スバルショップ三河安城の最新情報。クラブ・スバリズム特別編「トヨタ・ルマン挑戦の歴史」| 2018年7月7日更新

 

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2020年12月24日 和泉店

和泉店冬季休業のお知らせ。

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2020年08月10日 スバル

和泉店夏季休業のお知らせ。

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

お問い合わせ:0566-92-6115

担当:余語

 

2013年:最強アウディに迫る、トヨタ。しかし、縮まらぬギャップ。

2013年、TS030はフロントMGU用のスペースを設計し直した新モノコックを採用するなど、アップデートを実施。2台体制で、WECとルマンに挑みます。500psを発生する3.4LV8と、300psを発揮するリヤモータ。合計出力は、800psに達していました。

WECの開幕戦では何とか3位を得るも、3台を投入した第2戦はアウディが1-2-3。そして、第3戦のルマン。予選では、アウディの3台にたっぷり4秒差を付けられ、トヨタ勢は4、5位からのスタート。序盤こそ、8号車トヨタが追うも、中盤以降はアウディが盤石の体制。ところが、2台のアウディが、メカニカルトラブルでリタイヤし、2位に浮上した8号車トヨタは、何とか追いすがり1周差で2位を獲得します。

アウディとの差を確実に縮めていく、トヨタ。しかし、それは「何かあれば、勝てる」体制でしかありませんでした。ルマンでは「何があっても、勝てる」の体制構築が必要なのです。そこには、まだまだギャップがありました。

 

2014年:ポルシェが復帰。三つ巴の戦いを完全制圧したトヨタが、ルマンに挑む。

2014年、車両規定の変更によって、新たに2つ目の回生ユニットが解禁されます。これを受け、トヨタは新兵器TS040を開発。フロントにもMGUを追加し、本格的な全輪駆動ハイブリッドマシンとしました。エンジンは、300cc拡大した3.7Lとし、520psを発生。前後MGUによる480psを合わせ、最大1000psを発揮します。

そして、この年新たなる挑戦者が現れます。ルマンの主たる、ポルシェです。ポルシェは500psを発生する、たった2LのV型4気筒ターボを開発。これに、フロントにマウントしたMGUと熱回生ユニット(MGU-H)を組み合わせ、総出力900psを発揮する先進的なハイブリッドシステムを構築します。

アウディもR18 e-tron Quattroを更に進化させ、それまでの3.7Lから400cc拡大した、4.0LV6ディーゼルターボを新開発し投入。以降、アウディ、トヨタ、ポルシェの三つ巴の激しい戦いが繰り広げられていきます。

TS040は、熟成不足のアウディ、ポルシェのハイブリッドシステムを尻目に、圧倒的なパフォーマンスを発揮します。開幕戦シルバーストーンでは、1-2フィニッシュ。第2戦のスパでも、1−3フィニッシュ。2連勝という万全の状態で、ルマンに挑むことになります。

 

2014年:初めて世界選手権を制したトヨタ。しかし、なぜかルマンで勝てないトヨタ。

トヨタが遂に制覇なるか、胸に期待が高まる2014年のルマン。予選でも、TS040は圧倒的なスピードを発揮、PPを獲得します。それでもポルシェはスピードでは完全な互角。これまでの2戦とは異なり、ポルシェ此処にありという強さを見せつけます。一方のアウディはスピードに劣り、予選でもトヨタ・ポルシェに次ぐ5〜7位。しかし、万全の準備で、決勝に照準を合わせていました。

迎えた決勝、7号車トヨタは快調にトップをキープ。8号車トヨタも、これに続く1−2体制。しかし、8号車がスピンを喫すると、早くも2号車アウディが2位に浮上。参戦初年度のポルシェは、14号車がトラブルに見舞われて後退していきます。

波乱は、突然の豪雨の中で起きます。8号車トヨタが、ユノディエールをオーバースピードで走行。完全にコントロールを失って、スロー走行中の3号車アウディに激しくクラッシュ。このクラッシュで、3号車はリタイヤ。8号車は、修理に50分を費やすことになります。

残るは、7号車1台のみ。アウディは、幾度もトラブルに見舞われつつも、驚速の作業でピットアウト。その差を維持していきます。そして、スタートから15時間。7号車は、突如電気系のトラブルでストップ。ドライバーの中嶋一貴はありとあらゆる修復を試みるも、遂にTS040が息を吹き返すことはありませんでした。

