか。

この10台に絡むとすれば、キャデラックのワークス2台でしょう。予選では、2台ともがハイパーポールに進出し、そのハイパーポールでも2、3位を獲得。これまでにないスピードを発揮しています。キャデラックは、昨年のルマンでも3、4位を獲得しており、上位フィニッシュの可能性は非常に高いと言えます。キャデラック勢のストロングポイントは、信頼性の高さ。大排気量NAエンジンは使用回転域が低いため、あらゆる面で信頼性にプラス。また、トルクバンドが広く扱いやすいため、ドライバーのミスも減らすことが可能なのです。

このキャデラック勢にウィークポイントがあるとすれば、ドライバーでしょう。とにかく、大クラッシュが多いのです。昨年、今年とスパではマシンを全損。昨年のルマンでは、開始1時間で1台がクラッシュ。昨年の最終戦では、タイトルを争うトヨタにスタートで突っ込み、大顰蹙を買うなど、ドライバーに不安要素が多いのです。今年のルマンでは、ダンロップシケインに22台ものハイパーカーが雪崩込みます。ここを無事切り抜けられるか。キャデラックの分水嶺は、レース序盤にあると言えます。

この他にも、大穴候補がいます。それが、BMW・15号車です。15号車は、予選で暫定ポールを獲得するなど、15号車は悪くないスピードを発揮。第2戦イモラでも上位を走行し、参戦初年度ながら良好なポテンシャルを発揮しています。このBMWの最大のストロングポイントは、LMP2で最強を誇ったチームWRTがレース活動を担うこと。つまり、BMWは参戦初年度ながら、既にルマンの豊富なデータと経験を有しているのです。1周が13.6kmに達するルマンでは、何よりも経験が重要です。そのため、BMWが日曜午後に上位を走行していても、決して驚きではありません。

ただ、BMWにウィークポイントがあるとすれば、マシンのポテンシャルです。このBMW・MハイブリッドV8は、米国生まれの米国育ち。その点、F1譲りのフェラーリ・499Pとポテンシャルに差があるのは否めません。実際、昨年来参戦するIMSAでも、ポルシェやキャデラック、アキュラに一歩劣っているのが現状。上位を走行することはあっても、優勝争いをするのは厳しいかも知れません。

ただ、2017年のような限界ギリギリのハイペースとなった場合、ウサギさん走法の10台が自滅し、亀さん走法の15号車が突如トップに躍り出る、なんて事がないとも言えません。

 

今年のルマンは悪天候予想。。。笑うのは誰か?

残念ながら、ここまで名前の出なかったメーカーには、優勝の可能性は殆どないでしょう。参戦初年度のランボルギーニ、アルピーヌ、リヤウイング付きのプジョーには、優勝を争うだけのポテンシャルはありません。恐らく、レース中盤にはトラブルを頻発させ、夜半には大半が店じまいをしているはずです。ルマンでは、奇跡的な不運はあっても、奇跡的な幸運は決してないのです。少しでも不安要素があれば、それは必ず破滅的結果をもたらします。徹底的に準備を重ねても、ほんの僅かの可能性でさえ、破滅的結末へと至らしめます。

2015年、2016年のトヨタなどは、象徴的でしょう。壊れたことのない、壊れるはずのない、決して壊れないはずのパーツが、見事に壊れてしまう。それが、ルマンの恐ろしさです。1991年のルマン、1号車メルセデスがリタイヤした原因は、市販車にも使用するウォーターポンプのブラケット。市販車で50万キロ走っても折れないブラケットが、いとも容易く折れてしまったのです。なぜ折れたのか?結局、理由は分からず終い。でも、結果として折れた。。。ルマン、恐ろしや。それでも、、、だからこそ、、、ルマンは孤高の存在として、世界の頂点に君臨しているのです。

何しろ、今年は悪天候予想。はてさて、雨が降るのはレース序盤か、それともレース終盤か。はたまた、ずっと降っているのか。今年のルマンを占うには、まず天気予報をする必要があるでしょう。泣いても笑っても、日曜夜23時には勝者が決まっています。新しくなった表彰台の中央で、喜びを爆発させているのは誰でしょうか。皆さんも、是非熱い戦いをご覧になってください。

 

文責:スバルショップ三河安城和泉店 営業:余語

 

スバルショップ三河安城 〜愛知県のスバル車の新車・中古車の販売、各種点検整備、鈑金塗装は当店へおまかせ下さい〜

スバルショップ三河安城本店

>>アクセス・店舗案内
安城市、刈谷市東部、知立市

スバルショップ三河安城和泉店

>>アクセス・店舗案内
安城市、碧南市、高浜市、西尾市北部

 

ニュースリスト

 
 
世界初の超音速飛行、チャック・イェーガーの挑戦。

2024年08月09日 クラブ・スバリズム

世界初の超音速飛行、チャック・イェーガーの挑戦。

 
 
BRZがさらに進化!一部改良を実施。

2024年08月04日 スバル

BRZがさらに進化!一部改良を実施。

 
 
 
 
オートサロンとCES、進む二極化。

2024年02月04日 スバル

オートサロンとCES、進む二極化。

 
 
 
JAPAN MOBILITY SHOW 2023 出展概要

2023年10月12日 スバル

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 出展概要

 
 
夏季休業のごあんない

2023年08月12日 スバル

夏季休業のごあんない

 
 
 
 
自動車は、どう進化すべきか。

2023年05月09日 スバル

自動車は、どう進化すべきか。