新型フォレスター、速攻試乗記第二弾。遂に、公道デビュー。 [2018年08月01日更新]
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新型フォレスター、速攻試乗記第二弾。遂に、公道デビュー。
遂に、新型フォレスターが当社にやってきました。三河安城本店配備の試乗車です。グレードは、X-BREAK。パールホワイトのボディに、オレンジのアクセントが映える。鮮やかでアクティブな1台。エンジンは、2.5LNA。タイヤは、17インチの仕様です。インテリアは撥水加工が施され、冬に・夏に大活躍の頼もしいヤツです。
早速、新型フォレスターを連れ出してドライブに出掛けましたので、公道インプレッションをお届けしましょう。
スバルの魅力が分かるのは、走り出してから。
オレンジのアクセントが映える、新型フォレスターのX-BREAK。ですが、見た目のインパクトに強さはありません。フロント→サイドは旧型との変化が分かりにくい印象。グルっと一周回っても、惚れ々々する、そんな感じはありません。
でも、スバルの魅力が分かるのは、走り出してから。
スバルのクルマは走れば走るほど、まるで自らの手足の如く、人馬一体に馴染んでいきます。スイッチひとつから、エンジン、サスペンションまで。すべてが使いやすく、ドライバーの意志に忠実に反応するのです。それこそが、スバルの真骨頂。
最新モデルの新型フォレスターでも、それは変わりません。500cc排気量アップしたエンジンは、トルク感に溢れており、低速域から高速域まで1.5t超のボディをグッ―っと力強く押し出していきます。乗り心地は、極めて良好。ガッツリ路面をタイヤ捉えつつ、ショックを軽やかにいなしていきます。ステアリングワークは極めてスムーズ、かつクイック。ライントレースは、完全に自由自在。
思ったように走り、思ったように止まる。安心と信頼と、そして自信を持って走れるSUV。それが、新型フォレスターです。
アクセントカラーのオレンジが、かなり鮮やかなインテリア。
X-BREAKは、オリジナルの内外装が特徴。オレンジのアクセントラインが、前後バンパーとサイドガーニッシュ、ルーフレールに入っており、アウトドアギアのようなアクティブ感を演出。
インテリアに目を移すと、これまた一際鮮やか。ステッチのみならず、エアコン吹出口、X-MODEの操作パネルがオレンジに。また、ドアトリムもオリジナルデザイン。今までのスバルにはない、華やかで賑やかなデザインが好印象です。
操作系やスイッチは全て、分かりやすく・使いやすいデザイン。使用頻度の高いスイッチ類は、ステアリング廻りに集中。エアコン等のスイッチも、大きく操作しやすくなっています。スイッチを探している間に「ヒヤッ」なんて事になりません。
スバルのこだわりは「運転のしやすさ」にあり。
第一は「広い視界」です。運転席に座り、グルリと見廻すと、明るい室内が印象的です。視界を最大限確保するため、ガラスエリアが非常に広くデザインされているのです。デザイン優先が行き過ぎて、「監獄状態」のクルマも多い中、この広々視界は貴重です。
特に良いのが、斜め前方の視界。ドアミラーをドアパネル装着とし、Aピラーとの間に斜め前方の視界を確保。死角が劇的に少ないのです。これなら、見通しの悪い交差点でも安心。こうした気遣いが、スバルのこだわりです。
かつては、メルセデスやボルボなどにも、視界設計に伴うデザインの制約が存在しました。2000年代に入り、新興国市場が急成長するとデザインは市場競争力の重要要素となり、彼らは自らルールを破棄してしまいました。でも、スバルは違います。エクステリア・インテリア共に視界と使いやすさの観点から、厳しい制約を設け、今もそれを忠実に守り続けているのです。
巨大で使いやすい荷室。テールゲートは、ばっこり開く。
荷室の巨大さは、伝えずにはいられません。一気に拡大されたリヤゲートは、車幅ほぼ一杯まで開きます。荷室床面は、リヤバンパー上面高さと揃えられていて、荷物はそのまま引きずり出すことができます。
SUVと言えども、近年ではデザインは重要な要素。それ故、ユーティリティが犠牲になっている車種も結構存在します。ハッチゲートが前傾して荷室が犠牲になっていたり、デザイン優先でリヤが絞られてハッチゲートが小さかったり。バンパーレベルが高すぎて、荷物の上げ下げに苦労したり。。。
使い勝手が悪いクルマは、アレやコレやと、チョットずつ不満が鬱積していきます。だって、クルマは使うものですから。
その点、新型フォレスターの荷室の使い勝手は素晴らしい。ホイールハウスも小さく、巨大で平坦な床面が広がっています。もちろん、リヤシートを倒せば更に荷室は広がります。キャンプ等で寝るには、十分なスペースです。こんな時、リヤシート専用のエアコン吹出口は嬉しい装備です。
NAエンジンならではの、伸びやかで気持ちいい加速。
メータの針がスルッと駆け上がると、エンジンは軽やかに目を覚まします。電動サイドブレーキを解除。セレクトレバーを引くと、新型フォレスターはソロソロと動き出します。
一番に感じるのは、伸びやかさ。ガソリンエンジンならではの自然なトルク感です。ディーゼルやモータのような、頭打ちのトルク感とはまったく別格。スーッと気持ちよく駆け上がる感じが、たまりません。
フルモデルチェンジに合わせ、シリンダーヘッドを直噴化。レスポンスを向上させると共に、熱効率も大幅改善。溢れんばかりのトルクと、旧型同等の実用燃費を両立しています。
2.0LNAが少々役不足だった旧型に比べると、低速域からの加速が段違い!エンジン回転に遅れて加速が立ち上がるルーズ感が、新型では完全に一掃されました。低回転域から、1.5tのボディをグッ―っと力強く加速させます。
進化を遂げたリニアトロニックが生み出す、滑らかで力強い加速。
今回のフルモデルチェンジに合わせ、リニアトロニックも大改良。レシオカバレッジが広がり、ロックアップの範囲も拡大され、ダイレクト感が桁違いに進化しました。
アクセルの踏みこみに、即座に反応。エンジントルクがグッと立ち上がると、間髪入れずスーッと加速を開始します。ズルズル―ッともたつくことなく、どの速度域からでもグッと力強い加速。「演出された加速感」などという子供騙しではなく、右足の動きにリニアにキレイに反応していきます。
それ故、凄く運転がしやすい。思った時に思ったように滑らかに加速するので、アクセルを踏む時に躊躇せずに踏み込んでいけるのです。信号からのゼロ発進、先行車がコンビニに消えたあとの再加速、すべてが思うがまま。やはり、この感触はターボには出せません。
ブレーキを掛けてみます。クッと踏むと、スッと減速Gが立ち上がって、凄くスムーズな印象。近年、スバルはペダルストロークを小さくして、微妙なタッチで制動力を制御できるような仕立てに変えてきています。
慣れるまではカックンブレーキになりがちですが、慣れてくると踏み込みが小さく済むのでラク。ガッツリ制動したいときも、奥までペダルがズブーッと行かないので咄嗟のブレーキには効果的です。