レースは、アウディが1-2フィニッシュ。優勝した2号車は、レース中にターボをたった20分で交換。1号車も、フューエルインジェクションとターボを交換しています。何があってもピットに帰還を果たし、超絶のスピードで修理を完了。恐ろしい強さを見せつけます。

アウディとチーム・ヨーストは、何があってもピットまで戻ることができ、リモートでトラブルの箇所を特定可能で、かつ短時間で修復ができるように、当初から非常事態を想定してマシンを設計していたのです。

原因を特定できぬままコース上でレースを終えた、トヨタ7号車と比較すると、アウディとの差が歴然とします。それこそが、ルマンで求められる「強さ」なのです。しかし、その大切さに気がつくまで、トヨタにはまだ4年もの歳月が必要でした。

この年、WECではトヨタは他を圧倒。8戦すべてで表彰台を獲得し、8戦中5勝をマーク。素晴らしい強さで、トヨタは初めて世界耐久選手権のドライバー・マニュファクチャラータイトルを獲得します。

 

2015年:莫大な予算を投入するポルシェとアウディ。屈辱の戦いとなった1年。

ポルシェとアウディは、年間500億円以上の予算を注ぎ込んで、技術開発を急進。特に、ポルシェは只ならぬ決意で2015年シーズンに挑んでいました。

一方のトヨタは、2015年の目標を完全に見誤ってしまいます。ライバルを過小評価していた、と言ってもいいでしょう。2015年型TS040は、完全なるキープコンセプト。エアロダイナミクスに改良を施し、ハイブリッドユニットも改善を図ったのみ。既に旧式と言えた、ポート噴射のV8NAユニットはそのまま維持されました。

開幕戦から、トヨタの劣勢は火を見るより明らかでした。予選は4、6位からのスタート。決勝ではあっという間に引き離され、アウディとポルシェにあっという間に周回遅れに。。。ルマンの前哨戦となる第2戦スパには、ポルシェとアウディは3台目のマシンを投入。予選では、たっぷり2.7秒差もの付けられて、6、7位からスタート。決勝では3周も遅れて、5位に入るのが精一杯でした。

ルマンでは、更なる劣勢。予選では、なんと6秒もの差を付けられます。決勝でも当然奮わず、6、8位。優勝は、19号車のポルシェ。1-2フィニッシュで、1998年以来の優勝を飾ります。遂に、最強王者ポルシェが真の力を発揮し始めたのです。

トヨタは、TS040の開発を放棄。来る2015年シーズンへ向け、ニューマシンTS050の核たる新型エンジンの開発に全力を投じることになります。

 

2015年:日産の黒歴史、ここに極まれり。日産とGT-Rの名を汚した、米国産の奇っ怪マシン。

2015年のルマンと言えば、日産「GT-R LM NISMO」に触れないわけにはいかないでしょう。高らかに2016年の優勝宣言を謳いながら、滑稽なレースぶりで2015年で撤退。日産ファンの酷い怒りを買った曰く付きの車両です。

このマシンは、ベン・ボウルビーがデザインしたデルタ・ウイングが元。2012年に特別枠「ガレージ56」で出場したこのマシンは、フロントトレッドを極端に縮めた「ほぼ3輪車」でした。ボウルビーは、日産米国法人の支援を獲得。エンジン供給とともに、プロジェクトへの支援も取り付けます。この年はリタイヤするも、2014年へ向けて日産のプロジェクトとして「ZEOD RC」というPHVマシンへ進化します。このプロジェクトは完全に準備不足で、たった24分でリタイヤ。しかも、2013年秋にはボウルビーと日産が、デルタ・ウイングから知的財産権の侵害で訴えられるというお粗末ぶりでした。

ボウルビーの仕事ぶりは酷いものでしたが、日産は彼を信頼していたようです。2015年2月1日、スーパーボウルのTVCFで、日産は斬新なニューマシン「GT-R LM NISMO」でのルマン挑戦を高らかに宣言します。

GT-R LMは世界を驚かせます。モノコック前方に配置されたエンジンが、フロントタイヤを駆動するFF方式を採用。また、リヤには細い特殊なタイヤを採用し、MGUを配したハイブリッド4WDマシンでした。ボディサイドは巨大なエアトンネルになっており、リヤのディフューザをアシストして強大なダウンフォースを発生する計画でした。

マシンの出来は、酷いものでした。ワークスチームがLMP1にエントリーする場合、ハイブリッドが義務付けられています。ところが、GT-R LMのハイブリッドシステムは稼動していませんでした。理由は「間に合わなかった」から。唯一よく出来ていたのは、エンジン。こちらは、日本のニスモ製の3.0LV6NAでした。それでも、フロントカウル内は配線やパイピングでグチャグチャ。ワークスマシンらしからぬ完成度なのは、火を見るより明らかでした。

当初、WEC開幕戦から出場予定でしたが、シルバーストーンにその姿はなく、次のスパにも現れません。結局、ぶっつけ本番でルマンに挑戦することになります。

ルマンに3台を持ち込んだ日産ですが、その遅さが大問題となります。コーナーではGTマシンが追突するほど、遅いのです。当然、3台とも予選通過基準タイムをクリアできません。何とか、決勝出走に漕ぎ着けますが、レース中もドタバタ続き。まともに走った時間の方が少ない、という惨状。結果は、1台がチェッカーまで走ったものの義務周回数不足。日産は、ボウルビーのチームを全員解雇。GT-R LMは、日産ルマン挑戦の黒歴史に1ページを加えることになったのです。

 

2016年:巻き返しを図る、トヨタ。1年前倒しで、先進的な直噴ターボエンジンを開発。

来る2016年シーズンへ向けて、トヨタは時代遅れのV8NAエンジンを捨て、先進的な2.4LV6ターボエンジンを新たに開発します。当初、2017年シーズンへの投入を前提にしていましたが、東富士は開発を一気に加速。F1エンジンと同等の、先進的な超高圧縮比の直噴ターボエンジンを投入します。

通常のポート噴射式のエンジンではノッキングを起こすため、圧縮比に限界があります。そのため、古いターボエンジンでは圧縮比を下げて仕立てられていました。これが直噴エンジンだとノッキングの恐れが無いため、圧縮比に上限がありません。

最新のレーシングエンジンでは燃料流量が制限されており、そのキモは熱効率の向上です。少ない燃料から、どれだけ多くのパワーを引き出せるか。そのため、最新のレーシングエンジンでは、圧縮比が16:1を超えています。市販車が12:1程度ですから、とてつもない数値です。また、最新インジェクターの噴射制御能力を活用して、吸入行程できめ細やかな燃料噴射を行い、帰化潜熱で逐次シリンダー内を冷却して充填効率を高め、より多くのエアを送り込んでいます。

また、タービュランスジェットインジェクション(TJI)という技術が使われているという、噂があります。通常の直噴エンジンでは、シリンダー内に燃料を噴射し、火花点火によって燃焼させます。一方、TJIでは副燃焼室内に点火プラグとインジェクターを収納。ここで着火して、シリンダー内に火炎放射を行う、というものです。燃焼行程が通常の直噴エンジンでは等積膨張になるのに対し、ディーゼルサイクル同様の等圧膨張に近づくため、熱効率が向上します。

この超高効率燃焼技術に加えて、ターボで効果的な熱回収と、MGUで運動エネルギーを回収を実施。結果的に、システムトータルの熱効率では、火力発電所並みの50%を超えると言われています。

 

2016年:劣勢打開なるか。ニューマシンTS050を投入。

シャシーも新型へスイッチ。蓄電ユニットをライバルと同等のリチウムイオン電池に換装。蓄電容量を一気に拡大。エネルギー放出量を、それまでの6MJから8MJへとステップアップを図っています。エアロダイナミクスでは、外見上の変化は少ないものの、L/D値は大幅に向上しており、より少ないドラッグでより大きななダウンフォースを獲得しています。また、ミスの多かったニコラス・ラピエールに代えて、小林可夢偉を新たに起用。

対するポルシェは、919 Hybridの開発をさらに推進。これに対し、アウディは奇っ怪な見た目の新型R18を投入したものの、この1年は劣勢に立たされることになります。

WEC開幕戦シルバーストーンでは、トヨタ勢は前年と変わらぬ苦戦ぶり。次のスパでは、オー・ルージュの縦Gに耐えられずに、5号車がエンジンブローするなど、状況は厳しいままでした。ただ、アウディとの接近戦を繰り広げるなど、明らかにペースは改善。少し、希望が持て良いのかも。淡い期待を抱き、ルマンに挑むことになります。

 

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